もみ洗いと土振い
3月20日は春分の日毎年この日に、籾洗いをすることを決めている。籾洗いという言葉が、どの程度一般的なことかは知らないのだが、良い言葉なので使っている。浸種とか、塩水選のことである。春になり、稲の籾の目覚めを促す日。塩水の濃度は1,3と言われていて、卵が横向きに浮くくらいとされている。卵はずいぶん比重が違うので、利用しない方がいい。ボーメ計というものがあり濃度は簡単の調整できる。しかし、塩水選などしなくても、大丈夫である。より厳しく比重の重い、充実した種もみを選別した方が病気にならないなど言われるが、そんなことはない。ある方向への選別を続けることは、問題もある。50回以上やったが、塩水選別などしなくても、稲に病気などでない。お米も平均以上に収穫してきた。それでは、籾洗いは何を意味するかと言えば、種もみに情報を伝えることである。春が来ましたよ。もう目を覚ましてくださいよ。この時、私は海水が良いと考えた。海水の濃度で浮き上がるような種籾はさすがに問題がある。
種籾が水という情報を出会うことは、とても重要なはずだ。これが三つ子の魂のように、稲の生涯を決めるかもしれない。稲は河岸の植物である。春になり川の水位が上がることで、発芽が促される。鮭の稚魚のように川から海に回遊する魚は、あの広い太平洋にで暮らしていても、生まれた川の情報は記憶している。水には記憶される情報があると考えられる。そこで、久野川の水が入る田んぼの稲作である以上相模湾の海水が感じがいい。たぶん大した意味はないだろうが、少し気にしている。そして出会うべきは、海水だと考えている。唯の塩化ナトリウムでは気に入らない。海水という万物の混合したような、情報に出会う方がいいような気がしている。根拠はない。そういうイメージである。哺乳類の胎児も羊水に包まれて育つ。植物の種に与える情報もあってほしいと思っている。まあ、簡単にいえば儀式のようなものだ。一年の稲作のスタートの祈りのような意味もある。
種子消毒もしたことがない。できるだけ避けたいと思っている。やることになっているという先入観でやりたくない。この日は春分の日である。何故春分の日にやるかとあえて言えば、毎年そう覚えて置くと分かりやすいからが一番である。少し、迷信のような太陽信仰である。稲は太陽の恩恵で育つ。月などなくてもいいが、太陽がなければ絶対に育たない。その太陽が春分点を通過した日、二十四節気の第4が春分。この日から昼間の方が長くなってゆく。生命が広がってゆく感じがする。種籾はこの日から15度以下の水につけて置く。昨日の水温は午後1時で13度だった。何故か毎年高くなってゆく。今年の種まきが4月21日だから1か月水に浸しておくことになる。出来れば育てる田んぼの水に浸種しておきたい。以前、1月1日から川の水に浸けておいたことああったが、これは発芽がそろった。川で何か起こらないか、気になって管理が大変なので、1ヶ月くらいにした。川に良い場所が見つからなければ、水道水でもいいと思っている。井戸水では水温が高い。水温が低いということが意味がある。この場合毎日水を変える。
今年はこの日に土振いも行う。セルトレーに使う苗土を振う日である。苗土は雑草が出ないということが一番の条件である。山土を使っている。今年は物置小屋の土木工事があったので、その時深いところの土を掘り出してもらった。苗土には、クン炭とそばガラ堆肥を混ぜて使う。そばがらたい肥は古いものがあればいいが、今年はほとんどない。なければないでもいいと思っている。苗土自体に肥料分がある方がいいのかは難しいところである。有機苗土の場合、よほど良い状態まで作らないと、種を播いた後からカビが出る可能性がある。苗代に堆肥を入れて、セルトレーから根を下に出して、大苗を作ることを目標にしていた。苗床が良い状態で、水が温かく、水位が上がるのであれば、苗土自体には肥料分はいらないようだ。このあたりは今年の観察課題にしたい。そろそろ苗床の準備が始まる。
昨日の自給作業:籾洗いと浸種、土振い 5時間 累計時間:12時間