水彩人石川展

   

水彩人石川展出品作「欠ノ上田んぼ」中判全紙

水彩人石川展があと1週間になった。水彩人では毎年都美術館で行う本展と、もう一つ展覧会を行うようにしてきた。これは会が出来た時から続けている。今年は巡回展という事で、石川県の白山市で行う。会場は松任の駅前にある「市民工房うるわし」である。12月1日(木)~12月6日(火)の1週間である。作品は都美術館で展示した作品を同人会員は1点づつ出品する。12月3日には研究会を行う。講師は同人の大原裕行が行う。すでに参加者は定員に達した。私は事務所として、3日を除いて会場にいる。私に会いたくはないが、作品は見てみたいという人は、その3日に来てもらえば大丈夫だ。私もそういう時がある。絵描きはとんでもない人が多くて、私もその一人で間違いないが、絵には興味があるとしても人間がいただけないという事は普通だ。今年の水彩人の本展から、えりすぐりの絵が50点並ぶので、見ごたえのある展覧会になることは間違いがない。以前水彩連盟の名古屋展は準備の係だったので、5,6回行った。本展よりは良かった。

実は3日は農の会の自給祭だ。一度小田原に戻り翌日また松任に向う。とんぼ返りになるが、自給祭も出る予定だったし、つまり三線で海の声を唄う予定で、練習をしているところだ。これをやらない訳にはゆかない。それで、どうにもならなくなり、1日だけとんぼ返りすることにした。このところ何やかやと、いろいろのことが重なる。今は生前整理をしている。断捨離という言葉を聞くようになったが、それは若い人の話で、死ぬ前にすべてを整理して死ななければならない。死ぬ前に読みたい本だけ残している。本棚一つに入るだけにしようと思っている。後はすべて古本屋に送ることにした。そうしたらなんと、段ボール箱に25箱はある。これでも一回軽トラに一杯図書館に寄贈で整理したことがあるのだ。何という馬鹿げたことか。

水彩人の事務所の仕事は石川の展覧会が終わると終了。引継ぎの総会を残すだけとなる。これも生前整理の一つだ。どんどんやることを絞り込まないと、こなせる能力の衰退に追いつかない。今でもそれで周りに迷惑をかけている。完全に役に立たなくなる前に、人とかかわることは極力減らす。そして、70までは何とか自給農を続ける。そして絵を描く。絵は死ぬまで描きたい。絵を描くことが良いのは一人で出来るからだ。これが舞台の上で死ぬのが役者だなど言う人ではとても困る。そんなことになったらどれだけ回りが迷惑することか。いつ死ぬかがはっきりするともう少し生前整理の見通しが立つのだが。案外にここが難しい。金沢で絵を描いて生きることを決意した。その石川で一応の区切りをつけられるのもありがたいことだと思っている。どういうめぐりあわせでこういう幸運が来たのかと思う。

今回の出品作は自分らしい絵だと思っている。自分というものに少し入り込めたかなと思った絵だ。自分が見ている世界と画面が近づいた気がした。昔の美術部の仲間も来てくれることになっているが、見てもらえることはうれしい。水彩人という今の絵の仲間を見てもらえることもうれしい。私は金沢大学の美術研究室出身である。水彩人の同人には堀田さんという同じ美研出身の人がいる。美研の卒業生は10人ぐらいだろうから、これも全くの奇遇という事になる。堀田さんはとても可能性のある人だと思っている。また、同人の北野さんは能美市の人で、なんとこの人は長沢節モードセミナーの人だ。セツモードも先生が亡くなって、今年で終わりになるらしい。私は長沢先生の生徒だと長年思われていた。別に否定もしないくらい親しみがあった。だから北野さんとは同窓のような気分がある。石川展が一緒にできることは、これまた幸運なことだ。

 

 

 

 

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