米の防衛費3%要求

      2025/04/24



 アメリカは日本の防衛費を国民総生産の3%にすべきと、要求をしてきた。予測されたとおりである。対中国戦略の流れである。ゼレンスキー氏を追いつけたように、それがいやならもう軍事援助を止めると言うことになる。日本に対しては、それなら関税を25%にすると言うだろう。

 もう日本には食料を売ってやらないと言い出すかもしれない。日本はアメリカに依存しきった属国であり、未だ敗戦後のアメリカGHQ占領から抜け出せないでいる国なのだ。いつまでもマッカーサーに従う根性から抜け出せない自民党である。

 アメリカの占領政策のまま、日本は沖縄を自由に使ってくださいと、差し出している。もう80年たっているにもかかわらず、自らアメリカのオンリーさんになっているのだ。日本は独立国なのだから、どうどうと中国との関係を模索しなければならない。

 今の世界情勢の中、アメリカの属国のままでいれば、中国との代理戦争の餌食になる。ウクライナの失敗は、アメリカの差し金で、ナトウ接近を急ぎすぎたことにある。まさかロシアが軍事侵攻しないと甘く見たウクライナの外交政策の失敗である。

 もちろん私もロシアによる、ウクライナ侵攻については、寝耳に水状態であった。ロシアに軍事侵攻をしなければいられないほどの切迫感があるとは思いもしなかった。だから偉そうなことはいえない。といっても日本のロシア研究者の中で、軍事侵攻があると主張した人はいたのだろうか。

 直前になって、アメリカから軍事侵攻があり得るという話があった。アメリカは呂差の軍事侵攻に備えて、ウクライナにその準備をさせていたのだ。岩場火をつけておいて消しに回った。そして、すでに3年間の戦争状態が続いた。アメリカの計画が失敗に終わり、ロシアの軍事侵攻は、旧共産圏の連携強化になった。

 特に、インドのロシアよりの経済政策は、ロシアを経済封鎖から救い、アメリカ主導の経済封鎖が効果を上げることはなかった。結局は北朝鮮の軍事力強化をもたらし、中国の軍事国家強化をも引き出すことになったといえる。アメリカは対ロシア戦に負けたのだ。

 ウクライナ戦争の敗北によって、アメリカは一国主義に進んで行くことになった。それ故に、アメリカの関税戦争も敗北に終わると考えて良い。関税攻撃は確かに一時は効果を上げるだろうが、その効果は長く続くことはない。アメリカを次第に衰退させて行くはずだ。

 トランプもそれはわかっているから、あくまで関税を上げることを交渉材料にして、落としどころを探すことになる。アメリカが譲りすぎていることを是正しようという考えなのだろう。しかし、アメリカが対等だと考える位置は必ずしも相手国にとっては対等ではない。

 アメリカの経済力が大きすぎるのだ。100のものと10のものが、相互関税ですべて同じに貿易条件を決めると言うことは、10のものが追い込まれることになる。そして10の国はアメリカと徐々に距離をとり、10の国同士で付き合うようになる。それが10の国の安全保障だろう。

 日本には軍事力を2%にすることでも無理がある。まして平和憲法によって、攻撃的武力を持つことは制限がある。決定的に言えば、核爆弾を持たない軍事力は、アメリカの捨て駒としての、防人としての役割しか、日本にはないのだ。

 日本はアメリカから離れるべき時が来ている。日本は独立国になるときが来ている。そのときに目指すのは核爆弾を持つ国ではなく、核兵器を持たない10の国同士の連帯である。核兵器を持たない国が世界の大多数の国なのだ。その一員になり、非核国同志の、核保有国に対する「安全保障の形」を要求して行くべきだ。

 核兵器を圧力として、脅しとして使う国があれば、他の核保有国がその脅しを抑える役割をする、国際条約の締結である。ロシアがウクライナに核攻撃も辞さないと主張した。もしもそんな暴挙が行われた時には、他のすべての核保有国が、ロシアに対して核攻撃を行うという圧力である。

 日本政府はアメリカから距離を置くべきだ。アメリカは一国主義に変わったと明言している。良いではないか一国で孤立させれば良いのだ。日本がいつまでも属国でいることは、すがりつくようでみっともないだけだ。怖くとも独り立ちするときは来ている。

 日本は決して軍事大国になることは出来ない。なりたくとも成れない。このままではアメリカの属国として、代理戦争をさせられるだけである。80年前にあったことを思い出すべきだ。敗戦前の日本は無謀にも軍事的に、世界と対等になろうとしたのだ。そして敗戦した。

 二度とその間違いをしてはならない。3%の軍事費など日本を疲弊させるだけだ。日本を間違った道に進ませる、アメリカの世界戦略に乗せられてはならない。日本は少しだけでいい。中国に近づくことだ。日本を追い詰めれば、中国に接近する可能性があることを見せることだ。

 アメリカに押しつけられて、中国を仮想敵国にするから、中国の軍事的脅威を問題にしなければならないことになる。中国と一定の友好国になれば、中国からの軍事的な脅威は減少する。中国にとって、日本との関係が経済的に重要だと言うことを、徐々に理解させることだろう。

 日本では中国の問題点だけが報道されている。大本営的報道だ。中国は問題はないわけではないが、日本よりも遙かに成長余力があり、経済成長を続けている。14億人の人口。広大で豊かな国土。資源も豊富。そして国家資本主義。世界の工場であるのは変わらない。

 アメリカは中国に経済的に追い抜かれる。その現実を恐れて、アメリカは中国をここで、関税で叩こうとしている。このまま中国が経済成長を続けることが怖いのだ。そんなやり方が通用するはずもない。トランプ一国主義は失敗をするに違いない。

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