田んぼの草
田んぼの草で10年ほど前、とても苦労したことがある。コナギが密生してしまった。抜いても抜いても生えてきて、2反の田んぼの草が取りきれなかった。なんとかとれたかと思うと、初めのほうに抜いたところにすでに生えている。それは大変なことになったが、なんとか抜き切った。それから草を出さないということに、専念してきた。除草剤を使ってはならないということも一切思わなくなった。草さえ生えないなら、お米の収量が少なくても良い、とまで思うようになった。米ぬか除草を熱心にやって、ほぼコツをつかんできたころに、また草が戻り始めた。これではいけないと、ソバカス抑草に移行した。移行して4回目の今年、草が一部に出てしまった。田植え後、2泊3日家を空けたことがいけなかった。その結果、初期1週間は、表面をソバカスで覆い続ける事が、大切だということが分かった。物理的遮光で発芽を抑制する。
その後トロトロ層が形成されて、草が抑えられる。少しづつ、草取りをしながら、3枚の田んぼの草の状態を観察しながら、整理した考えだ。単純なことである。もう一つ大切なことに気付いた。草のでない田んぼは、良い土壌状態の田んぼではないということ。普通に良い土壌には、草が生えて当たり前である。草を恐れるあまり、良い田んぼの土壌を考えることから離れていた。それくらい草が怖かったからだ。それが、1反草がそこそこあったのだが、抜くことにそれほど、つらくなかった。年をとったのだろう。草取りは年寄り仕事である。早朝、少しづつ草取りをするのは、悪くはない。この田んぼに、稲にいくらか役に立っている気分が、なんとなくいい。来年は、良い田んぼの土壌を目指してみたい。稲のために良い土壌である。こう思うようになったのは、自農センターの田んぼを見てのことだ。減水深20ミリの田んぼ。
本当に減水深20センチの透水性のない田んぼがいい田んぼ土壌であるのだろうか。この点の疑問がある。水の縦浸透がない田んぼは、水の腐敗が進む。土壌の沼化、還元化。しかし、これがいいと言うらしい。ここは研究の余地がある。今のところ、200ミリを超える減水深があるのだから、そんなことを言ってはいられない。いかに縦浸透を抑えるか。代かきを丁寧にした方がいいのか。これも研究の余地がある。この点では、新長塚田んぼが代かきを耕運機から、トラックタ―に代えて、どうだったのだろう。秋起こしからの問題である。当然緑肥の問題もある。菜種のほうが、良いという話が自農の石綿さんは少し云われていた。特殊な性格があるらしい。マメ科の窒素固定は、もういいのかもしれない。いつすきこむのか。どのような状態がいいのか。研究課題である。
上の田んぼでは、藻がすごい。この藻のおかげで草はだいぶ抑えられた。しかし稲の生育は入水口の低温もあって、良くない。今日から干しを一番上だけする。干して、藻を一度枯らして、土に張り付ける必要がある。来年は上の田んぼを苗床にする予定なので、この点も考えなければいけない。いずれ田んぼの高低差が大きいから、秋起こしをして、修正をすること。稲の状態は、悪くはない。特別いいというわけでもない、例年通りと言うあたりか。苗が例年より小さかったということもあるから、良く追いついてくれたという気持ちがある。来年は苗をすんなり作るために、トンネルをやる。少し手間はかかるが後の状態をみると、その方がぐんと生育がいい。まだ大きい苗と小さい苗で、植えた場所が田植えの4列づつでわかるほどだ。良い苗で田植えするのは重要なことだ。
昨日の自給作業:田の草取り4時間 累計時間:22時間