中国軍の演習の意味

「中国が宮古海峡で封鎖演習、台湾有事を想定か…沖縄・尖閣周辺に「重武装」海警船団も初確認」と読売新聞は書いている。これを台湾侵攻のための海上封鎖訓練だとしている。国民に中国の軍事的脅威を知らせなければならないと、多くの報道が考えている。
そして、それが軍事費の倍増に繋がる。中国に対抗できるだけの軍備が必要だと言うことになる。その背景にあるのが、日米安全保障条約である。この条約はアメリカが日本を前線基地として利用するためのものである。日本を守るための意味はそれに付随する範囲である。
日米同盟に基づき、アメリカは軍事費を倍増どころか3倍増は必要としている。アメリカを守るためにはそれぐらいは、日本にやらせて当たり前だ。と言う考え方である。アメリカの強大な軍事力の威圧を日本に利用させてあげている。それを考えれば当然の対価と考えている。
そのアメリカを忖度しているのが日本政府であり、日本の報道である。もちろん日本政府はアメリカ依存だから、言われるままに軍事費倍増を打ち出している。しかし、この一連の流れは日本を危険な状況に進めている。台湾をウクライナ化する為のアメリカの戦略である。
ウクライナの戦争が長引き、ロシアの国力は大分削がれた。北朝鮮の軍隊の出動まで要請したのだから、かなりロシアの軍事力は切羽詰まっているのは確かだ。その意味で、さらに戦闘が長引き、ロシアが疲弊して行くことはヨーロッパにも、アメリカにも、軍事的には悪い事ではないと考えているはずだ。
同様のことが台湾で起こるとしてもアメリカは、避けようとはしないはずだ。まず日本や韓国やフィリピンに協力を要請して、台湾防衛をすることになる。そして膠着状態になったとしても、軍事支援を行い、戦闘状態を継続させるはずだ。いわゆる代理戦争である。中国が台湾を占領し、戦闘が終了することは許さないはずだ。
それくらいのことは中国は十分理解している。中国は軍事力で台湾を占領しようとは間違ってもしない。黙って台湾が中国に編入することを希望するのを待つはずだ。繰返し演習を行い台湾問題があるということを強調しているだけだ。中国は国内経済が何より重要であり、戦争など行う状況にない。
日本はアメリカの代理戦争の筋書きに載せられるのが一番まずい。ウクライナも戦争にならない手段はあった。中国も同様である。むしろ、戦争を誘発させたいと考えているのは、アメリカだと考えた方が良い。日本の報道には今や思想がない。その上批判精神は失っている。アメリカに誘導されているに過ぎない。
何とか中国の覇権主義を印象づけて、軍備の増強に世論を誘導しようとしている自民党の軍事族の宣伝部門になっているにすぎない。日本が中国と同盟国になれば、中国は覇権主義の国ではなくなる。たぶん報道は国のお先棒を担ぐだろうから、その時には中国の平和主義を強調しているはずだ。
中国は読売新聞のような反応を期待している。キュウピー人形のようにオセバピーピー騒いで欲しいのだ。情けなく、馬鹿馬鹿しいことだ。もう少し中国の意図を考える必要があると思う。中国は今軍隊の中が揺らいでいる。幹部が相次いで逮捕されている。汚職と言われているが、習近平の意図に反する人間の粛正が起きていると見るべきだ。
習近平政権は毛沢東主義に回帰している。綱紀粛正、汚職撲滅。共同富裕。国の安全確立。この習近平主議に対して、鄧小平 路線を引き継いできた勢力がある。黒い頭のネヅミを取る猫だ (不管黑猫白猫,捉到老鼠就是好猫)。悪い事を少々しても経済に良ければ良いと言う勢力との戦いが中国では続いている。
習近平は自分の独裁を進める意味で、毛沢東という原点回帰をしている。その意味で、習近平は国内重視だと考えた方が良い。中国習近平帝国を目指している。習近平思想を教育の根幹にすえて、小学校から大学まで徹底した教育を行っている。遅れている地方や貧困層を思想でなだめすかしている。
例えば環境教育を重視しいて、中国の環境汚染は急速に改善している。世界の環境関連産業は中国中心に動いている。日本の原発水の放出問題があれほど中国の大衆が反発して、日本に抗議をしているのは、習近平の環境教育のゆがみによって起きている。中国の知識人は、中国の原発汚染も理解している。
環境問題という、科学的に判断すれば良いことを政治利用するのが習方式である。反日教育も同様で、事実がどこにあるかよりも、何が習帝国の建設に取って必要な考え方であるかになる。そのために、中国の大衆は習近平支配下、歪んだ知識を持つようになっている。
それは独裁政権の特徴で、一方に存在する中国の知識人は、当然この状況を冷静に見ているはずだ。内部的に蓄積している批判のエネルギーは相当にあるはずだ。日本の魚を食べる人が沢山居るのと同じことである。どんな教育を受けようとも、簡単に洗脳などされない。
中国の知識人は思想を持っているのだと思う。どのような政府に対しても自分の考えで見ている。自分というものが非常に強固である。そういう人がどんな田舎にも居て、地域を引っ張っている。ロシアの民衆と、中国の民衆は全く違う。ロシアと中
国の違いの違いを考えれば分ることだ。
国の違いの違いを考えれば分ることだ。
習独裁政権に対して、軍は軍の許される範囲での意思表示をする。軍の必要性を主張するには、台湾侵攻なのだ。台湾への軍事演習演習はあくまで意思表示で有り、軍のガス抜きのような役割もあるのろう。もし習近平が本気で軍事侵攻を考えるような人間であれば、こんな茶番のような軍事演習はしない。
中国人はプーチン程愚かではない。今の中国は台湾に関しては内部工作が一番の有効な活動と考えているはずだ。台湾内部の親中国勢力の醸成である。日本も韓国もそうであるが、近隣諸国は経済のためには中国との関係は一番重要なのだ。建前ではアメリカだが、本音の経済では中国は外せないのだ。
それは台湾だって同じことで、対中国の経済関係は対立しながらもかなり深いものがある。台湾の最大の貿易相手国が中国なのだ。しかも台湾の半導体の重要度もある。そして中国のレアーアースがある。アメリカが圧力をかけて止めては居るものの、もし日、韓、台が中国側なら、アメリカの一国主義も簡単に崩れるだろう。
アメリカは中国との経済戦争を進める上で、何とか同盟国をつなぎ止めなくてはならない。同盟国日本としても、アメリカとの同盟が、これ以上日本の負担になるのであれば、考え直さなければならない状況に来ている。報道も政府もアメリカに従い、軍備費増強を主張するだろうが、国民が許さなければ状況が変る。
軍事力の増強は戦争への道である。日本は専守防衛で良い。攻めない国であるという前提で、平和外交をやる国で良いのだ。今日本はアメリカの属国なので、平和外交をやれないと政府は主張するが。もうアメリカから独立して、平和外交を始めなければならないときだ。
中国の習独裁に大きな問題があることは以上書いてきたところだ。しかし、日本の安全保障を冷静に考えたときに、アメリカに従っていたら、ウクライナにさせられかねない畏れが出てきている。何が日本にとって安全なのか。国民すべてで議論を始めなければならない。