19回水彩人展作品評

   

昆野朋代さん 同人推挙 「木道のある風景」10号

水彩人に参加して本当に良かった。今回も素晴らしい絵に出会えることができた。昆野さんは19回展には4点出品している。小さな絵しか描かれない人だ。水彩画の色の美しさというものを教えられる。今までも素晴らしい人だと思っていたが、いよいよ佳境に入った。水彩の色の美しさを教えられる。自分がまだまだ至らないという事がよく分かる。これほどの美しい緑の絵がかつて存在したのだろうかと思った。水彩という材料の美しさはここまで行けるのだと感服した。筆触で語られたものが静かに漂い揺らいでいる。水彩というものの色はこれほど輝きがあり、強いものだと示されている。絵を見る楽しみというものは、作者の目に従うという事のようだ。大きさにも由来しているのだと思う。マチスが示したように、小さな赤と大きな赤は番う色。紺野さんの絵の美しさはこの小ささにある。小さいからこそ水彩画の妙なる色彩が現れる。

昆野朋代さん 「夏の湿地塩園」 10号

水面の描き方の美しさ。モネの絵が水彩になりさらに深くなったかのようだ。モネ以上の目に出会ったことがなかったが、個々には昆野さんの目がある。最近はやりのアメリカン水彩の方々も水面を良く描く。水面の表現というもの。技法や、観念で見ていては、こういう心にしみてくる水面にはならないだろう。描写というものの奥になるもの。水彩人の求める姿勢。

昆野朋代さん 「緑の中の道」 10号

三点掲載させてもらった。一枚と思ったのだが、余りに素晴らしく3枚記録しておきたいと思った。もう一枚秋の絵を出されている。全部で4点である。写真ではその絵の魅力の半分も伝わらない。微妙な色調とその肌合いに水彩はある。

 

 

栗原直子さん 「いずこへ」80号

いつも栗原さんの世界がある。素晴らしい絵を出してくれている。語られている栗原世界がある。この美しい絵を見ない人は損だと思う。水彩画というものがどれほど幅広い表現があるのか、水彩人の仲間は挑戦している。水彩人展は10月5日2時までである。入場無料なので、ぜひとも観て頂きたいと思う。まだまだ良い絵があったので、感想2を改めて書きます。

 

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