箱根:奥和留沢見晴らしコース
美しい久野里地里山協議会は3年目の活動に入った。今年度の最初の事業として、山につつじを戻す活動を行った。5月21日30数名の人が参加した。加藤市長も一員として参加し、つつじの植樹をおこなった。市長はもともと登山家であるし、農業もやっていたので汗を流して気分も良かっただろう。奥和留沢見晴らしコースは晶文社の「箱根」の地図にも記載された。素晴らしい登山道に成ってきた。何といっても、つつじをたどれる登山道だ。昨年植えた100本のつつじは、96本が見事に活着した。さすがに植木屋さんが仲間に多いからだろう。植える場所の指定。その後の手入れと、心がけが違う。会のつつじの畑には、まだまだあるし、毎回の参加の際の500円の寄付も貯まっている。山が元に戻る日も夢ではない。
将来的には、久野川渓流沿い10メートルには杉檜の植林は止めて、もみじを植えて奥入瀬にしたい。すでにもみじの実生はいくらでも生えているのだから、杉檜を切り払いさえすればすぐ元に戻るだろう。課題は川沿いの土地の所有者の特定である。その上でお願いをしてゆきたい。実は、コースの途中にある植物の久しぶりの復活があった。笹を整理しただけで、戻ったのだ。無くなってしまったらいけないので言えないが、ちょっとした手入れが、いかに重要なことなのかが分かる。「山の仲間たち」のMさんが、大きな選定の両手バサミを持ってきていた。これが実に有効であることが分かった。私などは、のこぎりを持っていってしまい何の役にも立たなかった。実践不足である。ちょっとした手入れである。植え込んだつつじを邪魔している枝を、パチンと切ってやる。たったこれだけで、随分違ってくる。手入れの思想を目の当たりにした。今はつつじを山に戻す活動であるが。本来なら、これも違う。つつじが再生するような、環境を作ってやることだろう。
しかし今のところの活動としては多くの人が目を向けてくれることが重要である。つつじの登山道を取り戻すというのは、里山の活動として悪くはない。来年の春の植樹は、つつじの花をたどりながらにしたいものだ。箱根山麓は杉檜を植林をする前は、ミツバツツジの植生であったようだ。春先山の色が違って見えるほどだったというから、そんな日が来てほしいと夢見ている。小田原市には、職員として林野庁から出向してきている職員がいる。その人も参加者として加わってくれた。10年くらいは久野に住んで、山の事、林業の再生に取り組んでくれるそうだ。またとない良い機会に成る。都会のそばにある林業地域の意味。山仕事を生業とする人はほとんどいなくなり、山は荒れてしまった。農業でも成立が困難になっている。山がどのように管理されるのが良いのか。この難しい問題を共に考えて行ける。
里地里山協議会は、年会費2000円で、現在会員は26名である。久野の人がたくさん入ってくれて、自分達のふるさとの山という気持ちに成ってくれることが一番である。そうして、通りがかりに枝一本かたずけてくれる気持ちだけで、山は良くなってゆく。里地も良くなってゆく。100本の植樹をした。2回目だったから、200本である。春秋に2回続けて行く。盗まれるだろうとみんなで話してはいたが。前向き考えてやってみようと決めたことだ。4本が半年の間に消えている。96%残っているのだから、良しとしなくてはならないだろう。つつじの道として、奥和留沢見晴らしコースが、評判に成る日も遠くない。登山道として利用者が増えることは、何より嬉しいことである。養鶏場に行くとき時々出会う。つい声を掛けたくなってしまう。小田原駅から、諏訪野原フラワーガーデン行きのバスにのる。20分ほどの「和留沢入口」で下車。そこからは久野川沿いに歩けば道標もしっかりあるので、分かりやすい道である。和留沢ののどかな集落も魅力がある。そこから先は久野川の渓流も素晴らしいものに成る。今は絶好の季節である。是非一度は来て下さい。