消費税賛成論
最近消費税の再値上げを、アベ政権が取り下げそうだと言われている。しかもそれをネタにして、衆参同時選挙を画策している。それが有利だからだそうだ。私は以前から消費税賛成である。珍しくアベ氏と一致していたのに残念なことだ。但し、私の消費税賛成には2つ条件がある。TPPに於いても死守すると言っていたお米には消費税を無くすことである。そして法人税を元に戻すことである。お米を守ることは、日本が瑞穂の国であるという国柄を守ることだ。私はお米を購入しているわけではない。販売もしていない。お米を自給して暮らしている。よって消費税とは関係しないが、日本の社会が国柄を守ってゆく為には、何が何でも田んぼが必要と考えている。日本の水土は田んぼという仕組みで作り上げられてきた。この災害列島に暮らすためには田んぼは不可欠なものだ。日本人という属性も田んぼによって生まれた。田んぼにかかわることで、日本人である何かを育むことができる。観察力や忍耐力、仕事や地域の共同の意味。義務教育にも田んぼ科を入れた方が良いと思っているくらいだ。
税金の徴収法は多様であることが、公平につながる。例えば明治初期は酒税というものが中心だったらしい。酒飲みの税金が日本を支える構造であれば、下戸は得をする。消費税であれば、泥棒さんも治めるだろう。所得税、法人税と、ありとあらゆる方法で多種多様に徴税した方が抜けがなくなる。それほど日本の財政は借金まみれである。不健全この上ない。しかも改善するどころか、年々悪化している。借金がここまで多くなれば増税以外にない。国が破たんする前に何とかするのは当たり前のことだ。そこで集め方は公平でなければならない。その一つが消費税である。使わなければ税金を取られないという選択も、悪いことばかりでない。その為には、生活の最低限を保護する意味で、お米を無税にする必要がある。食料品全般を8%にとどめる手法など、複雑化するばかりである。シンプルにお米は無税の方がわかりやすい。
同時に法人税を元に戻す。法人にも等しく東日本大震災の特別税を払わせる。法人を優遇しなければ、海外に出てゆくという政府の説明は嘘である。そして出てゆきたいものは出て行けばいい。納税の義務は活動地に起こるものだ。日本という国は日本人が協力し合って作り上げなければならない。企業の利益のためには、日本を利用だけしようというような企業は日本に不要である。アベ政権は既得権益層を支持母体としている。その為に格差がこれほど拡大していても、法人税を下げる。法人税を下げて企業活動に余裕が出来れば、給与が上がるという循環を主張する。給与が上がれば消費も増える。そして日本の景気が良くなるというへ理屈を述べる。法人税を下げて恩恵を受けるのはもうかっている、大企業である。日本を支えている中小の企業には、恩恵が小さい。しかも税を下げた分が、従業員の給与になり、従業員が消費を増大させるという、仮定の循環は起こらなかった。
これほど未来に不安を抱えた状況で、無駄な消費をするような消費者は居ない。ローン金利が下がったとしても、ローンの借り換えは起こるだろうが、住宅の新築が増えるようなことはない。人手不足と言われている。しかし、非正規雇用が増えているのが実態。企業も先行きの見通しが立たないので、正規雇用を増やすことには不安を感じているのだろう。私の消費税で期待しているのは消費の縮小である。その点、政府の考えとは正反対のものだ。消費者から自給者に代わることだ。少なくとも自給を志す者への恩恵だと考えている。自給して暮すことを、国が奨励するという、思わぬ結果になるのが、消費税ではないかと期待している。少なくとも消費を控える動機になるのではないだろうか。江戸時代のように節約し、つつましく暮らすという事を美徳とする社会を目指す意味でも消費税は悪くない。子供の頃トランプのカードには特別な税金がかかっている、博打税というものだと教えられた。それが消費税と引き換えに無くなったのは、何か博打国家らしい選択である。