ウクライナ戦争の米ロの停戦交渉

      2025/04/24



 ウクライナ戦争が終わるかもしれない。トランプとプーチンが首脳会談を進めている。汚い終わり方だが、汚い連中が始めたことだから、こういうことなのかもしれない。本当に戦争など無駄なことだ。ヨーロッパも、ウクライナも除外された形で、停戦交渉が進んでいる。

 確かに交渉はこうした形でしか進まないだろう。本当の当事者は米ロであり、ウクライナは代理戦争をさせられていたのだ。それがアメリカの世界戦略なのだ。これからアメリカは、ロシア戦線を片付けてから中国戦線に集中しようということになる。

 ウクライナの主体性の持てない姿は日本の姿の鏡のように見える。石垣島は日本の防人の島と日本政府から言われている。日本はアメリカの防人の島だと言われている。かつて石垣島は琉球王朝から支配されていた。その琉球王朝は島津藩に支配されていたい。新しい二重支配が続いている。

 トランプは露骨な人だから、アメリカの本性を現している。ガザから住民を追い払い、アメリカが一大リゾートを運営しようと発言している。自分さえ良ければそれでいいという、まるでローマ帝国の横暴を彷彿させるような姿である。そのアメリカ帝国にへつらう隷属国日本。帝国に贈答品として差し出される石垣島。

 米ロの停戦交渉と言う方法しか、戦争が終わる道はない。アメリカは道筋がついたならば、EUや当事者であるウクライナも交渉に加えるとしている。トランプが言うとおり、アメリカが当事者として停戦しなければ、終わらない戦争なのだろう。

 この間起きたことは、中国、ロシア、北朝鮮の連携強化である。北朝鮮はアメリカへの核攻撃力を確立した。ミサイル攻撃をロシアで実践展開し、能力を高めた。ウクライナも核武装することになるだろう。ロシアとの停戦の維持の為には、核武装以外にないと言う結果である。この結果が核抑止力に依存する危うい瀬戸際の平和の姿だ。

 世界は平和への道を失い始めている。そして日本も核武装への道を進んでいる。アメリカからの独立と言うことはそういうことだろう。トランプはウクライナが核武装することを、勝手にやればいいという考えだろう。そうして、世界は核戦争に巻き込まれる。

 ウクライナの姿を日本人はよくよく見ておくことだ。大国の間で、踏みにじられ続ける国の姿がある。ウクライナの自由などない。停戦交渉すら部外者である。ウクライナ地域で起きた戦争ではあるが、武力的にみれば、当事者でもないのだ。ナトウ対ロシアの戦争だったのだ。

 戦争が片付けば、アメリカは対中国との対立を深めてゆくことだろう。それはアメリカは遠からず、中国に経済で追い抜かれるからだ。中国の経済破綻が、盛んに言われているが、これはそうありたいと願う、日本にいる弱虫の泣き声に過ぎない。

 アメリカが関税で、独善を進めている。このままゆけば、度が過ぎることになり、反アメリカ連携が経済の上では起こる。これは中国有利に働くことになる。トランプはアメリカの衰退の引き金を引いているようなことになる。アメリカは台湾をウクライナにして、中国の代理戦争を行うことを期待しているはずだ。

 台湾への軍事援助をエスカレートしてゆくはずだ。中国がいらついて、もう我慢ならないと台湾侵攻を始めるように、そそのかしてゆくことになる。中国はそれをよくよく理解しているから、台湾侵攻はない。台湾侵攻をすれば、ロシアの二の舞になる。戦争などしないで、中国はアメリカを凌駕する自信がある。

 一気に戦争が片付くことはない。ガザ地区のはますのような組織ですら、簡単には殲滅されない。戦争が長引くことがアメリカの利益であり、最終目的は中国の衰退なのだ。だから、中国は間違っても台湾侵攻などしない。中国はアメリカを凌駕してから、台湾問題の解決に向かうはずだ。

 アメリカを経済で追い越すことは必然なことだ。中国は戦争などしないで、経済でアメリカを追い越すために、全力を挙げてゆくと思う。中国にはその潜在能力がある。14億人の教育された人間。そして国家資本主義。広大な恵まれた国土。この条件を考えれば、間違いなくアメリカを超えた経済大国になる。

 トランプは不動産で成功した人だから、中国の潜在能力を熟知しているはずだ。だから、あらゆる手段で中国潰しを仕掛けてくるはずだ。それがアメリカ一国主義の目的になるのも当然のことだ。その争いに、このままでは日本は巻き込まれてゆくと考えておかなければならない。

 アメリカは日本を対中国の最前線に使おうとするだろう。日本政府はトランプに対して、自動車関税の日本だけ特例を認めさせようと交渉をするはずだ。こうした交渉の過程で、日本はアメリカから軍事基地化を押しつけられることになる。

 日本と韓国を前線基地化することで、中国を刺激して追い詰めてゆこうとする。このトランプの筋書きに日本政府は乗せられようとしている。ではどうしたらいいかと言えば、道は一つである。中国への接近である。アメリカとの経済戦争に直面する中国と日本は韓国と連携して、協調関係を模索することだ。

 日本を追い詰めれば、中国側に立つという姿勢を見せなければならない。それは日本一国でアメリカに対校するのではなく、ASEANや韓国と連携して、アメリカが関税で追い詰めるのであれば、中国との経済関係を重視せざる得ないと言う当たり前のことを主張すればいい。

 東アジア経済連合の方が、アメリカよりも遙かに大きな経済圏なのだ。アメリカが仕掛ける関税攻撃を、跳ね返すだけの経済規模がある。アメリカが一国主義ではなく、自由主義陣営の連携を重視するように、それがアメリカの利益であることを主張してゆくことだ。

 ウクライナ戦争の結末は、戦争では何も解決がないということを意味している。利益を得て終わろうとするから、結局停戦すら出来ない。戦争は国際紛争をより悪い状況にしてしまうものだと、よく認識する必要がある。どれほど腹が立ったとしても、不利益をこうむっても、戦争をするよりはましなのだ。

 トランプは腹が立つことばかりだが、なんとか戦争を終わりに出来るかもしれない。その点は評価しなければならないだろう。日本は軍事的には何もウクライナ支援は出来ないことだったが。停戦になれば、ウクライナの復興には自由主義陣営の一員として、できる限りのことをしなければならない。


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