納豆の作り方

      2016/04/05

富士山 3号 芦ノ湖越えの富士である。箱根の外輪山の向こうに見える。外輪山の色合いと、富士山の色合いの違いが印象的である。

自給祭で納豆を作る事になった。自給祭は今日行われる。曽我みのり館である。どなたでも300円で参加できるので、興味のある人は、今からでも来てください。今回の自給祭では、大豆の会ではそれぞれが、納豆を作り持ち寄る事になった。納豆は以前から作っていたのだが、今回は自分なりにおいしい納豆の作り方を、整理してと思い、試みた。大豆の品種は小糸在来である。作り方の前に、美味しい納豆は美味しい大豆でなければできないという事は、当然の前提である。農の会の豆腐や味噌や醤油が美味しいのは、大豆の会の大豆がおいしいからである。但し、手前みそではないが、発酵食品というものは、微妙な発酵の進め方がある。これは漬物でもすべてが共通で、美味しい物は自分に合うものだという事になる。それが、地場・旬・自給と言う事だろう。発酵菌の種類という事もある。そういう事を含めて、納豆の作り方を整理してみる。

1、大豆は良く洗い、一昼夜水に浸す。今回は500グラムの大豆で行った。水は1,5㍑たっぷり入れて、充分に大豆に水を吸わせておく。丸い大豆が、水を含むと長細く戻る。これは種の不思議である。乾燥で丸くなる大豆が上手く転がり、選抜されたのだろう。何故丸くなり、水を含むと細長く戻り、段々双葉のような形になるのか。実に豆の生態は面白い。

2、大豆は浸した水のまま煮る。指でつまんで、つぶれる程度に柔らかくなるまで煮る。5・6時間が普通である。今回は6時間で仕上げた。沸騰してくるとすぐ泡が出るので、この泡はすくって捨てる。蒸す事が出来れば蒸す方が、大豆のうまみが逃げなくて良いはずだが、上手に煮ればそれなりに大丈夫である。水の量を加減して、煮汁を上手く大豆が吸い戻すようにとろ火で仕上げる。後半は蓋を取り煮しめるという感じだ。煮汁を捨てるような事を出来るだけ無くすようにしている。

3、納豆菌の市販の納豆からの取り出し。煮た大豆をお湯に浸した藁に包み込むというのが、本来の納豆作りのやり方だが、どうも納豆菌にも色々あるようで、どこの藁にもおいしくなる納豆菌がいるとは限らないようだ。何度かやってみたが、どうもばらつく感じだ。それで、市販の納豆から納豆菌を取りだす方が確実と考えている。市販の納豆10粒を少量のお湯で洗うような調子で、かき回す。この全体が種菌になる。納豆菌は熱湯でも死滅する事が無い。これも菌と言う物の不思議で、胞子が生き残るのであろう。

煮えた大豆を上部から、保温鍋に移し、下の方の水気の多いい所に、納豆10粒を加え良くかき回す。この混ぜたものを、保温鍋に入れて、全体に混ぜる。

4、煮えた大豆を保温鍋に入れて、そこに種菌全部を入れて良くかき回わし、菌が行き渡るようにする。面倒であれば、納豆を10粒ほどそのまま混ぜても、上手く煮汁で混ざれば問題はない。実は私はそうしている。お湯でよく洗うのは、納豆が固まらず、菌が煮大豆全体に満遍なく行き渡るためである。

5、大豆の納豆菌発酵。味噌や醤油に比べて、温度管理はそう神経質になる事はない。納豆菌は高温でも死なないからである。基本の目標温度は40℃である。発酵時間は24時間。保温鍋で仕込みそのまま、1昼夜置けば納豆になる。温度が低くても時間を延長すれば結局納豆になる。立ちあがり、100度以上豆はあるのだから、少しさましながら煮汁をしみこませる。煮汁が残ったらもったいないがそれは納豆の仕込みには使わない。水があると菌が回らないからである。このあたりが藁つとで作る意味だろう。高湿度でありながら、豆の周囲に空隙あること。

6、70度位になるペースで豆を混ぜる作業をすればいい。温度が徐々に下がる保温鍋が一番簡単である。保温鍋に入れて蓋を完全にしない状態であれば、徐々に温度が低下してくる。24時間たって、30℃くらいなら良いだろう。納豆菌は好気性菌なので、蓋は少し開けて、空気が入る状態にしてやる。また、納豆菌はコロニーを形成して繁殖する性格だから、途中ではかき回さない方がいい。途中は温度の変化を見守るくらいである。

7、納豆作りの特徴は、一応の発酵が終わった後に、後発酵をする。冷暗所でまた1昼夜置くことである。これで納豆らしい味わいに出来上がる。冷暗所は冷蔵庫でもいいが、普通に部屋に一晩おいておけばいい。

翌朝、4時に25度まで下がっていた。菌を入れて仕込んでから、17時間が経過している。表面に白い菌糸が広がっている。納豆らしくなってきた。この後、食べるまで、一昼夜置く事が美味しくなるコツである。

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