地下水、放射能のデーター
能登の畑 10号 能登には学生の頃から、よく描きに行った。あの頃から何が変わって、何が変わっていないのかと思う。絵はそういうことが分るから面白い。
福島原発の流入地下水の放射能汚染の分析結果がやっと出た。基準値を下回った。産経新聞にだけ出ていた。東電が目標としている基準はセシウム134が1リットルあたり1ベクレル、セシウム137が1ベクレル、ベータ線を出す放射性物質全体が5ベクレル。以前水の放射能濃度をどうしたら分析できるのか、努力したことがあったが、今回はどういう手法だったのだろうか。1リットル当たりの最大値はトリチウムは240ベクレル、セシウム134は0.022ベクレル、セシウム137は0.047ベクレル。貴重なデーターである。地下水というものは、土中に浸透する時に、放射能をどこかに吸着して、水自体としては、濾過された後ということかもしれない。水を大量に必要とする、主食となるお米は慎重に測定をしてゆく必要がある。田んぼで毎日1反の田んぼで最低でも10トンの水が必要とすれば、690ベクレルとなる。これが100日間となれば、69、000ベクレルのセシュームが一作の耕作で田んぼに流入したということになる数字だ。
実際には田んぼから外に出るものもあるが、私の水管理では、田んぼから外に水はほとんど出さないので、田んぼの中に蓄積されてゆく放射の量と考えられる。すでに土壌にある放射能を一切無視した計算であるが。もし稲が水から放射能を10%吸収したとした場合、稲全体でキロ当たり11、5ベクレルのセシュームということになる。その内がお米に集まるものが10%とすると、1、15ベクレルということになる。土壌にある放射能の影響は、畑作と似たようなものとして、すでに2ベクレル以下になってきているので、合計しても問題ない数字である。地下水と川の水は異なるとは思うが、小田原で今年一番多く検出される田んぼでも、この福島原発周辺の水のさらに10分の1よりは低いと推測される。また、土壌に降り注いだ、セシュームが小田原でも100ベクレルあった。しかし、田んぼの土壌に蓄積されているかというと、やはり根が存在するあたりで、10ぶんの1くらいになっている。また残っているとしても何かに吸着されて、稲には吸着されにくい状態になっているようだ。稲の放射能の数値も、多かった時の、10分の1以下である。2ベクレル以下の田んぼが大半になってきている。このことは他の作物、畑の作物の放射能の変化から類推できる。
田んぼは、水から放射能が集積される可能性があるので、よほどの注意が必要と考えていた。以前野外に放置されていた、お茶の刈り込んだ枝葉が急激に放射能の値が減少したということを書いた。これは堆肥の肥料成分が野ざらしでは、大きく減少する姿とよく似ていた。雨によって肥料成分が無くなるから、堆肥は屋根の下で作らないとだめだと、昔から言われる。同じことが放射能でも起きている。それは水に混じり流れ出る。だから、福島原発に流入する水は、周辺の山から地下水に混ざり、流れ込んでいるはずである。この数字を知りたかったのだが、やっと今回これが分った訳だ。やはりこの結果は、海は申し訳ないが、まだ汚染は進んでいると考えなければならないだろう。特に河口付近の汚泥などには、今でも汚染は増加していると想像できる。又そういう調査結果もある。農業分野では、作物への以降は10分の1以下に成っている。
田んぼの土壌調査は今年はまだ必要である。そろそろ結果が出ると思うが、想像よりかなり早い減少が起きている。こうした放射能は、河口あたりに蓄積しているのだろうか。海でも、ある深さの海底付近に蓄積されるということも言われる。放射能が簡単に消えない物質である以上。時間とともに溜まってゆく場所はある。それはやはり海であろう。海産物についてはむしろ増えているものもないとは言えないはずだ。キノコや山菜のように、意外なものに放射能が多いということも分った。乾燥や煮詰める食品は放射能度が高まるものがある。イノシシや川魚が生物濃縮をするということもある。海の魚や、海藻の中には、放射能を集めている可能性もある。全体で見ればスーパーにあるような魚の大半は問題のない数字になっているが。まだまだ長い間、海底に居る魚、あるいは貝類、カニやエビ、海藻等は注意を要するのではないだろうか。