めだか田んぼの改修工事

   

めだか田んぼの改修工事が始まった。今日で4日目になる。本来なら、3年も前に終わっていなければいけない工事が、行き違いや担当の移動があり、抜けてしまっていた。いずれにしてもこのままとはいかないので、私自身が費用を出して行うつもりでいた。しかし、その前に事実確認だけはするべきだということになり、状況を調べてくれた。それでこれは、どうも間違えがあり、工事が抜け落ちていたということになり、小田原土木で緊急工事として取り組んでくれた。崩れかけている水路との間の畔を固め直すこと。田んぼを水平にすること。水の取り入れ口を作ること。正直それだけはしないと、田んぼにはならない。メダカ協議会を通し、あしがら農の会が引き受けた以上、しっかりした田んぼをやらない訳にはいかない。当然のことである。一年目は中心になって取り組んだ。毎日、桑原まで水を見に行くのだから、大変ではあった。収量も悪くなかったので、良い田んぼが出来たと言っていい。

しかし、2メートル幅ある畔のいたるところに水みちが出来てしまっている。沖津さんに作ってもらった水の取り入れ口は、結局使うどころでなかった。水道ぐらいの勢いで、10か所ぐらいは水が入ってくる。なにしろ稲刈りの時にも普通に水がある状態である。だから、一株づつ鎌で刈り取っては、手渡しで畔まで送った。3畝の田んぼで丸一日かかった。田んぼは石ころだらけで、トラックタ―を入れると、歯が折れる状態であった。随分拾っては出した。出したけれども結局は土が足りない。高低差は何と17,5センチである。経緯が経緯だけに、止めるわけにもゆかない。地主さんにお願いしてやらせていただいているのに、今さらできませんでしたとも言えない。本当に困りぬいて、沖津さんと県土木にお願いに行った。それでも駄目だったら、沖津さんが直してやると言ってくれた。その結果、何とか直してもらえることになった。これだって税金で直す訳だ。申し訳ないし、道路工事の時に同時にやればだいぶ楽だったと思う。

工事を始めてみたら、やっぱり畔が砂利だけでスカスカだそうだ。大きな砂利だけで、固めるのには黒土を足して入れても十分とはいかないということらしい。黒土は、ネコで運ぶしかないから、手間が大変である。こういう所の田んぼなので、ある程度は仕方が無い事だが、水の流入を抑える方法が無いとなると、本当に困難な田んぼである。2メートルの幅の畔の中央ユンボのバケット幅で掘り込んで一度一度掻きだす。そこに黒土を加えて鎮圧機で鎮圧をする。鎮圧をしていると、泥流化して、水が浮き上がるので、適度にやらないとならないそうだ。本来なら、土をもっと運び込めればいいのだが、何しろ1輪車で運ぶしかないので、手間がかかる。それでも2日間で6名の作業員で畔の一通りは終わったそうだ。明日は午後から畔を高くするそうだ。その後、田んぼに黒土を入れる。最後に入水口を直してくれるという事だ。

随分税金を使ってしまった。申し訳ない気持ちでいっぱいである。めだか田んぼは何としても継続しなければならない。本来であれば、この地域を保全して行く市民グループが出来て、その人たちが耕作するようになると良い。めだかの保全には田んぼが必要なのだ。水路だけあっても、メダカは消えてゆく。田んぼをどのように維持するか。農家の方たちが、田んぼを続けられるようにすることが、基本であろう。それを支えて行くのが、市民である。この地域に50ヘクタール田んぼがあるなら、5000人の市民が食べればいい。つまり、2000の家庭で購入すれば、田んぼは維持される。もし、市民の中にその気持ちが無いのなら、メダカは絶滅しても仕方が無いということなのだろう。めだか田んぼは、その気持ちを育てる田んぼになればと思う。

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