第一回東電交渉の結果

   

残念ながら交渉の結果ははかばかしいものではなかった。東京電力からは5名の人間がきた。内、花里氏と半沢氏が名刺をくれたので、名前が今分かる。事前に東電に対し農の会は、賠償請求書を出している。成果はなかった。具体的な回答を一切しないのである。1、東電の出す「賠償金御請求書類」その他ご請求様式と言うもので、各々が書いてもらいたい。2、賠償内容については、第3者機関が判断する。この2点を繰り返し発言したにすぎない。農の会では、すでに賠償請求を出してある。それが不足があるなら、何が不足なのか述べてもらいたい。被害者の望むやり方で賠償請求するのが当たり前のことだ。この点をまず、覆したい。次に事故原因を明確に発言してもらいたい。事故調査委員会の最終報告を待たないと何も発言が出来ない。事故原因と賠償内容は連動している。にもかかわらず、事故原因につて一切説明をしない。事故原因を知りたい一番の思いは、原発は地震国日本で、危険すぎるものではないかと言うことである。もしそうであるなら、原発の廃止が、賠償として行うべきことになる。

この点東電では、意識して切り離そうとしている。賠償を政府が出荷停止を命じた、お茶に絞ろうという姿勢である。しかし、農地を放射能で汚染したのは東電である。これを取り除く義務がある。普通のことである。それが出来ない。農地は大なり小なり放射能で汚染された。これを取り除かない、賠償はしないというのでは、加害を加えていることを認めながら、怪我が小さいから、もっと重症の被害者がたくさんいるのだから、賠償をしないで良いという論理構成をしている。農の会の請求の一番は、賠償も出来ない、汚染の除去も出来ない、これほどの被害者を生む事故を起こす原発の廃止が、賠償の誠意ある対応の第1歩である。と言う主張である。残念ながらこの点に至ると、東電は誠実に答えようとはしなかった。まるで、原発事故を起こしたことを忘れたかののようであった。

現在政府と東電とで打ち合わせながら、行っている賠償の方式は、事故の責任に触れないで、お金で換算できる部分だけに絞ろうと言うねらいのようだ。農の会のように、有機農業を行うものが、土づくりを人生をかけて行ってきたことに対して、戻ることのできない被害を与えたことに対して、何ら理解しようとしない。これはあまりに不誠実ではないか。賠償交渉の前に、除染を行っている農地を見てほしいと、お願いした。回答は個々の賠償請求の出た段階で、確認のために見せていただく場合もあります。ですから、事前に農地を見る必要はありません。こういう態度である。一般の農業者とは、異なる事情を理解してもらうには、我々の有機農業のあり方、販売の仕方を理解してもらわなければ、賠償の内容に入ることすらできない。そんなことはどうでもいいという態度が、加害者としての意識より、補償交渉を頼まれた、弁護士のようであった。

具体的な東電の問題点、1、放射能検査費用は、出荷停止となったお茶以外の農地では、考えていないらしいということ。2、避難した費用については、避難区域以外の場合は、考えていないらしいということ。3、事故原因まして、原発の廃止については、賠償とは関係がないと考えているらしい。4、農の会が態度を改めない限り、今後の交渉は考えさせてもらうらしいということ。明確でない態度なので、すべてがらしいであるが、賠償の話できたにもかかわらず、こちらの賠償請求に対して、何の準備も無かった。自分達の枠組みで進められると考えていたようだ。現在行われている東電の一般的な賠償の仕組みなどをのんきに説明をしていた。具体的に賠償請求をしている農の会に対して、全く頓珍漢な対応であった。全く諦めていない。粘り強く正面を向かせるまで、交渉するつもりである。加害を追求することをやめれば、加害の実態が無かったことになるだけである。

 - Peace Cafe