苗の会

   

農の会には、なかなかの活動がいくつもある。その中でも他に自慢していいと思うのが、「苗の会」だ。苗を作り、苗を育ててもらおうという主旨だ。野菜を育ててみる。このことから、さまざまなものが見えてくる。自給と言う事を基本の理念として、進んできたわけだが、誰しも完全な自給が可能だとは言えない。当然の事に、それぞれの暮らしの事情がある。それでも、少しやって見ませんか、という呼びかけの姿勢を、会としては持ってゆこう。こう言う事なのだと思う。ビルの10階に暮しているとしても、窓辺でトマトの苗ひとつ育ててみる事は、大切じゃないか。こんな提案で生れたのだと思う。何年か続けてきて、担当されていた人が、継続できなくなり。そこで、生産者が分担して作ることになった。有機で苗を作る技術は、それぞれが試行錯誤しながら、進めているなかなか難しい技術だ。

ニラが担当になった。それはただ株分けして、植えればいいという、ほとんど名目上加わったような簡単な作物だからだ。みんな技術的レベルが高くて、踏み込み温床など、上手く利用しながら、素晴しい苗作りをしている。トマトとか、なすとか、ピーマンとか、販売できる苗を作るなど、相当の技術なのだ。種苗店で販売されている苗は、化学肥料で作る。農薬も使う。これなら見掛けだけ立派な苗は、可能だ。国会でも取り上げられた、有機JAS法違反は苗が、有機栽培ではできなかったからだ。野菜は種類ごとにそれぞれのコツがある。先日来て頂いた。石綿氏にはその方法を何度も教えていただいた。なるほど、細かくその作物の生理に従い、発芽から生育を見守るものだと、感心ばかりだった。ずぼらなものには、とても不可能な繊細さだ。

有機農業推進法が出来たのだから、是非とも公の機関で、有機農業の実験をしてもらいたい。例えば、有機畜産を法で言う以上。実際の実践を公的機関で行わなければ成らない。やったこともないことを、法で監視するなど出来るわけがない。もし、その技術的蓄積がないなら、現に行っている人の調査を行う。これが第一歩だろう。有機農業で実践してきた農家の人は、皆さん独自の研究をしている。能力のある人だけが、生き残って継続している。よほどの人ばかりだ。その人達の技術的蓄積を、事例調査をしてゆくことが、今行政が行うべき、大切な所だろう。トマトの有機栽培の苗の作り方を教えて下さい。このように県の農業研究分野の人にお願いしても、全く技術がない。それは今までの、行政の進め方が、有機農業否定だったのだから、仕方がないことだろう。しかし、有機農業推進法が出来た以上、聞かれてわかりませんでは通らないことだ。是非、やっている農家から学んで欲しい。

苗の会はとても将来性のある、重要な活動だと思う。家庭菜園でやる人で、有機農業でやりたいという人はいる。むしろ、有機でやる人の方が多いだろう。しかし、販売されている苗は、化学肥料で甘やかされて育てられている。いわば温室育ちだ。それを買ってきて、ある意味過酷な自然状況に対応しろといわれる。これでは良い野菜は出来ない。苗半作とはよく言われる言葉だ。良い苗が出来れば半分は成功したようなものだ。有機栽培の苗は見た目貧弱な所はある。しかし、栽培してみると、丈夫で病気になりにくい。免疫力が形成されている。こう言う事が、家庭菜園の人達の知る所に成れば、有機の苗が倍の価格がしても、是非欲しいという需要は出てくるだろう。ウイルスフリー苗が、倍以上で売れている。その意味で農の会の苗は、先駆的な試みだ。来年はもう少し、難しい作物苗の生産者になれるようがんばりたいものだ。

 - あしがら農の会