苗作り
トラクターもそうだが、自給農業だからと言って機械は使わない。ビニールは使わない。すべて江戸時代のようにやる。というような素晴らしいことは考えない。楽農を目指している。トラクターを買った一番の原因は、体力の低下である。畑を耕すのも鍬で何とか出来た。耕すことがそれなりに楽しかった。草刈りも最初は鎌でやっていた。そのうち草刈り機を購入して、今はハンマーモアーもある。少し危うくなってきた。毎年草さが勢いが増す。天候が変わったのかなど思っていた。何とか機械でカバーしようという感じである。30代で開墾をしたときは、つるはしを一日振るっていたことも楽しかった。草刈り機すら持たず、長い鎌で草を刈っていた。もう少し自給生活をしたい。インチキ自給農業ではあるが、少しでも長く続けたい。楽農生活である。9月に入って秋野菜の苗を作った。直播も同時にやるのだが、畑の準備や前作の進み具合もあるので、苗を作る方が楽なのだ。
写真は苗箱から芽が出てきた9月7日の様子である。左から、白菜2、レタス2、菜花2、タマネギ4である。あの豪雨の中このまま外に出したままだった。ようするにそのくらい適当で大丈夫な方法である。苗土は先日も書いたが、以前、稲の苗土をふるった時の残りの荒い方の山土である。小石もいくらか混ざっているが、植える予定の畑の土と元々は同じ場所のものだ。そこに藁落ち葉堆肥を半分くらいに混ぜる。踏み込み温床に使ったものである。踏み込み温床は毎年同じ場所でやり、前のもの上に上に重なっているので、下の方は3年くらい前のものが中心になる。大した量はないので、苗を作る時にだけ大切に使う。畑の堆肥は鶏小屋の床を使う。落ち葉堆肥を混ぜると、水はけが良い。苗が良く出来るとまでは、技術がいい加減なので自信がないが、悪くはない。苗箱に筋を付け、適等に撒く。タマネギは一箱100本の予定で、4箱で400個が一年分。そんなに出来たことはない。
苗箱には筋を付けて筋蒔きである。種をまいたなら、周りの土を寄せるだけだ。特に砂をかけてやるというような面倒なことはしない。水やりは朝晩。雨が降れば濡れるままにしている。今は玄関の脇に置いてあるが、そのうち畑の隅に置き場を作り移動する。松本さんの助言で、根が苗箱から下に出て、その土で成長させるという、なるほどと話を聞いたからだ。苗が少し一杯に一杯になった頃、えひめAIの沈殿したオリを薄めて液肥として与える。販売しているような大きな苗は出来ないが、栄養過多の苗より、小さいがしっかりしているということにしている。以前には直播主義であった。直播の方が楽そうに思えたのだ。蒔いた所でそのままでいいなら言うことがない。繰り返している内に苗の方が楽なことが分かった。草に混ざってよい作物が出来ない。天候によっては全く駄目な時もある。虫にやられる確率も高い。畑の効率が悪い。充分回転させるには、前作が終わり畑の準備が整たら、すぐ苗が用意してある位が良い。
思い出したので、書いておくが、黒マルチは私には駄目だ。ビニールの片づけに苦労する。藁やら枯れ草やらモミガラを作物の間に引きつめる方が良い。ある程度草抑えになるし、乾燥を防ぐ。土壌に腐植を入れて行くことにもなる。腐植を増やすことが何よりである。何かで覆えば土壌が硬くならない。わざわざ緑肥作物を作らなくても、畑を十二分に回転させながら土壌を豊かにしてゆくことになる。苗は苗箱から、そのまま畑に行く。植え替えなどしない。やった方がいいのかもしれにと思いながら、そこまではしない。先日近所の農家の方に、「そんなので出来る訳ないべぇ―」と、びっくりされてしまった。確かに畑を見れば出来ているとは言えないのかもしれない。美味しいから食べてみてくれと、みごとな黒いスイカを持ってきてくれたのだ。草刈りの合間に、少しづつ食べた。確かに美味しかった。