生活保護見直しについて

   

生活保護の見直しが政府からも言われ始めている。確かにこのままでは財政破たんする状況である。生活保護の受給者は、ことし6月には211万人を超えた。今年度の生活保護費の総額は3兆7000億円を超える。しかし、論点が少しおかしい所もあり気に成る。生活保護制度は憲法上保障された人権の問題である。例えば、三井厚生労働大臣は「生活保護費の半分が医療費の扶助となっており、非常に大きい。公平な立場で見れば、ある程度メスを入れないといけないのではないかと思う。全部が無料ということはありえず。」一度はこう発言し、朝令暮改で夜に成って、この発言を否定した。何も知らない人が大臣に成っているようだ。生活保護者が医療費がなく受診を控えるようになるのでは困る。生活保護制度の見直しでは、厚生労働省が国家戦略会議に提出している。「(受給者の)自立の助長をより一層図るとともに、国・地方自治体の調査権限の強化などの不正受給対策を徹底する観点から、生活保護法改正も含めて検討する」となっている。

自民党の「生活保護制度」見直しの具体策
1. 生活保護給付水準の10%引き下げ
2. 医療費扶助を大幅に抑制
3. 現金給付から現物給付へ
4. 働ける層(稼働層)の自立支援、公的機関での採用等の就労支援
5. ケースワーカー業務の改善、調査権限の強化で不正受給を防止
6. 中期的な取り組み(就労可能者の区分対応と貧困の連鎖の防止)

自民党の案に大枠で賛成である。賛成ではあるが、その一方で生活保護でやっと救われている211万人が大丈夫なのかという不安が起こる。不正受給のような極端な事例から、全体を考えることは危険だ。むしろ、受けるべき状態で受けていない人の数の方が多いいはずだ。医療費の問題など、緊急かつ深刻な場合が良くある。抑制だけではむしろ問題は深刻化するだろう。年金だけでは暮らしが不可能で、生活保護を受けると言うような、歪んだ貧困が起きている。先進諸国の社会では生産効率の向上が頭打ちになった。余裕が失われ始めたのである。経済成長はどこかで終わる。この時社会は生活困窮者の対応が出来るかである。まずおこなわなければならないことは、格差社会の解消である。努力したから、能力が高いからといって、必要以上の富裕層が生まれるような社会の仕組みは、良い社会ではない。普通に働けば普通に暮らせる社会。この点が危うくなってきている。何かでつまずいても、立ち直りが何時でも可能な社会が必要である。年金制度の補完的役割が、生活保護制度に成っている点も見直しが必要だ。

自立支援が中心課題。農地は余っている。放棄されている農地がいくらでもある。生活保護者が農業をしながら生きる。若者が肉体労働を嫌う傾向がある。生きると言う事を楽に要領よく、金儲けをするという風潮がある。格差社会の悪い影響である。子供の頃の育ちの環境が良くない。頭を使う事が優先されている。子供時代から身体を使い働いて育った人間でなければ、肉体労働に耐えられない。子供を甘やかす事と大切にするとは違いがある。先進国では児童労働が問題になるが、私の祖父は明らかに違反していた。それを躾けと考えていたのだと思う。生活保護制度の背景に、自立支援が充実していなければならない。再出発できる社会。その受け皿が用意された社会。農業分野では仕事が用意できる。収入は当てにならないが仕事はある。農業法人でも最低賃金が問題に成る。自立支援の手法として、4人に一人くらいはある程度は働けるだろう。50万人位は農業分野で働いてもらえばいい。生活保護費分と思えば、農業側にとっては無料の労働力である。

昨日の自給作業:稲の脱穀 7時間 累計時間:7時間

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