稲の育苗

   

昨日舟原田んぼの苗代で「育苗研究会」が開催された。各田んぼからそうぜい20人が集まり、今年の生育について、話し合った。苗は遅れている、田植えを一週遅らせる必要があるかも知れない。というような所が総論だった。寒さがともかく響いた。4月半ばの雪が降る寒さ、と日照不足。この前の10日前後の播種と、17日以降で大きく生育に変化が起きていた。

育苗研究会 5月16日 舟原苗床1反  (参加者20名)
全体に寒さの影響を受けている。特に、キヌヒカリ、アキニシキ、ヒカリ新世紀は寒さの影響が顕著であった。一方、サトジマン、満月糯は影響が少ない。それでも、サトジマンでもパオパオ被服では低温障害が現れていた。ラブシートの方が保温性が高い。但し、いつまでも剥がせなかった、ラブシートの影響で、株の生育が弱々しい。がっしり苗になっていない。寒さの影響を受けた、ヒカリ新世紀も黄ばんではいるが、がっしりはしている。色が上がってきているので、このあと回復の兆しはある。アキニシキはもろに影響がでており、この後の生育が心配な状況であった。一番生育が良かったのは、欠ノ上田んぼのサトジマンの10日播種であった。いくつか原因が考えられた。今後の参考に成ると思われるので、欠ノ上の苗について、考えられる所を上げておくと。

1、サトジマンが品種性能として、寒さに強い点。
2、種籾が非常に充実していた点、一回り大きい粒張り、反収10,5俵の田んぼ。
3、3月22日月齢6.3からの籾洗いの期間が長い。
4、播種前冷蔵庫に入れた。
5、鳩胸状態の状態がよかった。
6、苗土には一切何も混ぜなかった。覆土にクンタンを混ぜる。
7、ラブシートの適切な期間の被覆を行う。
8、苗床との接着が良かった。
9、日が差すと水口方面の畝より二度、水の温かい環境であった。
10、4月11日満月前蒔きであった。4月25日新月前も良かった。何故か。
11、籾洗いの際海水に漬けた海水選。これは善悪不明。
12、一番東で日照が長い。
13、田んぼでのセルトレーの苗代密着状態が良かった。

その他の気付いた点。
1、ラブシートべた掛けの場合。セルトレーが水位に対して、深いとべっとりと密着し窒息状態になり、発芽が出来ない。
2、ラブシートを一月掛けておくのは限界。がっしり苗にならない。
3、ラブシートは浮かすことなくべた掛けでも問題はない。緩みを上手く作る。
4、発酵床のばら撒きムラ状態が苗に反映している。
5、苗代の代かきは少し早く行い。水を少しづつ入れておき、土とトレーが設置しやすいようにする。
6、苗代田んぼは秋起こしはしない。

今の苗の状態が、秋の収穫にどう影響するのか。興味深い事だ。複雑な要素が関係しているので、なかなか見えにくいことだが、繰り返して観察をすることで分かる事もあるはずである。欠ノ上は岩越さんの観察力が卓抜なので、いい苗が出来る。ひとつの事実であるが、欠ノ上田んぼが今年条件がいいとはいえない。この悪条件の中で、どのような稲作を行うか。とても興味深い。品種の特性として、今の所サトジマンが生育の状態から、有機栽培の稲作にとても適合した品種に見える。筑波で作出され、神奈川が普及の中心にある品種なので、神奈川の水に合う。土に合う。奨励品種である安心は、苗が何か事故があった時に融通性がある。

昨日の自給作業:大豆溝堀と田んぼの畦の草刈4時間 累計時時間:26時間

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