あしがら農の会・放射能損害賠償請求
あしがら農の会は、1993年設立いらい、「地場・旬・自給」の思想に基づき運営されてきた。暮らしの見直しを目的にした活動である。「地場」とは地域の循環の中に暮らしを織り込んでゆくこと。「旬」とはエネルギーを出来る限り使わない暮らしをおこなうこと。「自給」とは一人ひとりが暮らし全体の自給を目指すことである。
これらの理念に基づいた暮らしの実現のため、生活に農業を取り入れる活動を推進してきた。会は緩やかな関係を基本にして、500人が様々な形で参加をしている。この活動は2006年には「地域に根ざした食育コンクール」でも優良賞に選ばれている。
小田原有機の里づくり協議会に加盟し、土づくりを基本にした永続性ある農業を行ってきた。有機農業を行い、農薬、化学肥料を使わず、収穫より、土を育むことを重視して農業を行っている。次の世代の人々に豊かな農地を残せるよう努力をしてきた。
今回の福島第一原発事故は、その農の会の3つの基本理念を覆す事故となった。中心的に活動してきた、三家族が移住をした。会の活動への参加も、大きく減少した。しかし、我々はここであきらめるわけにはいかない。次の世代のためにも農地から放射能を取り除く努力を、可能な限り行う決意である。
その為に、農の会では以下の請求を行う。
1、東京電力と日本国政府に対する、福島第一原発事故に対する責任の確認と謝罪。
2、農地から放射能を取り除く、努力に対する損害賠償。
3、500ベクレムを現状回復とするのでなく、生産物が販売できるレベルに至るまでの、賠償。
4、土壌や生産物の、放射能を測定する費用の賠償。
5、原因たる原子力発電所の廃止。
6、農の会の基本的考え方である「地場・旬・自給」の保証。
具体的な請求を以下にあげる。
1、放射能測定費用、現在11件。除染されるまでの測定費用。
2、お茶に関する被害
○新茶の代金
○除染作業 3回分
○下川さんのお茶の被害の分
3、大豆の参加者が減少するなど、
活動全般に起きている障害に関するもの
4、宅配に関する損害
○ユタユタさんの避難費用
○宅配の休止及び停止分
5、今後に起きて来る費用。
6、堆肥など有機農業資材の原材料の利用停止
6項目の請求を、東京電力及び日本国政府に対し、行うものである。すべての被害の原因である原子力発電所の存在があること自体、許すことはできない。二度とこのような事故が繰り返されないためにも、原子力発電所の廃止を行うことを要求する。
追記、具体的な賠償額等について、東電と話し合いを持ちたいので、速やかに話し合いの場を小田原において準備していただきたい。
〒250-0055 神奈川県小田原市久野3545 電話0465-32-6733
特定非営利法人「あしがら農の会」 一同
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以上の損害賠償請求を東電に対して9日に出した。13日に神奈川県補償センターの花里氏から、電話で連絡があった。個人の農家賠償は今後分厚い請求書が出来るのでお待ちください。その説明を含めて、連絡をさせてもらうということであった。農の会としては、それは被害を与えたものの態度ではない。被害を受けた側が何故、説明を受けても簡単には準備できないような、大量な書類が必要なのか。受け入れがたいものがある。まず、会って話がしたい。その解答を17日までにお願いした。その解答が昨日あり、10月4か5日にこちらの指定する場所に来てくれることになった。