アフガニスタンと中国の関係

   



 中国はアフガニスタンと国境を接している。隣国である。そこは問題と言われるウイグル自治区のそばである。ウイグル自治区において、弾圧が起きていると言われてアメリカは強く非難をしている。中国は国内にもイスラム原理主義のテロ攻撃があり、それに苦労してきている。

 世界が米中の対立の中で、うごめいている。経済の覇権争いである。この先経済が国というものと世界企業というものがどう関わるのかでもある。国というものは、末期資本主義を乗り越えなければならないが、企業はその末期資本主義を食い物にして成長する。

 中国はアメリカの撤退が発表されると、すかさずタリバンと友好関係を築いたという。当然のことだろうが、さすがに抜け目が無い。アフガンにとって一番経済関係が深い国が中国である。今後中国との経済関係は密になることだろう。

 アフガニスタンはまず、ソビエトが介入して、ソビエトは敗北しソビエト崩壊の遠因になった。ソビエト政権はソビエト国内のイスラム勢力の弾圧を続ける上で、アフガニスタンに介入せざる得なかったのだろう。

 そして、アフガニスタンで失敗をして、自らのソビエト連邦の体制の崩壊にも繋がり、周辺衛星国は独立をしてゆくことになる。その周辺国も紛争を繰返しながら、今に至っている。民族問題と宗教問題が解決すること無く続いている。

 今度はアフガニスタンにはアメリカが介入して、やはり敗北して引き上げることになった。アメリカがアフガニスタンで、イスラム過激派を育てるような結果になったのだ。力の圧迫が強まれば強まるほど、テロ的集団が登場するのは必然である。

 そして、次に登場してきた国、覇権主義と言われる中国がタリバン政権の後押しをしようというのである。タリバン政権が国内の過激集団を抑えると考えているのかもしれない。内政不干渉という考えの中国が今後どのような外交関係を取るのだろうか。

 一時壊滅作戦で消えたように見えた、アルカイダのイスラム国はこの混乱に乗じて、たちまちに自爆攻撃を行った。アメリカはイスラム国に対して、報復攻撃を行ったが、一応タリバン政権は静観しているようだ。タリバンもイスラム国が好ましいわけでは無い。

 先日、福岡のペシャワールの会の代表方が、通常通りの活動を現地では継続されていると言われたのでほっとした。ペシャワールの会の医療活動や水路建設は住民のためのものだ。タリバン政権であっても活動を破壊することは無いと思いたい。

 しかし、タリバンは過去バーミヤンの仏教遺跡を爆破した。何をするのか分からない不安がある。イスラム原理主義は、イスラム教が登場する前の遺跡を爆破する。イスラム教の出現だってその前の歴史を踏まえてのことだろう。古代遺跡を破壊すると言うことは、自らの出現を否定すると言うことになら無いのだろうか。

 偶像崇拝を否定するのは、その宗教哲理としてあり得る。しかし、否定するべき対象を破壊行為でしか、否定できないとすれば、その宗教哲理は矮小なものであると言える。もしイスラム原理主義が人間のための宗教であるのならば、古代遺跡を破壊できるわけが無い。

 中国大使館は引き上げるどころか、通常通りやっていると言うから、アメリカが引き上げたあと、どういう関係になるかは交渉が出来ていたようだ。同じようなことが、軍事クーデターを起したミャンマー軍との間でも言われている。

 アジアの紛争地域のことは中国の影響抜きには考えられないのだろう。これは台湾のこと、そしてそのそばに暮らしている石垣島の住民としても、よくよく考えてみなければならないことだろう。意に染まぬ住民を従わせることが出来るのかどうか。ホンコンの成り行き次第と言うことが大きいだろう。

 中国は日増しに習近平独裁国家の様相である。高い知性の中国人が、独裁国家に従い続けることが出来るのだろうかとおもう。ここが一番分からないところである。私には耐えがたいものだ。自由ほど大切な物はないと思っている。

 中国のテレビを見る。中国の絵を見る。中国はまだ、精神文化の途上国だと思える。中国の絵画というものはない。現代の中国を表現する絵画は、大きいことによるこけ脅かしと、リアルな人間業とは思えない表現である。大衆を甘く見た、大衆迎合意識が働いている。

 もし、本当の意味で自らの自由意志で中国のために、足並みをそろえて13億を超える中国人が生活するとすれば、未だかつて無い国が生まれると言うことだろう。しかし、人間はそんなものではない。ドフトエフスキーを生んだロシア人がプーチンの言いなりにはならない。

 よく言われている、賄賂体質なども一掃されると言うことになる。中国から、地球環境が改善されてゆくと言うことになるのかもしれない。まったく未知数であるが、そうしたことがこれからのアフガニスタンで分かるのではないだろうか。

 中国がよく主張する、内政不干渉であるべきと言う外交姿勢が、アフガニスタンでも示されるのだろうか。アフガニスタンと経済関係の深い中国が、アフガンのISなどのテロ攻撃をどのように受け止めるのだろうか。当然ウイグル自治区のイスラム勢力との関係も出てくるだろう。

 タリバンがこれほど急激に勢力を拡大できた背景に中国の存在があるのかもしれない。

 

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