放射線量の不安
1日8時間を屋外で過ごすとして子どもの行動を仮定した上で、放射線量が年20ミリシーベルトを超えないよう、毎時3.8マイクロシーベルト以上の学校などで屋外活動を1日1時間に制限する通知を文部科学省が19日に出した。この決定に対して、内閣官房参与の小佐古敏荘東京大教授(61)=放射線安全学は、学校の放射線基準を年間1ミリシーベルトにすべきだとして、抗議の辞任をした。一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度(ICRPの勧告)の数値である。どうにもならない政府を今批判した所で、無駄なことだと思い考えないようにしてきたが、この問題は重すぎる。20分の1でなければ、危険だと専門家が言っているのである。学問的見解の相違は当然ある。意見が異なる場合、子供に関することはより安全を期する方がいい。万が一にも後悔のないようにすべきだ。子どもに「年20ミリシーベルト」撤回を求めるオンライン署名募集
この一ミリシーベルトとという値が、どういうものかをもう少し考えてみる。この場合、すぐ比較として出されるのが、X線検査とか、MRI検査。あるいは飛行機に乗った場合。多分そうしたことと比較してもあまり意味が無い。問題は日常的な被ばく線量の問題である。もう一つは、成長期の子供と大人とでは影響がかなり違うだろうということ。2.4ミリシーベルト 一年間に自然環境から人が受ける放射線の世界平均の数値。 一般の人はこれに人為的な放射線量を加えて、年間3,4ミリシーベルトまでいいと考えればいいのだろうか。地域ごとに放射線量はそもそも異なる。日本平均の自然被ばく量は1,5ミリシーベルト。世界の中では低い。関東の方が関西より低い。これは花崗岩とローム層の違いらしい。石の上で暮らしているより土の上の方が少ないらしい。そして、小田原について言えば、低い地域である。今回の福島原発事故以来、放射線量にどういう変化が起きているかだろう。
今後の問題は、測定をする組織によってばらつきがある。不安を大きくしている主因は、政府の出す数値が信頼できないというところにある。日頃の信頼性の不足。私は、文部省の原子力艦環境放射線モニターを継続してみている。この数値がどういう意味かは分からないが、水と大気の放射線量の上がり下がりが分かる。一時高くて、今はほぼ通常値に成っているということである。通常値と事故後の増加の差が、原発事故の影響だろう。これを見ると、原発からの距離が大きく影響している。その意味で今後の土壌の汚染地図の作成は極めて重要になるだろう。この調査は客観性のある、国際的第3者機関に任せるべきだろう。農産物の測定が広く行われているが、神奈川県でも一時測定されたが、その後は不検出が大半となっている。政府が信頼できない状況では、素人の測定値が信頼性はさらに不確かなまま独り歩きする。
さらにいえば、核実験が盛んに行われた、私の子供時代は、日本に置いて、現在の1000倍の少なくとも100倍の放射線量が存在していたといわれている。これが日本人に影響していることは間違いが無い。しかし、リスクというものは、大気汚染もあれば水質汚染、農薬や化学物質の問題もある。私の成長期は公害列島のど真ん中である。しかし、総合的に見れば、日本人の寿命は延びてきているし、世界屈指の長寿国である。ここ十数年は自殺者が極めて多く。これも一種の社会的精神汚染だろう。良く分からないのが、1ミリシーベルトに基準をした場合。自然放射線量はどう見るのだろう。すでに平均で、1,5ミリシーベルトあるとして、2,5ミリシーベルトまでという意味だろうか。いずれ命に関することは政府に任せられないということである。問題が起きた場合想定外ということに成るに違いない。