日本国憲法の事

   

憲法改定国民投票法の施行が迫る中、今年も憲法記念日を迎えた。憲法を改定するための仕組みがあることは当然の事である。日本国憲法の非武装平和主義は、変えることができる環境のなか、常に選択されて居るものとして、その価値を高める。憲法といえども、人間があっての事である。憲法の精神が、人の暮らしの中に存在してこそ、憲法の輝きが増すものである。18日からは、アメリカから押し付けられた憲法とかいう物でなくなる。今生きている日本人が、良しとして選んで居る憲法と言う事になる。朝日新聞の調査では、憲法9条を「変えない方がよい」は67%で、「変える方がよい」の24%を大きく上回った。「これからの日本の平和や東アジアの安定」に9条が「役立つ」と考える人は70%になっている。このことは、平和憲法を作り上げる環境があるといえる。

日本にはアジア諸国の一員として、平和のための位置を固める大切な役割がある。脱アメリカが最も重要な鍵である。日米軍事同盟の意味を、もう一度見直す必要がある。日本の安全の為にアメリカの武力があったのではなかった。普天間基地移設問題を見ても、アメリカは日本の安全を守ると言う事より、アジアからのアメリカへの武力攻撃に対して、どのような基地体制が必要であるかだけを見ている。沖縄からの移転を頑なに認めない根拠は、沖縄をアメリカ防衛の前線基地として、見ていることにほかならない。しかし、軍事バランスは、中国の軍事力と国力の増大。北朝鮮の核武装。状況が変化してきている。そうした背景の中、アメリカとのみ同盟を結んだ状況が、必ずしも安全の役に立つとは言えなくなってきているように見える。武力による安全確保が出来なくなってきている。

今こそ、平和のための努力を、日本がしてゆかなければならない。それは不断の努力をするよう、憲法に定められた事である。世界の紛争は消えることなく、続いている。繰り返し武力衝突が起きている。日本の平和的手段が問われている。日本に何が出来るのか。日本は平和のための努力をして来たとは言えない。やりもしないうちから、何も出来ないと考えてきた節がある。自衛隊を緊急援助隊にすること。大規模災害に対し、積極的な活動を行う。そのための最新鋭の装備と、訓練を積んだ隊員を養成する。医療部隊を編成し、世界で繰り返し流行する、新型ウイルス等医療災害に対応する。そうした、平和構築のため、国を挙げて努力する。防衛費を全て投入すれば、かなりの事が出来るはずである。自衛隊員にしても、人を殺す訓練より、人を救う訓練を行うほうが、どれだけ幸せであることか。

飢餓、食糧不足が、平和を蝕んでゆく。もう一つの安全保障は、食料の確保である。世界の食糧は不足する時代に入る。食糧生産技術の開発。世界の農地の減少への対応。環境汚染。砂漠化。温暖化。農業は先を予測して、対応しなければならない。食糧不足になってから、対応を始めるという訳には行かない。少なくとも、10年先は見ておかなければならない。日本の食糧は10年後に40%の自給を維持しているだろうか。今の民主党の農業方針であれば、40%の維持さえ出来ていないと見た方がいい。民主党の政策は、子供手当て、高校無償化、高速道路無料化、農家戸別保証。どれを見ても、財政支出が爆発する。遠からず破綻せざるえない政策である。農家を新しくやりたいという人が、職業として選択できる環境を作らなければならない。今ある農家を守るのでは、食料の確保は難しいだろう。

 - Peace Cafe