地価の下落が始まる

   

地価の動向が景気の状態を一番反映していると思う。株価は投機傾向が強すぎて、思惑だか、実態だか判断付かないことがある。しかし地価はかなりの正確さで将来に対する、実需の強さを反映する。一時バブルで、地上げとかが起こり、地価が異常に人為的に高騰したことはあった。あの時も、地価の高騰にかかわらず実需もあり、投機が導き出した荒唐無稽と言うだけではなかった。あの当時も農地の価格は、開発転用の可能性でもあれば別だったが、普通は動くものではなかった。もちろん当時、将来の高騰を見越して買った人は居た分、すこし上がったが、都市近郊を除けば、結局は前と同じである。地価が下がっている。世界経済から見て当然の事だ。銀座辺りを歩くと、世界のブランドが大きな店舗を急速に広げた。バブルの再来かと言われていたが遠からず、海外ブランドは引いてゆくだろう。

地価の下落が意味する物は人口減少であり、経済の肥大化の調整を意味している。今回の特徴は、都市部から下がり始めていることだ。都市部がバブル再来と言われて、実態の薄い値上がりをしていた。背景には首都圏への人口の集中がある。転入超過数が、2006年07年と連続して15万人程度の増加をしている。08年も同様の傾向である。しかし、土地価格はここに来て低落傾向にある。この原因はよく分析してしておく必要がある、将来の傾向を内在している。都市に人口が戻っているのは、地方の不景気に伴っての事ではないか。社会の余裕が都市部にあるが、その余裕部分を食いつぶしている状態。結果、もう土地が値上がりするようなことは、2度とないという事か。これは事業の考え方において全ての基本となり重要な考慮要素となる。あしがら農の会のこれからのような、丸で関係ないようなものでも、関わりがある。公共事業でも、今までとは違う発想になるだろう。不動産業界、建設業界は当然このことは考えているだろう。

小田原においては、どうなるかと言えば、下落幅が目立ってくるのはこれからである。首都圏の外郭部に位置する、20万都市小田原は、人口衰退が目立ってくるだろう。雇用が減少する。企業においては当然の事だが、どの分野も人余りになる。現在建築分野では、やらないよりは仕事があればましという形で、ダンピング的な請負が起きている、と聞いた。不動産分野では高値では売れる見込みが乏しい、事業そのものが赤字的な開発でも、やらないよりはましと言う事でやっている、と聞いた。地域企業では残業が目立って減ってきている、と聞いた。全て伝聞ではあるが、経済は急速に悪いほうに予兆がある。それが土地価格の下落に現れる。来年は今まで以上に下がるだろう。

田園優良住宅構想が進められようとしているが、その後大きな変化はない。荻窪方面で計画があると聞くが、果たして経済的に可能な状況であろうか。普通の住宅の発想なら、よほど安い価格で売るのでなければ、移住する人は居ないだろう。新幹線の7万円の定期代が、安くなるぐらい、地価が安ければいいのだが。むしろ特徴の際立つ、周辺の農地まで含めた個性的な展開なら可能性はあるかも知れない。潜在力は大きい場所である。小田原駅周辺では再開発事業が計画されている。事業として成立する可能性は、こちらはほとんどないとおもう。今やれることがあるとしたら、事業規模を可能な限り縮小することだ。事業で一番重要なことは、機をみること。もう明らかに逃している。一度逃したら、次に回って来るまで我慢する方がいい。中に居る関係者は、市の職員を含めて、全てを知っているが為に、外から見るような冷静な判断が出来ない。外野は利害関係も、責任も無いから、かえって全貌が見える。しかし、市有地については、無関心とはいかないので困る。

昨日の自給作業:ミカンの摘み取り1時間 累計時間20時間

 - 地域