石垣市の選挙結果
石垣では自衛隊問題が衆議院選挙の争点の中心であった。自衛隊歓迎派の西銘氏が9919票。自衛隊基地反対の仲里氏が9098票。自衛隊基地反対署名では14000あったにもかかわらず、仲里氏の票が5000票も足りないところが不思議だ。何が起きていたのかである。まさに公明党票の動向である。公明党はどちらかと言えば、基地誘致反対の傾向がある。署名にはかなりの人が書いているはずだ。ところが今度の選挙では公明党は危機意識をもって、小選挙区では自民党。比例区では公明党を貫いた。しかし、それでも公明党比例区候補は落選したのだ。その理由は自民党支持者全てが公明党に入れた訳ではないからだ。石垣市の比例区の結果は。自民4,061票。公明党5,171票。社民1,616票。共産2,312票。立民2,874票。希望2,342票。維新877票。幸福386票であった。
この結果を見て、中山市長は何を血迷ったのか。自衛隊誘致の民意は明確になったと述べた。そして最終判断をするつもりだというのだ。驚くべき蒙昧な人物ではないか。この票をよく見れば、誰が考えても自衛隊については判断できないという事であろう。明確に反対票と思われる票は社民、立民、共産の6802票である。明確に歓迎派は自民と幸福の4447票であろう。後は判断できない票である。中山市長の市長選挙が来年ある。それを持って、自衛隊の賛否が明確になるという事だろう。公明党は未だその意志を明確にはしていない。中山市長を支持するかどうかも明確にしていない。今回沖縄本島において公明党は自民党候補を推したと思われる。それで3人の自民党候補は敗北したのだ。沖縄における反自民党の動きが強くなっている。どれほど沖縄に対して財政支援をちらつかせても、沖縄の選挙民は自民党議員を選択しないのだ。今回公明党が自民党支持を明確にしたにもかかわらず、自民党議員は1名以外は選択されなかった。
そのことが自衛隊反対署名14000筆に表れている。直視すべきことだろう。公明党は今回の衆議院選挙において、国政は別であるとして、完全に自公共闘を行った。小選挙区では公明党支持者は自民党の西銘氏に投票。比例区では自民党支持者も公明党と書くという選挙戦略である。これが沖縄4区での自民党候補の当選になった。しかし比例区では公明党議員の落選になった。来年の市長選挙において、民意が明確になるまで、中山市長は一方的な判断をすべきではない。市長選挙ののちに、自衛隊の是非の方向が決まるのであろう。もしその前に自衛隊問題を決めれば、それは仲井眞 前沖縄県知事と同じように未来永劫裏切り者の名を残すことになる。仲井眞 氏が辞める寸前に出した辺野古米軍基地承認が、今沖縄にある混乱を招いているのだ。まさに公明党がどのような態度をとるかで、自衛隊が決まることになる。少なくとも、公明党が自由投票を選択すれば、中山市長の当選はかなり厳しく成るのではないか。
公明党は過去2回の市議会選挙に際して、自衛隊配備反対を表明しているのだ。この石を何としても貫いてもらいたい。日本の平和勢力は石垣公明党の平和の党としての判断を願って、行動を見守っている。いずれにしても小選挙区制がおかしいのだ。3分の1の票で3分の2の議席を取る小選挙区制が日本をおかしくしている。このおかしな選挙制度を自民党は手放すことはないだろう。これを打ち破るためには野党の統一候補作戦しかないのだ。野合と言われようとも、自民党の横暴にはそれしか対抗が出来ないのだ。もし今回の衆議院選挙が沖縄全県一区だとする。6人の議員が選ばれるとすれば、自民2、公明1、立民1、希望1、社民1という結果が予想される。この方が選挙民の意思が正確に反映されるのだと思う。自民党党員が公明党と比例区で書くという、変則的な投票をしなくともすむのだ。自民党であるとしても、安倍派の議員もいれば、反安倍派の議員がいてもいいのだ。それで初めて政権党内の議論が生まれるのだろう。日本には日本にふさわしい選挙制度があっていいはずだ。