自家採種
ソラマメの種。干しておいて皮をむいた。冷蔵庫に保存する。皮のままの種があまりに美しいので、剥きがたく少し残した。この形、この色つや。種子の美である。種子は子孫継続の為にそれぞれに絶妙ば形を作り出す。今年のソラマメは豊作で食べきれないほど食べた。そして種の分をそのまま残して置いた。実を包み込むサヤの作りはすごいものである。結構厚手で、中は繊維状の布団のような緩衝材で包み込まれている。外皮もかなり厚いので、虫もなかなかこの中までは入れないのかもしれない。これだけの種を剝いて虫にやられていたのは一つだけだった。どうしても良さそうな実から食べてしまうので、少し劣る実ではある。これだけあれば良い実だけ選んでタネにしても、充分である。これを戻して、煮て食べるという事も出来るだろう。ソラマメはまだ青い内に美味しく食べる。案外よくできた理由は叢生栽培にあったと思う。ソラマメは草の中に埋もれていて、虫にも発見しにくかったのではないか。今トウモロコシを同じような育て方をしている。
背丈の高くなるものは、草の中で育てていると、風よけになる。倒れるのを防いでくれる。トウモロコシはヒユ菜と一緒に育っている。これでどうなるかである。自家採取で叢生栽培と言えば、今年のサツマイモがそうだ。サツマイモは何とか保存できた新聞紙にくるみ、発泡スチロールに入れて、部屋の中に置いておいた。それをそのまま植えた。購入したサツマイモも植えてみたが、どちらも芽が出ている。芽を摘んであちこちに植えてもいいのだろうが、それほどサツマイモがいる訳ではないで、そのままにしてある。サツマイモは結局味噌づくりの時に、焼き芋にするくらいしか食べない。焼き芋にするとあんなにおいしいのに、めったに料理に使う事はない。薩摩の周りに麦わらを敷いてあとはそのままである。サツマは草に負けることはない。結構はびこる。似たようなものが、かぼちゃだ。かぼちゃも草の上を乗り越えて、草に勝つ。叢生栽培で出来るものもある。
自給なのだから、自分でとれるタネは出来るだけ残して置き、翌年の種にする。豆類、穀類、はタネが残しやすいので、大抵は残している。カボチャやトオモロコシもまず行ける。しかし、無理はしないことにしている。買えば済むものは、粘らずにあっさりと買う。山北にいた昔は自給原理主義しゃであった。種を買ってはいけないという原則を守った。原理主義は何の原理でも大変だ。今は出来るだけの範囲のことで、あまりこだわらないことにしている。ただソラマメは種が高い。必要なだけ種を買えば、3,4千円にもなる。これではちょっとためらう。今年は、何もしないのに分げつもした。一株3本立ちになった株もあった。それに5個ぐらいの実がついていたから、一株で15個は実った。ひとさや2つ平均で30個。それが30本ぐらい播種したから、900個の実がなったことになる。種に残したものだけで300個はある。食べたいだけ食べたがこんなものだ。豆は取りたてが何といってもいい。
自家採取を長くやっているのがお米である。時々更新をしている。今年は農協から買った種籾である。お米の自家採取は簡単だ。一部を残すだけで、それなりの種になる。去年背丈が高くなり過ぎて、種を変えたくなった。今年はお米の種取りに拘ろうと考えている。田んぼの中から、種取りに良いと思われる株を選んで、種様に別に採取するつもりだ。まず、1本から20本以上に分げつした株にしたい。今年の観察では、分げつしない株というものがあるという事が分かったからだ。これはその株の遺伝的性質の可能性が高い。だからこういう株をタネにしたくないという事だ。又、背丈の1メートル以上に高く伸びた株も避けたい。サトジマンのタネは8キロあればいい。一株で80グラム実るとすれば、100株である。マンゲツモチは0,8キロあればいいから、10株である。これだけを別に採取したい。そうだ、種取りで思い出したのが、美味しかったオクラだ。3日前慌てて蒔いて見たが間に合うだろうか。