民主党代表選挙
民主党は確かにダメになってしまったが、野党がここまでどうにもならないという事は、自民党を傲慢な政党にするばかりだ。民主党の代表選挙では、細野、岡田、長妻の3氏が立候補をした。この3人の記者会見での発言は、共通して民主党再生の大改革をしなければ成らない土壇場であると言うような事だった。しかし、私にはそんな民主党のお家の事情はどうでもいい事である。民主党の代表候補に立候補する以上、アベノミクスに変わる、経済政策を示す事以外にやる事があるわけがない。批判だけではダメだ。その肝心な事を3人とも殆ど言わない。特に岡田氏は全く言わない。民主党の特徴は、マニュフェストであったはずだ。政策の良さで政権を一度は取ったのである。アベノミクスが危ういと感じている人は、有権者の3人の2人である。アベノミクスは3人に1人しか支持していない。自民党が圧勝してしまったのは、公明党の立ち廻り方が理由である。選挙制度が悪いからにすぎない。
アベノミクスに変わるべき経済政策をマニュフェストで示さなければ始まらない。その点枝野氏に期待できる。以前枝野氏がどういう経済政策で行くかを話していたのを聞いたが、全体は良く分からなかったのだが、なるほどと言う所が結構あった。経済は理論である。どの道、世界経済に対する読みは誰でも外れる。外れないなら、株やら、為替で大儲けしているだろう。アベノミックスによって、円安が起きたという事は分かる。円安になると言う事は、日本の価値が下がると言う事で、悪い事と私には思える。しかし、輸出産業にはいい事だと言われる。本当なのだろうか。自動車会社など、結構利益が出ていると言っている。しかし、日本全体としてはGDPは下降気味である。円安と言う事はそういう事だろう。その結果大企業を中心に、利益を出す所と、その他の者との間に、格差が広がって行くと言う事になる。それを国際競争力が高くなると考えるのが、アベノミクスなのだから、もっとまともな代替案を出すのが野党の勤めである。
このままの円安では日本の価値が下がるばかりで、良い事はないと考えている。消費税を上げるべきだとも考えている。消費税の値上げは消費を抑制するためである。消費は悪いことだと考えている。自民党は給与を上げれば、消費が増えるということだろう。大企業は一応上げるらしい。法人税も下がるのだから、ある程度上げるのは当然のことだろう。しかし、上げるどころではない中小企業が日本の経済の90%存在する。法人税もこうした利益の出ていない企業には、むしろ負担増になる。アベノミクスは前も後ろも大企業優遇をする経済政策である。その結果どうなるかと言えば、韓国型になると言う事である。最も不愉快な格差社会である。例の、ナッツリターンの社会である。こうした危うい所に来ている経済に対して、民主党はどのような経済政策を示せるかにかかっているはずだ。民主党が主張できる事は政策を示すことだ。良い政策を国民は待っている。
一方の自民党の弱点は、政策選挙にできない所にある。利益誘導の地元密着型の上に、公明党の顔色も見ながらだから、意見と言うものは極力言わない。どうしても言わざる得ない場合は、自民党本部からの指示の範囲である。人間だから意見がない訳ではない。しかし、意見を言えば、支持者の利益に反す事がある。だから、抽象的な明るい未来と言う程度で、すべてをごまかしてゆかざる得ない。民主党はもう一度マニュフェストを出すべきだ。特に今は経済に絞ればいい。国民の関心はその事ばかりである。この先経済は変調をきたすはずだ。エネルギー政策も自民党の弱点である。何もできないでいる。こういう所に対して、きちっとした政策を打ちたてて、対抗することだ。共産党的に、税金は大企業から取ればいいの主張だけでは、一定数以上の国民には相手にされない。現実を踏まえた、経済政策を示す時だ。民主党の井戸の中の騒ぎなど、大半の国民にはどうでもいい事なのだ。民主党はピンチをチャンスに変える最後の機会になるだろう。