熱帯果樹園を作る

   

のぼたん農園から竹富島

 のぼたん農園には2反余りの、熱帯果樹の畑を作る。参加している人達が、熱帯果樹を思う存分食べれるような、自給のための熱帯果樹園にしたい。島で食べるマンゴーや島バナナは格別に美味しい。果樹は完熟したものを採ってすぐ食べるのが一番美味しい。それが可能なのは亜熱帯の石垣島に暮らす魅力の一つだろう。

 まず果樹園予定地の準備である。果樹園には水が必要である。そこで果樹園の一番上には田んぼを作った。これで水遣りを解決したことと、田んぼ辛子見出て行く水で果樹園全体の土壌が潤うのではないかと考えている。今のところ雨が降っても表面を雨が流れるだけで、浸透をしない。

 そこで、植え穴を100ほど掘った。堅くてユンボで掘るのも困難なほどである。70㎝ほど掘るとその下は石の層のところが多い。掘った穴には草堆肥と剪定チップを混ぜて半分まで埋め戻した。その上に土を入れて苗を植え込む予定だ。

 これで果樹園全体の保水力が高まるはずだ。日当たりが良い場所なので、土壌が時間をかけて良くなれば、果樹には特に肥料など与えなくとも大丈夫だと考えている。木村さんのリンゴと同じである。良い草が沢山出てきて、地上を覆うことだろう。

 苗を植え込んだら、その周囲には剪定チップをかぶせておく。保湿され土壌条件が良くなるはずだ。チップの下には微生物も増えることが出来るかも知れない。落ち葉や草が降り積もった状態にしてやる。周囲だけは草が生えにくいはずだ。

 剪定チップは地中でも地上でも時間をかけて分解してゆくことだろう。その頃果樹の根が地中に広がって行き、地上は果樹の葉で日陰が出来るだろう。そこまで行けば、放任栽培でも果樹は実を付けることになる。おおよそ5年の年月を想定している。

 何とか、のぼたん農園の果実を、生きて食べることが出来るかも知れない。78歳の予定である。72歳で果樹の苗を植えるというのは、恥ずかしくて自分のためとはとても言えない。それでも自分のために熱帯果樹園を作っている。自分が食べてみたいからである。

 石垣島で熱帯果樹を植えて、その果実を食べる。それは一つの夢だ。そんなことはついこの前までは夢のまた夢で、出来ないことと諦めていた。のぼたん農園には田んぼと畑と果樹園と放牧地が必要だ。田んぼは出来た。サガリバナと蘭と睡蓮の花園も出来た。水牛の放牧地は充分にある。果樹園も大分準備が進んでいる。

 果樹を植える穴の準備は12日までに終わった。そのうち、東西道路沿いにはしまバナナを20本。中央道路の東側にはお茶の木を20本。何種類の果樹が何本づつ植えられるか。シャンティー農園に苗を購入に行くのが14日である。その際、防風林になるものがあれば、それも購入したい。可能ならば、16日17日で植え付けたい。私は19日に小田原に行く。

 中央道路の右側には月桃。そして左側はお茶の木にする。一列だけで良いのだと思うが、15メートルぐらいに成るだろう。ここも縦に深く溝を掘り、穴の底に草堆肥と樹木チップを入れる。その上に土を入れて、お茶の木の一列を作る。

 このお茶の葉を、番茶にする。番茶については様々な理解がされているが、新芽で作るものが煎茶。番茶は緑の堅い葉で作るお茶のこと。お茶は煎茶を指すようになったが、昔はお茶と言えば番茶。なぜならば、それが漢方薬として最澄が伝えたという、お茶だったのだ。

 お茶の葉は大きく堅くなった葉は充実している。カフェインが少なく、カテキンが多い。また、作り方も簡単。摘んだ葉を焙じて、煮出して飲める。薬効は高い。飲みたいときに茶葉を摘んで、その場ですぐ飲める。島根のボテボテ茶、富山のバタバタ茶、沖縄のブクブク茶といった泡立てて飲む番茶もある。

 水遣りをお願い出来るかどうかが問題である。もし無理な場合は5月に入ってから苗が来るようにしなければならない。4月中の早い内が植えるには良いと思っていたのだが。チップの調達が遅れたので、仕方がないことだった。

 果樹園に植える穴を深く掘ったのは田んぼの水を増やすためでもある。実はとても不思議なことなのだが、一番上の溜め池で湧いている水の量はよく分かっている。0番の田んぼに流れ込む量を計測したからだ。ほぼ水道の強めの量ぐらいだ。

 それが4番田んぼから、5番田んぼに流れている水の量の方がそれよりも増える日もあるのだ。だいたいは同じくらいだ。2番田んぼから、7番田んぼには果樹園のために水が湧かれている。その分は減少して良いはずだ。

 浸透する水は少ないのだが、深水にすると畦から漏れ出す場所がある。その漏れ出したところに月桃を防風林で植えた。風がイネの生育を阻害すると言うことがはっきりしてきた。風のために分ゲツもとれないし、成長も遅れる。石垣のイネ作りは風対策が不可欠と言うことが分かった。

 畦から染み出る水を旨く利用して防風林や畦の畑を作る。今年はせいぜい6俵止まりの状態である。風に大分痛めつけられた。またトヨメキの特性も見えてきた。この稲の品種は相当肥料を多くしなければできないも
ので、有機農業向きの品種では無かった。来年は作らない。

 果樹園が完成すれば、北東の強い風は防げるはずである。すぐには解決できないが、5年先には完成させるつもりだ。今年はネットで暴風対策をしなければならない。果樹園の準備が終わったので、今度は畑の準備に入りたい。

 畑は2反づつ二カ所になる。2反を一つの範囲にして、輪作してゆきたい。小麦と大豆は1反。ジャガイモと玉ねぎも1反でやりたい人がやる。上の畑では保存可能な作物を作る。4反の畑で輪作してゆく。これは4月26日小田原から戻ってやることになる。4月中にはこれも終わらせたいと思っている。

 溜め池の上部になる。まず縦浸透をよくするために、畑にできる限り深い穴を6メートル置きくらいに掘る。掘った穴にはチップと周囲の草を剥いで詰めてゆく。これで畑の土壌が改善されるはずだ。加えて、溜め池上部の畑が保水力を増して、溜め池に染み出す水が増えるとみている。

 今上部の畑は雨が降っても表面を流れるだけだ。その水が土壌に浸透して行き溜まるような良い土壌に成って貰いたい。おおよそ6反余りの土地だが、この面積が保水力が増せば、下の田んぼの水の維持はかなり助かるはずだ。ここが森になれば、下の溜め池には水の湧く量が増えるはずだ。

 畑ではどれだけ保水力を増すかは未知数だが、先ずは穴を深く堀り、立浸透を増すことからやりたい。それでもだめな場合は溜め池の上には森を作ると言うことを考えなければならない。中心となるのは主食のお米である。

 - 楽観農園