みんなで学ぼう!久野里地里山
18日午前中小田原フラワーガーデンで、集まりが行われた。丹沢ドン会から、片桐さんが講師として参加してくれた。ドン会の活動は環境省の全国4つの里地里山保全の活動として選ばれ、注目を集めてきた。活動の断面は参加させていただいたりして、おおよそ知っていた。今回は全体を知る事が出来て、大いに勉強になった。市民参加の方法論。この辺りが講演の焦点として、聞いた。50名ほどの参加者で、農の会関係者の参加は2名過ぎなかった。お茶畑の肥料播きが、この日に当てられた事を含めて、最近の農の会は、周辺の事業に対する関心が薄れてきている。その辺の理由は、簡単には結論できないが、内向化とか、個別化とか、関心が内に向かう傾向は社会一般にもある。ともかく自分の農業の立ち上げに専念することは当然の事だが、それだけで大丈夫なのかな。
大変気持ちの良い集まりに成った。司会の小田原植木の近藤さんがすばらしく、配慮が行き届いていた事もあった。また、講師がドン会の片桐さんで、久野の状況をよくご存知と言う事もあった。事例発表の一寸木峯生さんの峯自然園、石綿敏久さんの自然農法園の紹介。どちらも久野の可能性を感じられる報告だった。結局久野の持つ自然の力が、まだ充分に生きていると言う事だろう。この残された自然をどのように活用し、より豊かな物に育ててゆけるのかは、ここに暮す一人ひとりにとって、重要性が益々高まる事だろう。里地里山の自然環境が市民全体に波及して行くことで、地域の暮らしの豊かさ、深まりに成るのだろう。行政が準備万端してくれて、下支えしてくれた事もありがたいことだった。休日にもかかわらず、多数の市の職員、県の職員が出てくれた。
行政からは小田原市の企画政策課の内野さんが、今までの流れを説明してくれた。17年9月の先進事例の見学。11月一回目の勉強会。その後6回の勉強会が開かれたこと。市から県に対し、久野地区を実施地区として要請をし、4月に県のほうで決定があったということらしい、初めて聞いた。久野での里地里山事業は小田原市の小田原ルネッサンス事業のふるさと原風景再生事業の中に位置づける事。その100選に久野の自然も選ばれている事。などが話された。今後の展開に対する考えは特になかった。行政・市民・地域農家。この三者の役割の分担がどうも見えない。今後行政は何を目指そうとしているのか、本当に聞きたかったのはこの辺だったが。
今回の「みんなで学ぼう!」で見えてきたのは久野には、多様な活動がすでに存在している事。但し、その位置づけが行政としても、地域住民としても、明確で無いこと。また、市民活動間の連携も無いこと。これを誰がどのような役割分担をして、統括し、進めてゆく原動力になるかが課題と考えてきた。秦野でのドン会のような役割を誰が担うのか。地域の農家の方にはすばらしい里地里山的営農形態で、進められている方が10名を越えて居られる。この方々が中心核だろう。そして、その周辺に市民活動が4団体ある。さらに、やる気のある行政がいるとするなら。この3者の役割分担は自ずと見えてくるはずだ。この先のストーリーを描き。コーディネートしてゆく潤滑油のような役割を、今まで行政に推進力としての役割があると考えていたが、どうもそうではないようだ。むしろ行政は指示待ちなのだろう。市民がこうしてくれと言うので、要望に対応する。そんなつもりなのだろう。今回はこのことが理解できたのが、一番の収穫だった。