NHK経営委員会が郵政の抗議で番組を変更した。
NHKは簡保不正の報道をいち早く行った。調査報道である。そのご、郵政グループの簡保不正が次々と明らかになっている。郵政グループは詐欺商法を職員にノルマの圧力で押し付けていたのだ。この調査報道に元総務省次官から政治的圧力が加えられていたのだ。
国民はNHKの勇気ある報道に感謝しなければならないだろう。だから公共放送が必要だと考える。国家の権力的圧力に対抗する調査報道こそ、公共放送の役割である。公共放送が怖くて、圧力をかけたのだ。
かんぽ生命保険の不正販売問題を追及したNHK番組を巡り、日本郵政グループの要求を受けたNHK経営委員会が昨年10月、同局の上田良一会長を厳重注意した問題で、木田幸紀・放送総局長が郵政側に出向き、番組幹部の発言について事実上謝罪する上田会長名の文書を渡していたことが判明した。放送部門の最高責任者である放送総局長が個別番組に絡む抗議に直接対応するのは異例だ。(毎日新聞10月2日の記事)
高市氏は26日に毎日新聞がNHK圧力問題を報じたことを受け、総務省の担当局長を通じてNHK経営委員に事実関係のヒアリングを行ったという。
放送法32条は経営委員が個別番組の編集へ介入することを禁じているが、高市氏は「これに反した行動を取ったものではない」と語った。また「現時点では、会長に対する注意は経営委員会の権限の範囲内で行われたものだった」との認識も示した。と書かれている。
その後見解が変わった。政府は関与していないのだから、NHK自身が事実関係を調べて公表すべきと風向きを変えた。全くの日和見だ。
政府のこの姿勢である。つまり、都合の悪いことには圧力で封殺するのがアベ政権のやり方である。ところが、もう隠せなくなると自分は関係がないと、豹変である。
かんぽ生命保険の不適切販売を報じた昨年4月のNHKの番組「クローズアップ現代+」が日本郵政グループから抗議を受け、NHKの最高意思決定機関にあたる経営委員会(委員長・石原進JR九州相談役)が適切な対応を求め、NHKの上田良一会長を注意していた。
この報道に対して、郵政グーループからの抗議を受けて、NHK経営委員会(委員長・石原進JR九州相談役)が昨年10月、日本郵政グループの申し入れを受け、「ガバナンス(統治)強化」などを名目に同局の上田良一会長を厳重注意していた。その結果、続編の放送を延期し、番組のインターネット動画2本を削除した。
権力の影響で、放送が取りやめになるというようなことはあってはならないことだ。NHKが国営放送になることが、一番怖いことだ。もうそうなっているということになるのか。
不正を行っていた、郵政グループの元総務省事務次官からの圧力を受けて、NHKの経営委員が番組の編成に口をはさみ、変えさせていたのだ。これは放送法に対する違法行為と言えるだろう。こういうことがあるたびに、公共放送の意味を考えることになる。
NHKの放送はテレビ局の中では評価をしている。現場のスタッフには、公共放送の意味を理解している人がいる。それを経営側が、政府を忖度しているという事なのだろう。
おかしな報道も多々ある。しかし、優れた教えられる番組も少なくない。「なつぞら」はもう終わるが、神田日勝がモデルである若く死んだ絵描きの姿に、芸術家の生き方というものが、良く表現されていると思った。亡くなられた、神田日勝美術館の菅さんの情熱がやっと報われたと思った。何故、日本のアニメーションが世界に評価されるようになったのかも、この機会に見直してもらいたい。こういう気付きをNHKはしてくれた。
話はそれたが、NHKはよくやっているといいたかったのだ。NHKの公共放送の意味であった。公共放送は民主主義国家に必要なものである。税金で維持すべきだと思う。少なくとも今よりも税金の負担分を増やし、視聴料は今の半額以下にすべきだ。今の価格では低所得者には負担が大きすぎる。自給生活者にも払える価格にしてもらいたい。
報道としての独立性を法的に保障しなければならない。今の法律では、今回のような形で権力からの圧力を受けてしまう。例えば、あいちトリエンナーレ問題でも、もし報道というものがなければ、国民は何が起きているのか不明のままだっただろう。
報道が行われ、検証委員会が調査をして、もう一度作品の展示を再開することになるようだ。検証委員会の意見もずいぶんおかしなものではある。この辺を報道によってきちっと伝えてもらえるのでなければ、表現の自由など確立できない。
政府はあいちトリエンナーレへの補助金を止めた。この姿勢が、アベ政権である。芸術の表現の自由をお金で制限しようとしている。これに対して、愛知県は展示を再開し、訴訟も辞さないという。アベ政権は恥ずかしい政権だ。
公共放送はこの問題は表現の自由と、公共の美術館の意味を取り上げる必要がある。アベ政権がいかにゆがんだ政権であるかを国民に伝える義務がある。ヒットラーは芸術にまで介入し国民を先導したのだ。
民主主義国家の為に権力から独立した公共放送が必要だと思う。NHKは叩かれやすいものなのだとおもう。国家からも、国民からの抗議に対しても、独立性をもたなければならない。今回の総務省元事務次官からの圧力問題は徹底解明されなければならない。