スーダン日本人脱出成功

   


 スーダンで内戦が起きた。以前から内部抗争は続いていた。それが激化して内戦化した。スーダンの飛行場で戦闘が起き、飛行場の使用は不可能になり、空路の脱出はできなくなった。陸路脱出した。相当難しいと思われたが、日本人を含め外国人は次々に無事脱出し、今のところ戦闘に巻き込まれた外国人は2人と報道されている。

 スーダンの内戦はかなり複雑なもので、理解しにくいのだが、民主化勢力と独裁勢力の戦いがあり、軍隊二つの勢力に分かれて戦う内に民主化の動きは消えてしまったようだ。世界中で起きている、強権政治の動きの一つのように見える。

 今回、50人余りの日本人の救出に自衛隊機が3機隣国ジプチまで行き待機した。陸路の脱出は30時間ぐらいかかったと書かれている。私がこの脱出に興味を持ったのは、石垣島に住んでいるから他人事ではないからである。この50名から見ればその1000倍の5万人の石垣島脱出は果たして可能なことかということである。

 政府は基本自助を求めている。自分で逃げろというのが、石垣島の避難計画の基本の考え方である。5万人が乗れるような飛行機はない。飛行場は爆撃されて使えない可能性が高い。もちろん港湾も同じようにミサイルが撃ち込まれる可能性がある。自衛隊は脱出にかかわれないとなっている。

 泳いで逃げろとでもいうのだろうか。与那国島ではシェルターを希望している。一体シェルターで何とかなるのだろうか。与那国島の2000人くらいなら何とかなるかもしれないが、石垣島の5万人は無理だろう。何日ぐらい隠れる予定なのだろうか。もっとおかしいのは波照間島である。まず、波照間島から、石垣島に逃げるのだそうだ。

 なぜ、波照間島から逃げなければならないのだろうか。遠くに孤立する波照間島にそのままいればいいだろう。むしろ私は波照間に避難したいぐらいだ。逃げなければならないような理由が見当たらない。石垣島に脱出すれば、それは確かに危険がます。何しろ石垣島には中国の軍事基地に向けて攻撃用のミサイル基地がある。

 中国の軍隊が普通の知恵があればまず何をおいても、石垣島や宮古島や与那国島のミサイル基地をミサイル攻撃するだろう。基地のない、なんの武器ももたない波照間島を攻撃する理由などどこにもない。当たり前のことだろう。この当たり前がわからないのが政府と行政である。

 なぜか、波照間から石垣に逃げて、さらに九州のどこかまで逃げることが想定されている。それも民間船で行うらしい。民間船はフル稼働したところで到底足りない。波があれていれば波照間航路自体が欠航である。石垣島の住民5万人がどうやって逃げるのだろうか。そんな船はどこにあるのだろうか。自衛隊の船は攻撃されても仕方がないのだから、民間の船で逃げなければならない。

 そもそも沖縄本島の人たちが九州に逃げるとすれば、次は日本人がアメリカに逃げることになるのか。ともかく荒唐無稽の計画にしか見えない。石垣島の安全は、ミサイル基地を作らないことだ。基地がなければ無視してくれる。中国を仮想敵国にしたいアメリカと日本政府は、わざわざ尖閣問題を棚から降ろしたのだ。

 現実にはあり得ない避難計画を行政が自衛隊の指導で作っている。いったいこれは何のためか。アメリカのため以外の何物でもない。石垣市民はミサイル基地ができたために、危険にさらされるようになっただけだ。それは本土の日本人とアメリカ人のための前線ミサイル基地だ。

 ミサイル基地は中山市長が作りましたと碑を立てておけ。こんなものを誘致した中山市長は石垣島の歴史にその行為を明確に記載しなければならない。きっと普通の人が住めなくなった石垣島に、こんな島にした市長がかつていたが、その市長を選んだのは石垣市民であった。と刻まれた石文である。

 スーダンにいた日本の方々は、皆さん尊い仕事をされていた方々である。JAICAで農業協力をしていたり、国境なき医師団の医師の方。日本人として感謝している。その方々はみんなさんスーダンの人々のために働かれていた人が多い。残念なことである。

 スーダンの政府や反政府の人たちにどういう理由があるのかはわからないが、世界中で戦争という無駄な争いがおこる。権力を握りたいという野蛮な思いが、この行き詰まった世界で世界中で起こっている。民主主義が武力主義によって世界中で押し切られようとしている。

 資本主義の競争が激化していることが原因である。競争に敗れることが、努力が足りないとか、自己責任であるとされる世界である。能力主義という差別。その国が置かれた歴史や条件など顧みられることがない。それならば武力を持って抵抗しようと考えることになる。

 スーダン日本人脱出は良かった。幸運であった。しかし、1万6000人いるというアメリカ人は脱出不可能が現状である。アメリカロシア中国と大国の利害が資源豊かなスーダンでぶつかっているのだ。ある意味代理戦争が起きている。スーダンの国づくりが大国の利害でほんろうされているのだ。

 アメリカ人でまず退避できた1000人は外交官関係。そのほかの16000人は取り残され脱出が難しいとされている。(ニューズウイーク)外交官から狙われているのがスーダンの戦闘らしい。アメリカ人がこれほど多数スーダンにいる理由がよくわからない。

 

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