宮古島で自衛隊ヘリコプターが行方不明

   


  
 6日午後4時ごろ、沖縄県・宮古島周辺を飛行中の陸上自衛隊のヘリコプターがレーダーから消えた。防衛省によると、高遊原(たかゆうばる)分屯地(熊本県益城町)の第8飛行隊に所属するヘリで、当時は隊員10人が乗っており、第8師団(熊本市)の坂本雄一師団長(55)が含まれていた。

 私は同じ頃、ANAの飛行機で石垣島に向かっていた。近い場所を通ったはずだ。曇り空で風が強いとか、視界が悪いとか、気流が悪いとか言うことはなかった。写真の通りである。何が起きたのか未だによく分からない自衛隊ヘリコプター事故がまた沖縄で起きた。いよいよ、自衛隊が展開する島嶼部で起きた。
  
 宮古島で自衛隊のヘリコプターが行方不明になった。2日経ったが未だ消息不明である。石垣島も自衛隊の島である。何が起きたのか徹底的に解明してもらいたい。もし、陸上部に落ちていたら、住民の被害も起きる可能性がある。一体何のための飛行であったのだろうか。

 不思議なことに、行方不明になって5時間後に、期待も不明なまま事故と発表されたことである。その意味が分からなかった。後になり分かることだが、このヘリコプターには着任5日目の師団長が乗っていたのだ。何のためだろうかと思えば、中国海軍の航空母艦「山東」が作戦を展開していたというのだ。

 中国海軍の初の国産空母「山東」が始めてバシー海峡を東進し、太平洋に抜けたのだ。それに合わせて、ミサイル駆逐艦とフリゲート、情報収集艦が日本の動きを牽制するかのように、先島諸島周辺海域で行動している。その様子を見るために坂本師団長が自分の目で見るために出向いたとすることが、推測される。

 まさか中国艦船が展開する中、宮古島遊覧飛行に出掛けるわけがない。この師団長の視察は防衛大臣にも事前報告はあったと考えるべきだ。国会では知らなかったとしているが、それが本当であれば、自衛隊の文官統制としての報告義務を果たしていないということになる。聞いていたが、機密事項なので申し上げられないという所だろう。

 事実を明確にしなければ今後の島嶼防衛にとって、禍根になる。戦争はこうした意味不明な事件から始まるのだ。これはそれほど重大な事故だ。着任わずか5日目の師団長が、担当警備区を超えて視察しなければならないほどの重要かつ緊急な事態が、中国航空母艦の太平洋への進出である。

 当然坂本師団長は、中国の空母の航行とそれに伴う中国軍の動きを、直接見ようとしたのだろう。それは自衛隊の責任あるものとして当然の行動であったはずだ。その行為は、上層部に報告され行われたはずだ。上層部からの指示で行ったと考えても良い。

 防衛省が早々に「事故と判明」と公表したことがいかにもおかしい。中国軍からの、計器への妨害行為で墜落したという可能性は残されている。もしそういうことになれば、国家的大事件に発展する。それを避けるために、詳しい調査や材料もない内に、事故と発表したのだろう。

 森下泰臣陸幕長は、事故当日の21時頃、記者会見を開き、「宮古島北北西の洋上においてレーダーの航跡が消失した。当該期の燃料枯渇及び発見された機材から総合的に判断し、航空事故と概定したと」と述べた。その後の調査で機体は行方不明のままである。

 航空管制センターの把握と自衛隊の把握では異なるはずだ。自衛隊は現状では何も公表していない。報道はこうしたときこそ調査報道を行う義務がある。しかし、もしこの事故の実体に向けて調査をすれば、政府から飛ばされてしまうというのが報道の現状ではないだろうか。

 今の日本の報道にこの事故の実態に迫るような気概はないだろう。これが日本という自由主義国の報道の自由である。すでに戦前の大政翼賛報道が、報道に関わる物の自己保身に傾く堕落した精神をむしばんでいるのだ。テレビなどまったく緊迫感のない事故報道である。

 国民が動揺しないように、意図的に行っているのであればまだ増しだが、脳天気な報道はこの深刻な事態に気付いてもいないのだろう。たぶん私も石垣に住んでいなければ、この深刻さを実感できなかったかも知れない。戦争が身近にある。

 航空母艦「山東」の太平洋への展開は、台湾の蔡英文総統と、アメリカのマッカーシー下院議長が、アメリカカリフォルニアで会談したことへの反発である。アメリカは台湾を利用して、中国との対立を深めようとしている。自由主義国台湾をどのように守るかは重要だが、米中の対立に巻き込んではならない。

 中国外務省の報道官は「断固とした強力な措置をとり、国家の主権と領土の一体性を守る」と述べ何らかの対抗措置をとることを示唆した。その何らかの処置の一つが、「山東」の展開である。その中国軍の展開を視察しようとした坂本師団長が墜落したのだ。

 直接目視省としたことは正しい判断だと思う。しかし、そこで事故を起すとはまったく日本の自衛隊の軍事水準の低さを露呈したことになるだろう。こんなことでは日本の防衛は果たせない。この重要な場面で師団長を乗せたヘリコプターが、事故で墜落してしまうていたらく。

 もしそうでなく、中国軍のレーダー照射なり、計器への攻撃が行われた可能性があるのであれば、十分に調査をしなければならない。現状その可能性が無いとは言えない段階だろう。その段階で事故と発表したことはどういうことだろう。弱腰ということか。何か事実をつかんでいるのか。

 これからこういう事故やら、攻撃やらは無いとは言えない。まして、南西諸島全体を前線基地に使用というのだ。この時に一番問題は事故である。事故が事件に発展して、戦争になるということは歴史的には普通のことだ。誰かが事故や事件を戦争につなげようとする石があるからだ。

 軍事力強化、敵基地攻撃能力の保有。これは一歩間違えば戦争に繋がるということだ。未だ日本の自衛隊にはその能力が不足しているということを、明らかにしたのが今回の事故なのだろう。なにしろ、「山東」の展開を視察するという重要任務のヘリコプターが事故を起したのだ。

 こんなレベルの自衛隊が敵基地攻撃ミサイルを持つということの危険は計り知れない。石垣島から中国へ誤射が起きて、それが戦争になれば、石垣島にはミサイルが一気に撃ち込まれることになるのだ。何しろ日本のおもちゃのようなミサイルに対して、向こうは核弾頭である。

 武力を持つなどアメリカの作戦計画に乗せられているのだ。あくまで日本は専守防衛で良い。中国を攻撃は出来ないと言う状況で良いのだ。それならば、中国も日本を攻撃する意味がない。尖閣諸島への中国軍の侵攻が一番予測されるのだろうが。

 その時は黙ってみているのが一番良い。そして国連に提訴すれば良い。さらに良い対応は今から尖閣諸島を国際裁判所にその所属の判断をお願いすることだ。出来れば中国政府にも呼びかけて、最低をしてもらうようにすれば良いのだ。

 日本政府はたぶんアメリカの圧力に負けて、中国との敵対する材料に尖閣諸島を利用している。いくつも島はあるのだから、互いに分けて所属すればすむことだろう。人のいない島など人の命に競べれば軽い物だ。

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