スノーデン氏の問題
アメリカの情報当局の活動を暴露したCIAの元職員、エドワード・スノーデン氏がモスクワの空港に長期間釘付けになっている。 「アメリカの政府が、ネットサービスを運営するIT企業と連携して、電子メールやチャット、動画、写真、VoIPの音声通話、ファイル転送などのデータを直接収集している。」という暴露が理由である。データ収集の対象となっているのは、マイクロソフト、米ヤフー、グーグル、フェイスブック、米パルトーク(PalTalk)、「YouTube」(グーグルのサービス)、スカイプ(マイクロソフトが買収)、AOL、アップルである。ウォール・ストリート・ジャーナルは、「PRISMは外国人を対象にした取り組み」とオバマ政権高官が話したと伝えている。 6月9日には、スノーデン氏自らがリーク元であることを、顔と実名を出して公開。英ガーディアン紙がWebサイトにインタビュー動画をアップした。
英紙ガーディアンによると、米当局が日本やフランスなど同盟国を含む38の在米大使館や代表部を盗聴の対象にし、特殊な電子機器などを使って情報収集を行っていたという。アメリカ政府が日本政府に対しても情報活動を行っていたことが分かって来た。このことに対して日本政府は、反応すらできない。反応が出来ないのは自分もやっているから反応できないのか、アメリカの手下だから、親分のいいなりなのか。ともかくなかったことのように静かである。正しくは、官房長官が強く抗議をする。抗議声明を出すべきだろう。そして、今後の対応をアメリカ政府に対して要求すべきだ。CIAの諜報活動はテロ対策と言うのは建前で、アメリカの外交の一部なのだ。敵を知る。ということが、重要なのは当然だが、仲間のつもりのものも信頼してはならないというのが、アメリカ流だ。イギリスはやらなかったというのは、007が居るからか。
安倍氏に対しても、相当の盗聴を仕掛けたはずである。アメリカ政府の発表では、国家主義的な兆候に気を付けなければならないと書かれた。たぶんその情報の深刻さを探り当てたのは諜報活動だろう。日本国民が、アメリカから総理大臣の本音を聞かなければならない状況なのだろう。相当痛い発言も抑えられている可能性が高い。スノーデン氏が2カ月近くも逃げ回っていて埒が明かない要因はまだまだ出ていない情報を持っているということなのだろう。この情報戦には、2つの流れがある。一つは国家間、企業間の経済戦略である。外交上の情報戦以上に経済の傍聴戦が行われているはずだ。情報管理は今や無理になっている。とすると情報活動を日本がどこまで出来ているのかということになる。軍備を持たない日本は、情報活動はアメリカ以上にやっているはずだ。やっていなければ困る。平和を維持するためには、情報を誰よりも持つ必要がある。何も違法な活動だけでなく、情報収集は合法的なものもいくらでもある。
もう一つの情報問題が、個人の管理である。個人情報の国家管理の問題である。個人の問題では、カード情報の管理、メールや通信の情報収集である。個人情報はすべて把握されていると考えた方がいい。社会保障・税番号制度が運用され、国家管理はますます徹底されるはずである。すべての情報を簡単に、国家は連動できる。それに逆らったとしても無意味である。すべてはどうせわかるものだ。そういう社会である。隣近所のことでも、役所から聞いて初めてわかるというような社会である。市民レベルのおかしな情報の自主管理がある。隣近所うでは個人情報の保護で、国家には筒抜けの時代。どうあがいても無駄なようだ。それならどうするかと言えば、居直ってすべてを出す。すべてを出すことで、自己防御をする。何かが起きたときには、原因が他の人にも想像できるかもしれない。