大島豪雨災害
大島で大変な豪雨災害が起きてしまった。現在も救助が続いている。大島で起きたことは、他人事ではない。私の住んでいる、久野舟原は豪雨災害の危険地域と指定されている。大島も火山で出来た島だが、久野地区も箱根の火山の東斜面地域である。土壌が流れやすい可能性は高いと考えなければならない。実際に斜面では土砂崩れの跡が何箇所かある。関東大震災の際には、崩れた場所もかなりあったということだ。最近のように過去に例のない豪雨が降れば、大変な土石流災害が起こる可能性は高い。少なくともそのつもりで、準備をしておく必要がある。今回の大島豪雨では避難勧告も、指示なかった。その理由について、大島町では、夜中の2時になって、避難を呼びかけても、豪雨の中危険と判断したということらしい。日頃から、住民には自己判断、自治会による判断を呼び掛けていた。こう説明した。しかも、町長、副町長の両者が同時に主張中のことだ。多くの自治体がこのようなものだと考えた方がいい。
舟原の土砂災害危険地区に指定されたレッドゾーンの公民館に、一時避難場所が小田原市より指定されている。先日来、自治会長と小田原市との話し合いで、他に移動することは見えてきたようだ。事情を知らないで、一時避難場所に避難して、災害にあわれた場合、その責任はどこになるのかと、県土木の担当に質問した。小田原市にあるのだろうが、自治会にも一定の範囲で責任が及ぶかもしれないと言われた。その意味で、私は今回の雨でも不安で仕方がなかった。大島での豪雨は何と4時間で300ミリ。6時間雨量549.5ミリ。 12時間では800ミリを超える雨量であった。この雨が台風の進路と、気圧配置の関係で小田原に起こる可能性がないとは言えなかった。大島の方々には、本当に不運なことであったが、小田原でも他人事ではない。問題は、状況を判断する材料が、大島町にはなかったということである。以前から川の氾濫があったという川には水位計も、雨量計もなかった上に、土砂災害に関する監視カメラもなかった。
26号台風は3日ほど前には、関東沿岸に向かっていることは、明らかなことだった。気象庁も繰り返し発表していた。それではどう対処すべきであったか。まず台風当日は、警察、消防、担当行政職員は各持ち場に待機している。そして、気象庁と情報を交換しながら、住民が動ける時間の間に最終決断をする。土砂災害が起きた時間が、2時過ぎのようだ。2時には職員が役場集まり相談をしたが、あまりの豪雨で避難指示を出しそびれたようだ。徐々に雨が強まる傾向の判断は12時ごろには、かなりの精度で出来る状況だった。12時が最終判断をすべき時間だろう。私はアメダスの情報。久野川上流部の雨の変化。川の水位の変化。これらを見較べて、又外の様子を見て、小田原は今回は大丈夫との判断をした。もし危ないということであれば、まだ移動できる状態の間に、避難するつもりだった。
こうした判断を、自治会でも行うということを、一瞬のテレビではっきりしないことであるが、大島町役場の方の発言があったように思う。これは私にはできないことである。そこまでの情報を住民として把握できる状況ではない。住民の自主判断をお願いする。こんな言い方は止めた方がいい。行政が出来ない判断を、何故住民には可能なのか。沢からの水、聞きなれない音。こういうものを消防なり、警察なりに報告することはできるが、それを持って住民自身が避難を呼びかけまでは、無理なことではないか。今やれることは行政として、避難指示を出すまでの情報収集能力を高める、人の配置、機器の整備をすることだ。指摘するまで、小田原市の防災課では、久野川の雨量計の位置すら把握していなかった。現状では避難指示を期待することは無理としても、避難準備情報は早めに出すことだ。そして、日頃危ないと感じている人は、自主避難を自身の判断で心掛ける。もちろん、安全なところに一時避難場所を決めることが先決であるが。
その後の報道情報の追記
土砂災害警戒情報は土砂災害の危険が高まった場合、各自治体へ発令される。大島町には土砂崩れが発生する前日の十五日午後六時五分、都から町役場に警戒情報が出たことを伝えるファクスが送られていた。町総務課は町民に伝えなかった理由について「伊豆大島全体に警戒情報を出されても、どの地域を避難させればいいか分からないから」と釈明している。
気象庁と都が発令した「土砂災害警戒情報」に、町が約六時間にわたって気付いていなかったことが十八日、分かった。都が送ったファクスに町職員が誰も気付かず、放置されていた。町のずさんな態勢が厳しく問われそうだ。