久野・里山再生事業

      2016/08/08

神奈川県と小田原市の行政の求めに応じて、以下のような文章を提出した。
○先ず、久野の何処が里山としてふさわしいかという問いがありました。
「久野で現在田畑として耕作されている場所と、その周辺は何処も里山としての可能性を持った場所だと思います。だから特定のところを選んで、そこだけというのは、幅を狭めるように感じます。」
と答えました。

○2番目の問いは,どのように進めたら良いと考えていますか。
私なりに考えている、手順は以下のものです。

1、回覧板で、里山推進事業を行いたい事を、全住民に連絡する。そこで、興味のある人を、募集する。 情報の共有化こそ、全ての第一歩である。
今後も必要に応じて、「久野里山通信」続編を出してゆく。
地域の人の利益になる事業である事を明確に打ち出す。多くの地域住民にとって、もてあまし気味とはいえ、里山は各家の資産の基盤と考えられてきた歴史がある。また、この事業が県民全体にとっても、有意義な社会的価値のある事業である事も明確に打ち出す。

2、久野里山会の組織を作る。事務局として、県。市。久野住民。が上手く合致するよう組織化する。この進め方が、重要で、閉じたものにしないこと、地域の有力者をはずさないこと。私のような外部のものは、下働きというか。使い走りとして動くこと。顧問、名誉代表として、どなたか有力な方に(例えば河野洋平氏)お願いする。

3、基本となる考え方の確認を行う。私の考えとしては「業として農業が成立することが、里山再生には何よりも肝心なこと」
そのために農業が成立する手立てを打つ。現在杉檜が植えられている、山と見られているところの大半が、50年前は畑だった。農業と農村が再生すれば、里山は自ずと再生されることになる。

以下がその手立て。

①販売ルートの整備。里山の整備が市民全体の利益になるものであることが、理解されれば、農産物の付加価値販売は可能。地域貨幣・ファーマーズマーケット

②ブランドの確立。付加価値を付ける為に、農法に一定の枠をつけ、達成したものには、マークを付けることを認める。

③農業基盤整備。自然環境との調和を図る、農地のあり方を、分かり易く提案する。

④農業者の増加の為の住宅の斡旋。農業者用の集合住宅を作る人(私がやってもいい)に、法的支援をする。

⑤新規就農者の受け入れ体制作り。農業委員会との懇談会を行い。主旨の合意を図る。

⑥農業者住宅の法的な緩和の特区作り。地域の資産価値を上げる為、里山保全田園住宅構想を進める。

⑦農地の貸借の推進の為の、窓口の整備。出来れば農業委員会に、設けたいが、不可能な時は、部署を考える。

⑧貸し出し機械の準備、市民的参加者と農業者をつなげる機械によるパイプ作り。機械は農業者所有でもかまわないが、貸出制度。管理制度。作業委託制度。を準備する。

⑨宿泊施設、駐車場、風呂、トイレを作る。8までが整った上で、これが出来れば、一気に里山作りは進む。

以上の文章を行政に提出した。もちろんこれが全て受け入れられるとは考えていないが、行政は、経費をかけない事業の進め方を模索していると思う。経験が無いのだから、無理も無いことだ。行政が出来ることは、法との兼ね合いの整理。地域住民が出来る事は、生業。これを当たり前に整えれば、里山の再生は難しいことではない。

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