ケイトラ
最小限の暮らしに自動車は、あってもいいのだろうか。あってもいいとするれば、ケイトラだろう。多分他の機械類を相当に排除しても、ケイトラをはずすのは難しいはずだ。湯河原のほうに住んでいるらしい元総理大臣の、陶芸をする人は、ケイトラに乗っている。中々かっこよかった。殿様の家系の人らしく、ケイトラを籠のようにダンディーに乗りこなしていた。日本の開発した車の中で、軽自動車と言う枠はおもしろい。多分貧乏な国だから、大きな車など無理だろうと言う、どこかお役所の親切心か、車会社のお願いなどがあったのだろう。農の会を始めたころ、現代農業に軽トラ研究家の方が寄稿した。これがいい文章で、確か続編も掲載された。実に機械というものは等しくこうあるべきだと、言うような感銘を受けながら読んだ。その人はその後、軽トラ研究会を立ち上げ活動をされている。又、その活動が面白いので、是非そのホームページを読んで見てください。
日本で一番売れている車は、軽自動車だ。日本に適合している。税金が若干優遇されている。以前は、360ccだったけれど、安全基準を強化した時に、550ccのエンジンになった。枠があって、その中で工夫してゆくと言うのも、おもしろいもので、最小限の家的ですばらしい。ヨットの発想のように、軽自動車キャンピングかーと言うのもある。巨大なキャンピングカーより面白そうじゃないか。軽トラは移動にも使えるが、主に荷物の運搬が目的になる。田んぼから家までお米を運ぶにしても、1トンの荷物を、リヤカーで運ぶとして、坊所から舟原を運ぶだけでも、4往復。多分坂道だから、4時間ぐらいかかるだろう。殆ど現実的でない事態になる。
朝市に良く出ていた頃、お婆さんから、「お前が百姓やってるなんてうそだ。」こう決め付けられた。「でも、ホントに養鶏やってるんです。」こう言うと「手を見せて見ろ、やっぱり嘘だ。」全く信用されなかった。それ以来、スタイルと言うのも重要だな、JAの帽子ぐらいはかぶらないと、いかん。乗り物はカブだ。作業着も出来れば、ヤンマーぐらいネームが入っていたほうがいい。新規就農者はそれぐらい、おしゃれに気配りだ。などという時期もあったが、今は又戻ってしまった。それでも、ジムニーで田んぼに行くのでは、感じがよくない。田んぼの脇の路肩に軽トラなら、止めておいてもストレスが少ない。
問題はジーゼル車が無いことだ。廃油を利用できる軽トラは無いものか。ここが一番悩ましい事だ。軽トラしか入れない、農道は結構ある。軽トラなら邪魔にならない場合も多い。日本の地形に適合している。私は三菱の4輪駆動の、オートマチック車に乗っている。普通無い。軽トラ研究会の指導のもとに購入した。最初スタイルで、ちょっとギョッとしたが、今は慣れた。使い勝手も特に問題はない。新車にしたのは、何度も中古車を購入して、エライ目にあったからだ。結局軽トラの中古は使い切っている。新車が出てスタイルが変わって買い換える人など居ない。どこか具合が悪くなって買い換える。車や機械に詳しい人なら、それでも何とか乗りこなすが、結局中古車は無理だった。冬、田んぼの中に入っていって、色々したいと考えたので、4駆にした。しかし、これは、無理な事だった。