総務省プラン
地域力再生プランとも、鳩山プランとも呼ばれている。素晴しいプランである。鳩山邦夫総務相「地域力創造プラン」を公表した。都市の若者らが1~3年程度の期間、人手不足の地方で森林保全といった農林水産業などに従事する「地域おこし協力隊員(仮称)」の創設で、数百人規模の募集を想定している。地方自治体が隊員に一定の報酬や住居などを提供する仕組みで、総務省は平成21年度の地方交付税で自治体を支援する方針だ。悪化する最近の雇用情勢の解消や過疎に悩む地方の活性化、環境保全といった相乗効果を期待している。
このほかプランには、複数の市町村が連携して地域振興に取り組む定住自立圏構想の推進を盛り込むと共に、都市と市町村が自然保護環境の協定を結ぶ仕組みを新設する。
プランの詳細については不明であるが、方向についてはきわめて正確だ。どういう方々が策定したかも判らないが、こういうプランがでてくるぐらいだから、まだ大丈夫だ。鳩山邦夫氏は数々の無礼な発言で、辟易していたが、今回のプランは評価できる。大きくは三つの枠になっている。一、定住自立圏構想の推進 二、地域連携による「自然との共生」の推進 三、条件不利地域の自立・活性化の支援 の3つと成っている。問題はこのプランの実効性である。農水省にある、様々な例えば、水環境云々、地域営農云々など等補助金事業は100と言う数がある。それぞれの形で運用されているはずであるが、農村がそれによって再生してきたとまでは、とてもいえない。悪くはないこともたくさん行われているのだが、なぜか大きな方向が整わない。片方で生物多様性を重視した、環境保全水路を作ると同時に、規模拡大のための圃場整備に伴う3面張りの、水路が作られて環境破壊も行われる。
100年に一度の経済危機だという、レッテルが貼られている。これは、だから私には責任がないという、転化の言い逃れだ。こうなり、さらに困難に成ることは、目に見えていた。迷走飛行からの、ソフトランディング。バブルの経験がまったく生かされていない。何せ、バブル崩壊の銀行の救済を自慢げにアメリカで吹聴した麻生総理大臣だ。鳩山プランで行くことに決めたらいい。農水も、環境省も、この方向に全てを併せて、一致協力して進む。例えば定住自立圏構想の立案には小田切徳美氏が入られている。以前から地方主権農政への転換を主張されている。5万人の中心都市を想定し、その周辺との連携を作る。医療・福祉・交通・住宅・ショッピングセンターなど暮らしに必要な要素を、中心都市に必要な機能を集中し、周辺の町村との連携を作る。
ピンチはチャンス。農業分野では戦後のアメリカ主導の農地改革以来の構造改革をするチャンスが訪れている。大規模機械化だけが日本農業の道ではない。既に人口減少期に入った日本は、若年層の地方での減少は10年経てば、40%の減少が起こると予測される。人口が減少することは、チャンスでもある。明治以来、日本の国土の健全な維持には人口が爆発的に増えすぎた。今から半減すれば、状態としてはバランスが取れる。江戸時代のような、手入れを行いながら、永続的に環境が維持できる状態となる。不便で、不健康な生活に戻れというのでなく。新しい形のバランスの取れた暮らしは、考え方の転換一つで可能だと言う事だ。派遣を切られたから路上生活に入るなど、驚くばかりだ。地方には幾らでも耕作放棄地がある。農地を耕せば食べる物は出来る。100年に一度の危機ではなく、100年に一度のチャンスだ。