石垣島に小さな脱穀・精米所を作りたい

畦からワカバの水牛コロバシャをしているところ。6mの幅の田んぼというのはこうして畦をぐるぐる回りながら、水牛代掻きをすることが出来る。これは、人間が田んぼのぬかるみの中を歩かないので良いので、女性でも可能な作業になる。
6mというのはトラックターでも旋回できる幅の田んぼである。手刈りで行うとすれば、左右に3m刈って行けば、両側の畦に刈った稲を置くことが出来る幅である。手作業で行う場合、一番合理的であると考えた田んぼの幅である。そして長さは33メートル。これで198㎡。二畝。
田んぼの下側に出来る畦の畑は4m幅で長さ33m132㎡。ここで大豆を作れば、味噌醤油は自給できる大きさ。田んぼと畑をあわせて、330㎡つまり100坪。裏作まで行えば、これで一人の人間の自給が出来るという大きさになる。

のぼたん農園の機械小屋は小さな脱穀・精米所にするつもりだ。機械小屋が作れるかどうかに関しては、まだいくつもの難関がありそうだが。現在石垣島ではJAに出荷しない小さな有機稲作の農家は、籾すり脱穀するためにお米を持って行く場がない。そのために、小さなイネ作りの自給農家が新たには成り立たないのが現状である。
石垣島ではお米を作りたい。自給をしてみたいと言われる方は実に多い。そういう方達が、田んぼを始めて食糧自給を行うためには、コイン精米機もないのではかなり無理なことになる。そこで、自分たちの精米所を作いたいと考えるようになった。
新規に有機農業農家が誕生するには、どうしても小さな脱穀・精米所は必要なものだ。のぼたん農園に機械小屋が出来たならば、それを有機農業の稲作農家の人の会員制のものにしたい。脱穀機は精米機以上に自給農家の必需品である。
最初からすべての機械は準備できないが、ある程度使えるものを一通り準備して行きたい。有機栽培を条件にした会員制のものがいいと今は考えている。機械はすぐ故障するので、その修繕をみんなが学んで行けるような、小さなライスセンターである。
石垣島では農家それぞれが機械を保有して、脱穀精米までするのか。あるいはJAのライスセンターに、籾で出荷してしまうのかの二つの方法以外に無い。小さな自給のイネ作りを行うとすれば、どこかの農家の知り合いに頼む以外には方法が無い。このことは新規就農者にとっては、かなりの障害になっている。
脱穀、精米が出来る場所がどうしても必要である。あくまでJAS有機基準以上の栽培をする農家である事を条件にしたいと思っている。それはJAS有機基準では、慣行農法と機械の共有は出来ないことになっていることもあるが。
新規就農する有機農業を志すものが、小さな機械小屋を共有することで、緩やかな連携をすることに繋がると考えている。最初から稲作の機械をすべてそろえることなどかなり無理なことだ。機械の操作や修繕もここで覚えて貰うことができる。
今発芽してきた稲は7月には収穫である。その時までに間に合うとは思えない。今の状況ではまた、下地さんにまたお世話になるほか無いのだろう。先ずは暫定的に機械の準備は進めて、本格稼働は年内と言うことになるのだろう。将来はのぼたん農園の石垣島有機精米所ということになれば良いとかんがえている。
お米は籾保存が良い。籾保存してあるものを、脱穀精米する。籾であれば密閉ドラム缶で保存できる。ドラム缶で150キロ程度保存することが出来る。ドラム缶にはホカロンを入れて脱酸素をする。場所さえあれば籾保存が一番の保存法になる。
実際は一人一人がやることにすれば、玄米にしてぱっくんで真空包装するのが良い。石垣島の暑さでもこれで鮮度が保持できる。今我が家ではその真空包装のお米を食べているが、一年以上前のものだが、充分美味しいお米を食べている。
問題は夏の暑さだから、脱酸素の籾保存が出来ないのであれば各自が持ち帰り、60キロの玄米をぱっくんで脱酸素保存をする。冷蔵保存が良いのは分かるが、設備や電気代をそこまで掛けるのは難しいのではないかと考えている。お米の保存は後半に食べる分だけ真空保存すれば良い。これで劣化しないでお米が保存できる。これは石垣島ですでに試していることである。
のぼたん農園ではもう一つ新しい計画が生まれた。バイオガスの製造をすることにした。1月23日実際の工事を始めた。干川さんが長年泡盛の絞りかすを発酵させてバイオガス生活利用をしている。その技術をみんなで学ぶことである。
まずは、臨時のトイレをバイオガストイレにしてみる。機械小屋に作るトイレでは浄化槽を利用して作ろうと話している。機械小屋に併設するトイレをバイオガス発生に利用する。泡盛かすがもらえればさらに良いかと思う。田んぼに行ったら出来るだけみんながトイレを利用する習慣にする。
バイオガスを発生させた残りが肥料になるはずだ。これは溜め池から流し込めば、段々畑全体の肥料になるはずだ。食べたものがこうして循環する形を見えるものにする。溜まったバイオガスで休憩の時にはお茶を飲める。
光合成細菌と合わせて、田んぼ全体の肥料をどう入れるかを研究してゆけば良いだろう。まだ光合成細菌は未知数であるが。光合成細菌が土壌の還元化にどう影響するのかを見てゆきたい。亜熱帯での有機農業実現には必要な技術のように想像している。何でもやってみなければ分からない。光合成細菌を地元の泡盛かすで増殖してゆく。
生ゴミの堆肥を作る活動も始めたい。稲わらや籾殻を組み合わせて、堆肥場を作る。石垣島では生ゴミ堆肥に取り組む人達のグループが複数あるようだ。連携をとれれば良いと思う。バイオガスに入れられる生ゴミと堆肥に積むべき生ゴミがある。二つの仕組みが両輪に成れば良いと考えている。
のぼたん農園は暮らしの循環の全体が、この場で見えるものにしたい。食料を作る。生産方法は自然の循環に従うものでなければ成らない。水は湧水であり、天水田である。水は溜められ、浸透し蒸発してき、農園の外には出ない。
肥料はのぼたん農園の中で自然に循環してゆく。人間の排泄物もバイオガスになり、肥料になる。水牛の糞などは藁や草と合わせて堆肥になる。溜め池に入れることでうまく分解して、肥料化することが出来れば、それが田んぼに流れ込んでゆくことになる。この仕組みはまだ充分分かっていない。
人間が食料を生産するという原点を一目で見える場にしたい。食料を作ると言うことが、何千年の循環してゆく具体的な形が、美しい自然に溶け込んだ農園で実現されている。それは誰にでも出来ることだと言うことを示したい。
月の溜め池には青い熱帯水連を植えたい。現在取り寄せている。それが私の修学院離宮だ。