デパートからコンビニへ
デパートの総売り上げが、コンビニに抜かれた。流れは加速するだろう。デパートは地価の高い場所に、巨大な売り場を備え、大量な従業員をかかえている。さあーどうぞ、とお客をまっているお殿様。こう言う商売は経費がかかって、さぞ大変なことだと思う。一方、コンビにの方はお客の暮している方に近づいて、24巻営業までしている。場所代に対してだいぶ効率的だ。名前の通り便利に利用してもらおうと言う方針。小田原のような街では、中心市街地の駅前にも結構コンビニが存在する。もちろん周辺部にもある。久野には以前は3軒あったのだが、1軒は最近閉鎖した。確かに便利に利用させてもらっている。ボールペンがない、糊がない、コーヒーのミルクがない、郵便を出す、切手を買う、振込みをする、お金を引き出す。思い出せば随分利用している。一方デパートで何かを買ったことがあるかといえば、たぶん生れてこの方、一度も思い出せない。洋ラン展で蘭を買ったことがあった。
これからの商店を考えると、大きな店舗を構えた商売というのは、衰退するだろう。東急ハンズが出来た時、とても便利だった。普通見つからないような、陶芸用品から、画材まで、専門的に見ても、それは品揃えが良かった。ところが、ネットの商売が簡単にそれを越えた。特殊な農業用資材など、ネット通販がなければ、どうにもならないという状態である。そんなものは使わず、農協のビラや案内で買うという人もまだ多数派だろうが、一気に代わってゆくと思って間違いない。何しろ、品揃えが違うし、価格も安い。ネットで探す場合、楽天のような、ショッピングサイトから探すことももちろんあるが。極端な例で言えば、花のきれいな蓮の苗はないか。などと考えた場合でも、探しようがある。不可能を可能にしている。情報こそ商売と言う事だろう。これはコンビニとデパートの違いでもある。
コンビニの次は宅配だと思う。ネットスーパーが一気に延びているらしい。これは小田原のような地域でも、全地域に5年先には広がっていると予想する。商品を見つけて、注文すると、地域によってはその日の内に、早ければ3時間ぐらいで届けてくれるらしい。現在小田原でも注文できるらしいが、久野は地域外である。しかし私は間違っても買わない。地域外のスーパーで買うなどもっての他のことである。地域が駄目になる。それは別にして、経費を削減してゆけば、ネットスーパーにいたる。配送システムに力を入れる必要はあろうが、店舗を維持するようりは安上がりのはずだ。購入者としては配送料の問題があるが、これも競争で下がるだろう。ダイエーが登場した時のように、一気に小売業が様変わりするような展開もあるかも知れない。長い間百貨店が一番だった。スーパーが売り上げで追い抜いたのが、1970年代。
今儲かっている商売。ユニクロ、ABCマート、任天堂、天気予報会社、ペット関連。どれもが次の時代を読み取る力が必要。コンビニの特徴は顧客分析のコンピューター分析。全国に展開する店舗から来る情報を、即座に分析できるシステム。売れ筋商品のすばやい対応。もう一つが、銀行、郵便局、宅配便、役所。の代わりを行う。ともかく情報産業の一つとなっている。コンビには5000万円で新規開店できるらしい。どんどん作らせ、競争させ、淘汰する。投資先が無いから、アパートを作る代わりに、コンビニを始める。店舗数が増えて、本部は利益となる。しかし、コンビ開店は地獄突入。儲かっていそうな店が、突然閉店して、又雨後の竹の子のように登場する。売り上げは伸びるが、この地獄も終わりは近い。地域のよろずや軒並みつぶして、歩いて、ゴジラ映画のように、コンビニが無くなった後には、何もなくなる。「地域のコミュニティーを再生するような、店舗。」これが次の時代のキーワード。