2013醤油作り
2016/04/05
醤油の搾りかす漬けを作った。毎年味噌作りの時には一品持ち寄りで昼食を食べる。最近はさいこんたんの伊藤シェフが汁ものを作ってくれる。これが美味しい。すっきりしているのだが、味に深みがある。プロの味である。みんながそれぞれに持ち寄るのだが、私は大根の醤油搾りかす漬けを持って行った。残念ながら、自分の大根ではなく、そらやさんの干し大根である。干してあるのを思い出して、無理に分けてもらったのだ。搾りかすを持ってゆこうとは思っていてその話をしたら、何か漬けこんできてくれと言う話になった。確かに、美味しいと言う話だけで現物がないのでは、食べ物は分からない。特に、漬けものと言うのは、様々で美味しいというものも、人によって全く違う。多分子供の頃に食べたものが影響している。発酵食品と言うものは、くさややチーズのように食べ慣れてその味深さを感じられるという事がある。味噌や醤油の好みだって一様ではない。
売られている発酵食品は疑似発酵食品の場合がある。時間とか保存場所とかが省略されている。私の作る味噌も醤油も2年かかる。発酵と言う状態を腐っていると感じる人も多いいのではないだろうか。微妙な所である。生活が無くなっているからだと思っている。自給することで、何かが変わる。時間と言うものが作り出す味を、手っ取り早く再現しようと言うのが経済性である。家では、順繰りだから別にどうということはないのだが、商売だとすれば、3カ月で出来るものなら、8分の1の貯蔵庫で済む。何万人の消費者を対象にする大企業では、不可能なことになる。この経済合理性が本物を凌駕してきた。私の作る醤油は計算したら、1リットル1000円以上だと思う。それでも作りたいと言うのは、ここを誰かが突破してやっている。という事を示したいという気持ちがある。今年は4人で醤油造りをした。一口、みんなで作った大豆1,5キロ、小麦1,5キロで4リットルである。麹と塩も入れて、材料費が2,500円。今年の進化は、炒った小麦を砕く作業を、製粉機で行ったことである。3時間の作業が10分になった。
醤油は前から企画していたのだが、絞ると言う所で、行き詰まっていた。50年前までは醤油屋さんが農家を回り、絞ってくれていた。今は醤油絞り屋さんが無くなった。農家でも醤油を作る家はまずない。そこで考えたのが、絞らない醤油である。ステンレスのざるに開けるだけである。自然に下の器に落ちたものを醤油として使う。ざるにはちょうど味噌ぐらいの乾き具合の搾りかすが残る。これを漬けものの床として利用する。今回は干した大根を1週間付け込んだ。夏場なら、キュウリやナスでいい。糠漬けも美味しいのだが、この醤油搾りかす漬けもなかなか行けるのだ。私の作るものは、私だけが美味しいと言うにすぎない場合が多いが、これは、なにしろ伊藤シェフがなかなかいけると言ってくれた。味噌作りに参加された人も味見をしてくれて、そこそこだと言われた。まず合格点だと思う。
一番の良さは捨てるべき絞りカスが、、他にない最高の味を作り出しているところである。大豆の会の大豆と、小麦の会の小麦を使う。まずい訳がない。2年前の醤油をしぼって400CC程お分けした。これが家庭で作る普通の醤油だと考えている。売られている醤油とは違う。他所で醤油を使う事があると、家の醤油が あればと思う事がある。既に自分の味になっている。しぼりかす漬けは新鮮な夏野菜などもおいしくなる。キュウリは1日。ナスで3日。ぬか漬けよりおいしい。塩麹漬がはやっているが、さらに一段奥のある味である。今回の醤油造りが、持ち帰った3人の所で、上手く発酵出来ていれば、誰もが出来る醤油造りになる。私の家では、昨日午後3時に仕込んだものが、15時間後で30℃で順調に発酵中である。もうしばらく様子を見て、一番手入れである。
昨日の自給作業:醤油造り4時間 累計時間:17時間
追記、18日20時に発酵を終わり、塩水に混ぜまる。水は秦野のくずはの泉16リットル使用。今回は日中でも6℃までしか上がらず、夜はマイナスの気温で、温度の管理は比較的やりやすかった。しかし、18日は加温は一切しなかったが、それでも後半温度が上がり始め、最後の段階では、39度まで行ってしまった。慌てて終了して、塩水と合わせる。