福島原発汚染水の大阪湾放出の是非
福島汚染水は溜まりにたまっている。いくらでも水が湧いてくるからである。凍土壁で防げるとして、膨大は費用をかけたが上手く行かなった。そんなことは素人にもわかる。何度もこのブログにも書いた。全く、原発は科学に基づいていない。
溜まってくる放射能に汚染された水をタンクにためて、放射性物質を取り除いて海に流すほかない。ところが放射性物質が、完全に取り除くことができない。完全に取り除けるなら、すでに放出されている。約束通り、完全に取り除いて放出すればいいだけのことだ。
東京電力福島第一原発の敷地内には、放射能で汚染された水(汚染水)がたまり続けています。多核種除去設備(ALPS)で処理した水など合計で100万トンを超えています。ALPSでは、トリチウムは取り除けませんが、62もの放射性核種を基準値以下にすることになっていました。しかし、2018年9月、東電は、ALPSで処理した水のうち、84%が基準を満たしていなことを明らかにしました。(グリンピース)
しかし、ここまで取り除けば問題ないという考えで、東電は海洋放出をすると主張している。ある程度放射能を取り除けば、問題がないのか。あるいは危険なのか、科学的知見としても意見は2分している。しかし、このまま溜まり続けていていいのかと言えば、考え方次第である。費用がどれだけ掛かろうとも約束通り、取り除く技術が出来るまで、溜め続けるというのが国際的約束ではないのか。
ALPSという除去装置以上の性能の機械が出来るまで溜め続けるのか、あるいは海に流すのか。ここがもめているところなのだろう。放射能の安全性は、いつも意見が分かれる。安全性は自己当事者である。東電が決めることでは、そもそもない。海に流すとすれば、世界が安全と認めなければならない。
こういう状況の所に、なんと大阪市長が大阪湾で海に流していいと言い出した。条件としては「科学的に安全という確認が取れたら」という事が付いているのだが、大阪市長自身は安全と考えた上での発言なのだろうか。安全は誰の確認があればいいのだろうか。大阪湾周辺の漁業者の了解は大阪市長は得たという事なのだろうか。
瀬戸内海の漁業者は了解したのだろうか。大阪市長の考えるほど、簡単なことには思えない。大阪湾が流す場所としは全く不適切な場所だ。瀬戸内海から出てゆくことがなくなる。安全であれば、滋賀県が受け入れて琵琶湖に流すという考え方であれば、まだ考えうる。つまり外国への風評被害は相当減少する。
大阪湾も実は閉じた湖のようなものなのだ。瀬戸内海から外へ水が出てゆくことはほとんどないと言われている。だからいいというのか、だからいけないのか。この辺の論議が必要だろう。風評被害というものはどう考えればいいだろうか。科学的に安全だと言っても、消費者にはなかなか受け入れてもらえないものだ。
つまり維新の会が政権をとれば、こういう訳のわからないことが、実行されるという事になる。大阪市長はパフォーマンスで発言したのかもしれないが、まともな政治家の発言としては、あまりに唐突過ぎないか。
あしがら平野ですら、人が住めなくなると主張した人がいたのだ。そもそも人間は放射能に汚染された中で生きてきたのだ。生命という意味では、生命は放射能に強くさらされながら生きてきたものだ。一定量の放射能であれば、人間は生きることが出来る動物であった。
問題としなければならないことは、人体に影響が出るのは、人によって異なる点だ。特に成長期の子供の方が成人より影響を受けやすいだろう。わずかな放射能を危険であると考えるのであれば、レントゲンでも、MRIでも、使う事が出来ない。歯医者さんへも行けないことになる。
海水にも放射能は存在する。もしどうしても海に放出するのであれば、太平洋の沖合に流すほかないだろう。どの程度沖合かわからないが、鳥島当たりなら良いのだろうか。日本の領海で、漁場に遠い場所が良い。
海洋放出に対する、世界の承認を得ることである。日本が福島原発事故で世界中に大きな迷惑をかけたのだ。そのことを謝罪することが始まりだろう。謝罪の上に放射性物質を含んだ汚染水を海に放出するのだが、許可いただけるかと国連での承認をお願いをするべきだ。
汚染水の安全性は、東京電力が主張してもダメだ。日本政府が判定してもダメだ。国連や、IAEAとか、UNSCEARなどの国際機関の了解が得らるという事が前提である。日本国は事故を起こした当事者である。当事者が安全だなどという事は、意味がない。第3者の了解が得られない限り、海洋投棄は出来るはずがない。