TPPの目的
野田政権に成り、TPP加盟に向けて着々と進んでいる。玄葉外務大臣は「アジア太平洋地域の40億人の内需は、日本の内需 だと考え、これからの産業政策、経済連携を進めていきたい。」全くの嘘である。外務大臣ともあろうものが、どこからこんな嘘が付けるのだろう。中国やインドが加盟していない。インドとは2国間協定を進めている。どこのアジアに日本の市場が開けているのか。よくよく眼を見開いて考えてみる必要がある。この嘘は罷免に値する。アメリカとオオストラリアが加盟している。むしろ日本を食糧輸出の市場としてとらええている。アジア各国は日本を出稼ぎ先と考えているようだ。TPPは貿易だけでなく、国の境を取り除こうというものである。そのこと自体は一つの考え方だが、弱い国や地域はどうなって行くのだろう。
「TPPをテコに、海外との輸出競争にも耐えられるぐらいの強い農業を目指すべきだ。」と言うのが産経新聞の主張だ。相変わらずであるが、どうやって放射能に汚染されたイメージの農作物が、輸出競争に耐えられるのだ。そう言えばサンケイは原発推進であった。農業については、プランテーション農業が世界を滅ぼすということがある。プランテーション農業は投資に見合う利益を目的にした農業である。もっともその作物の生産に向いた、コストのかからない地域で行う農業。そのやり方は、土地の力を収奪しながら作物を作る事になりがちである。農地を次々に消耗し砂漠化する。放棄しながら、移動して行くことになる。化学肥料と農薬を大量に使い、使い捨て農業になる。農作物を国際競争に巻き込めば、各国固有に育った永続性のある農業が、競争に敗れ成立しなくなる。それは農業と言うものが、土地や気候や水に支配されているものだからだ。
玄葉大臣はアメリカとの同盟関係の強化と言うことも主張している。しかし、同盟とは名ばかりで、日本の主張など全く無視していることは、沖縄の基地問題でも痛いほど分かったことである。日米関係は、今だ隷属関係である。TPPをアメリカに押し付けられて仕方がなく。と言うのが実情ではないか。アメリカの経済は崩れかかっている。アメリカの肥大化した経済に限界があるのは当然である。そのオバマ大統領のもがきが日本に向かっている。玄葉氏も野田氏もアメリカの脅し対抗する前から屈している。それなら、むしろアメリカとのFTA交渉にしたらまだましではないか。韓国はこの方式にして、うまくいかない。むしろ問題が明確になる。北朝鮮が攻撃した延坪島の事態がまだ収まらぬ渦中に米韓FTA交渉が妥結した。韓国も同盟関係強化で脅されたのだ。
ヨーロッパ経済も危うい。アメリカしかり。日本も大変な事態であるがまだましと言われるほどだ。経済先進国のやり方が限界にきている。各国、国内では解決できないがために、他国を市場としてとらえようとする。それは解決どころか、さらに悪い状態に進むに過ぎない。得をするのが日本かもしれない。しかしそれは、どこかの国を追いこんでのことになるだろう。そうした経済のあり方が、すでに限界なのだ。例えば、北海道は日本の一部であり、一部生乳など障壁はあるが、ほぼ自由に経済交流している。しかし、地域格差は広がる。税金を入れなければ、バランスがとれない。日本と言う国だけでも、地方と都市の格差は広がり始めている。都市間でも東京に集中する。TPPはアメリカの属国になる第一歩である。