子供の日の子供人口減少
人口問題研究所がこれからの日本の人口推計を発表した。2010年に1億2806万人の日本人口は30年に1億1662万人と減り始め、50年後の60年には8674万人になると予想されている。50年で4000万人の日本人が減少する。人口のピークが過ぎたために、急にこのことが話題になり始めた。人口問題研究所では以前から、人口減少を予測していた。インターネットで公表されていた。ごみの広域処理が15年前に問題になり始めた。ところが、神奈川県ではどこの自治体も、人口は増加することへの対応ということで予測を立てていた。人口が30%減れば、ごみも30%減らなくてはならない。必要以上の規模の焼却炉を作ることは、無駄だと繰り返し抗議をした。無駄であるどころか、ごみを他所から集めて、連続焼却せざる得なくなる。埋火事、立ち上げ時に焼却は問題がある。ところが、小田原市を始め、どこの自治体でも努力をして人口を増加させるから大丈夫だと答えていた。
何が大丈夫な訳かと思っていたが、案の定小田原でも人口減少は始まった。人口減少が実際に起きてからの大騒ぎである。政治や行政は先の見通しを立てて、政策を進めるのが義務であり、当然のことである。50年後には4000万人が居なくなる、将来日本の人口が30%減少するという前提で、長期の判断はは考えて置く必要がある。電力だってそうだ。例えば食糧自給の計画など、人口減少と連動して考えなくては意味をなさない。職業として、農業を選ぶという人にとっても大きな要素になる。農地価格を始め、住宅用地の価格も大きく下がるだろう。とても良い材料だと思っている。15歳以下年齢の子供の人口は32年減少を続けている。日本の子供の比率は 13%で世界の最下位である。 世界平均は 27%。少子化政策の中国でさえ19%である。日本は最先端の少子化社会となっている。いまさら慌てても遅いということである。この人口減少状況をもろにかぶっているのが、過疎地域である。
人口減少は中山間地に大きな影響を与えている。集落がなくなる。人間が住んでいた地域が失われるという、恐るべきことが起きている。一番の原因は人間の暮らし方が変わったためである。労働人口が減少して、GNPが下がることなどどうでもいいことである。当たり前のことだ。近く起こるだろう混乱は団塊世代が65歳を超えたときである。後、5年くらいか。農業者は一気に半減するだろう。このままでは、条件不利地域は一気に人間が住まなくなるということである。農業は伝統文化として、世界遺産になるしか生き残れない。天皇家が田んぼを続けているという意味である。日本人が田んぼを失うということは、日本人でなくなるということである。新しい日本人としてやってゆく道と、世界の競争から離れて生きるという2つの道になるだろう。
可能性が高いのは、日本人が、日本人でなくなり生き続けようとするだろう。日本企業が、日本出身の企業になり、世界の競争に巻き込まれている姿である。しかし、地場・旬・自給で生きようとする人間にとっては望ましい状況が生まれる。耕作放棄された農地が至る所に存在するだろう。そして、棚田でも耕作していれば、伝統文化継承者として評価されるだろう。今、農の会で一緒に田んぼをやっている子供たちが、私の歳になるころにはそうなっているということだ。私の今研さんしている農業技術もそういう形で評価される日が来るかもしれない。となると、天皇家のように、もっと過去の伝統農法を研究する必要があるかもしれない。自給の合理性だけでは、日本人としての意味が薄くなる。こういうことが冗談ではなくなる日が近づいている。農の会の子供たちが、幸せに暮らせるように、田んぼのやり方だけは伝えてゆきたい。