何故石垣市長は尖閣の日を開催するのか。

   



 戦争が繰返し起こる。まさかロシアがウクライナに侵攻するとは想像していなかった。プーチンという独裁者が独りよがりで、何でもやりかねない人間だとは思っていたが、まさか戦争を始めるほど愚かだとは思わなかった。独裁者の恐怖心が戦争を始めさせたと言うことなのだろう。

 自分がやられるなら、その前にやってしまおうと言うことなのだろうか。簡単にウクライナが降伏すると考えたのだろう。敵を知り、己を知る。当たり前すぎる原理を見失ったのだ。世界の他の独裁者が、プーチンほど愚かでないことを願うところだ。

 プーチン氏は愚かな生き方をしてきたことは確かだ。敵対した人物を簡単に殺害してしまう人間だ。ウクライナがナトウに加盟すれば、ロシアをせめてくると考えたに違いない。ウクライナに軍事侵攻すれば、忽ちに占領できると考えたくらいの頭の人だから、ナトウがロシアにせめてくると思い込んでも不思議はない。

 その前にやってしまわなければ、と言う焦りが判断力を鈍らせた。独裁政治の恐ろしいところだ。独裁政治をしていると、情報が偏って行く。正しい情報が伝わらなくなる。都合の悪い情報を、回りの者は独裁者に対して言いにくくなるのだ。意見など当然誰も言わない。

 そういう環境の中でものを考えていると、どんどん妄想が肥大化して行く。そもそもプーチンだけでなく、ロシア人全体が正常な判断を出来るだけの情報を持ち合わせていなかったのだ。反対意見のない社会ほど恐ろしい社会はない。批判精神を持った調査報道が社会には必要なのだ。

 民主主議からヒットラーが生まれたように、いつも民主主議は独裁政治に変る危険性がある。国民が歪めば独裁に変ってしまう。それでも民主主議の方がまだましなのだ。国民が変る原因は報道が大本営情報になることだ。現代社会で言えば、インターネットのフェークニュースで独裁者が現われる。

 韓国のユン大統領が戒厳令を命令してしまったことはその一つの姿だろう。韓国が戒厳令を行わなければならない状況出ないことは、韓国国民の大半の人が理解していたことだ。所が、ユン大統領は韓国野党と北朝鮮が連携しているように思い込んだらしい。

 もしそうなら、両国を結ぶ道路を北朝鮮が破壊するはずが無い。北朝鮮の方が、韓国からの攻撃を恐れて、道路を破壊したと考える方が正常な判断だ。ウクライナに北朝鮮の兵士が1万2千人も送られて、北朝鮮国内が手薄である。この不安を金正恩は持ったはずだ。それで道路破壊をしたのだ。

 韓国の軍隊の中の野心家がこの機会を捉えて、北朝鮮に攻め込まないかと不安だったくらいだ。しかし、韓国の軍隊は戒厳令に対しても、冷静に国民側に立ち、大統領命令で攻撃をしかねないものが居ないか、監視する役目を担った。韓国社会に正しい情報が流れているためだろう。

 戦争は間違った情報から起こるのだ。そして始まってしまった戦争は、簡単なことでは終わることが出来ない。それはイスラエルやロシアを見ればわかることだ。理由は疑心暗鬼が逆上に繋がる。むごたらしい戦争犯罪によって、膨大な恨みが渦巻いていることがわかるからだ。

 停戦をしたところで、大虐殺の恨みが自分に向かってくる。自分が悪の権化として生きなければならないことが分っている。それなら戦争を続けていた方がまだましだと考えているように見える。恐怖心の増幅が立ち往生させている。国民の不幸などみじんも考えない。

 戦争は独裁者の恐怖心から始まり、恐怖心から終わることが出来なくなる。戦争を無くすためには、独裁者を生まない政治が必要である。民主主議は生ぬるい、ダメな政治を生む。しかし、それでも戦争を始めるよりはどれだけ増しなのかは分る。

 日本でも、息巻いている右翼の言動を見ると、恐怖心が背景にある。中国が攻めてきて、自分を捕まえるという恐怖があるのだろう。それが判断を間違えさせている。私も習近平の独裁政治を常々悪く言っているので怖い。栽培イネの発祥の地の南寧市には行ってみたいが行けない。

 中国が攻めてくると考えている人ならば、当然自分が捕らえれると考えて怖いのだろう。怖いからやられる前に攻めて行けと言うことになる。ここからが本題である。石垣中山市長は、正月の市の広報で、尖閣開拓の日を開催すると大きな広報通知を入れた。たぶん怖いからこういうことをやらさせるのだろう。

 怖いのは中国に対して、攻撃されるという妄想もあるが、誰かに圧迫されているようにも見える。その恐怖でやらされているように見える。石垣市民で、尖閣の日を開催することが、まともなことだと考えるような人はまず居ない。これは外部からの命令である。

 今中国を刺激することは、石垣住民にとって最悪の選択である。中国は何とか日本との和解協調の道を捜しているときだ。日本政府も同じである。石破氏は首脳会談を模索している。これをまずいと考えている極右勢力が日本にもいる。その極右勢力が中山市長の弱みを抑えていると考える事が一番自然だ。

 中国を刺激すればするほど、石垣島は危険な状況に向かって行く。石垣市民にとって、尖閣諸島の領有権など
、自分の命と暮らしから思えば、二の次の話だ。市民を守ることが役割のはずの市長が、中国を刺激して関係を悪化させるなど愚の骨頂である。本当に危険な人だ。

 市民が中山氏を選択するのは、中山氏の石垣市の開発推進である。様々な開発事業を提案している。石垣市は離島で、島の独立した経済と言うより、外部からの資本の流入と、国からの公共事業が重要なのだ。それに対する期待から裏政府に直接の関係を持っている、中山市長を選択している。
 
 戦争をしたいから中山市長を選択しているわけではない。尖閣問題が棚上げされればそれが一番なのだ。それが防人の島に暮らす住民の気持ちだ。ミサイル基地を作って、ミサイルで破壊されるよりも、降伏するから殺さないで欲しいが、当たり前の島民感情である。
 石垣市では平成22年12月に「尖閣諸島開拓の日を定める条例」を制定した。1月14日に毎年式典を開催する。条例第1条 によると、「尖閣諸島を行政区域とする石垣市は、尖閣諸島が、歴史的にも日本固有の領土として、 より明確に国際社会に対し意思表示し、国民世論の啓発を図るため、尖閣諸島開拓の日を制 定する。」とある。
 産経新聞には、石破茂首相は「わが国の領土、領海、領空を断固として守り抜く決意だ」とのメッセージを寄せ、自民党幹事長代理の西銘恒三郎衆院議員が代読した。立憲民主党の原口一博元総務相は、石垣市が政府に求めている尖閣での上陸調査や遺骨収集などについて「なぜ許さないのか」と対応を疑問視した。と書かれている。

 日本を守るために犠牲になりたいなど、中山市長以外の石垣市民は考えても居ない。こんな条例は廃止して貰いたい。この世界情勢の中、中国を刺激することは自爆行為である。中国と平和外交を模索することが日本の正しい道だ。
 石垣島は世界平和を学ぶ島になれば良い。楽しい観光地になれば良い。安全でのんびりした島が一番である。世界中からのお客さんを迎えて、中国からのお客さんにも来て貰い。台湾からのお客さんにも来て貰い。国際交流地点になることが一番の安全である。

 平和がどれだけ大切な物であるか。戦争がどれだけ愚かなことであるか。平和の意味を石垣島で学んで貰えるような島になれば良い。外国人観光客向けに平和学習室を作れ。人間が平和に暮らすと言うことがどんな物か、体験して貰えるような島になれば良い。そのためにのぼたん農園という自給農園も役に立つはずだ。

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