国家公務員の暴言ツイッター
復興庁で東日本大震災の被災者支援に当たる幹部職員の水野氏は総務省の出身。千葉県船橋市の副市長を経て昨年八月から復興庁に在籍。所属する法制班では東京電力福島第一原発事故の被災者支援強化を目的とした「原発事故子ども・被災者支援法」に基づく運用の基本方針の策定作業を担当している。しかし、同法成立から一年たっても基本方針は示されていない。という立場のこの人が、どうした訳か、ツイッターで暴言を繰り返した。「左翼のクソども」というもの言いが特徴的である。左翼嫌いというか、保守的な人なのだろう。こういう上から目線の人は気に入らない人を左翼とみなすことが多い。クソと書いたのは、行き過ぎである。ストレスがたまって常軌を逸脱したと考えることが自然だ。それくらい、公務員というものにはストレスが集中する。こんな精神状況だから、仕事の方もうまく進められない。船橋では良くやっていたらしいので、特殊な状況で悪い部分が出てしまったのだろう。
この暴言問題の本質は、こんな気持ちの公務員がたくさんいるだろうということだ。この人はストレスから、ツイッターに本音を書いただけだ。実はこういう立場におかれた人間のかなりの数の人はこんな気持ちに追い込まれる。と考えた方がいい。震災対応は人間をこんな気持ちにさせる、難しいものだと思う。人間の本音は結構変わる。こういう気持ちになる時もあるということがより正確な気がする。何故こんな気分になってしまうかと言えば、自分が選ばれた人間であるという意識がどこかにある。そして、一方に公務員としての立場から、政府の福島原発事故の対応のひどさを、出先で全面的にかぶることになる。個人の問題ではないのだが、行きどころのない不満の直接的対象になってしまう。その結果公務員という存在は屈折してしまいがちである。そのために、慇懃無礼。心の中が極端に横暴になったり、意地悪になったりしてしまう。
これを防ぐためには良い職場環境である。互いを理解する人間関係が作れるかである。陰になって支えることが出来るような職場なら、こんな暴言まで行かない。つまりそういう労働組合が必要だ。こういうことを以前ブログに書いたら、労働組合の職員と名乗る人から、労働組合の目的はそんな物ではないと、抗議のコメントをいただいた。勤務時間中のコメントであったから、働いていないのか、あるいは専従なのか、なり済ましかはわからない。実に職場環境が悪い世界であるとの思いをさらに深めた。建前と本音が入り組んでいる世界は人間を成長させない。処世術だけで世間を渡ることになるから、嫌な奴がのさばることになる。しかも、給与というもので殺生権を握られた上だから辛い。農業はその点は良い。判断を間違えば、自己責任である。
福島原発事故の政府の対応は明らかに間違っているし、失敗ばかりである。東電の対応がこれほど不誠実なのは、政府の責任である。広大原発周辺地域が今も立ち入り禁止である。小田原という離れた土地にまで、汚染が一気に広がった。大量の放射能を放出して、地球環境に大迷惑をかけている。こんな悲惨な事故を起こしたことは、日本の歴史上ないことである。事故の原因もいまだ確定は出来ないし、内部の状況も把握できない。廃炉するとしても高濃度の放射能汚染物質の行き場はない。どうしたらいいのか政府自身も方針が示せない。自民党政権の語っているのは、希望的観測だけである。どうしても、原発を再開するなら、核廃棄物の処理だけは目途を付けてもらいたい。ごみ処理法が定まらないにもかかわらず、ごみを出すのは犯罪行為だ。こういう政府の手先として、仕事をする人間が、おかしくなるのは当たり前のことだ。だから、復興大臣の訓示は見当違いである。これは、職員の個人的な資質の問題ではない。