生ごみ堆肥化の藤原先生の講義
4月3日小田原有機の里作り協議会の主催で、堆肥作りの講義があった。前回に引き続き、藤原俊六朗先生の講義である。今回は生ごみの堆肥化についての、1時間30分の講義であった。生ごみ堆肥の全体像がだいぶ明確に成ってきた。「生ごみの堆肥化が家庭での生ごみ処理の究極の方法である。」3年前、相原海さんの話を聞いた。それ以来思うところがあってこの方法に取り組んできた。やればやるほど、究極の方法であるという意見の正しさが解ってきた。一方で、それほど優れた方法であるのに、続けられる人が少ない。2割ぐらいの人しか続かない。やっていると言うのでよく聞いてみると、最近はやっていないと言う場合が多い。原因はいくつかある。1、基材の入れ替えが面倒2、虫が発生した。3、うまく発酵が進まない。この3つが止める機会になる。藤原先生の講義から、この対策として、いくつかの事が見えてきた。
家庭での生ごみ堆肥化は多様であるほうが良い。ともかく続けられる方法なら、どんな方法でもいい。多様に考えた方が継続の可能性が高い。生ごみを入れる基材も自分にあったものに変えてゆけばいい。庭に置く、木枠法にするか、ダンボールコンポストにするかが、二つの分かれ道である。EM法や電気乾燥法は、ごみ処理法の一つではあるが、堆肥化ではない。どこかであらためて堆肥にしなければならない。自分で全ての処理ができるという、完結型がとても大切である。庭があるなら、木枠法が優れている。庭が無いなら、ダンボールコンポストである。突き詰めるとこの2つになる。虫が嫌う性質がピートモスにはある。どうしても虫が嫌だという人は、方法としては「コバエコナーズ」(ピレスロイド系殺虫剤)のようなものを使うのも一つの方法かとおもう。ベランダで使うなら、問題は少ない。
ダンボールコンポスト基材は25リットルぐらいで、100キロまで消化できる。100キロの消化で発酵力が落ちるのは、やはりミネラルの蓄積が原因。ミネラル分、塩分が増加して、微生物の活動が弱ってゆく。基材である木屑等の繊維質が分解してしまい、空洞がなくなり酸素がいきわたらなくなる。消えてゆく生ごみが何になるかと言えば、CO2と水。100キロの生ごみが消滅型堆肥となった結果は、炭素40.1% 窒素4.15% C/N比9.7 燐酸7.50% カリ6,08% 石灰3.60% クド2.03%(乾物分析値)発酵がうまくできなくて止める。むしろこの場合は大切な暮らしの学習になる。これを克服する事で、循環してゆく暮らしの学習になる。ダンボールで出来た堆肥は量は増えてはいないが、優秀な肥料になっている。自分の生活から出た生ごみが、素晴しい堆肥、肥料とになって、野菜を育てることに繋がってゆく。
藤原先生の話を聞いていて、一つ思いついたことがあった。素焼き容器の生ごみ処理機である。ダンボールは永続性がない所で、中断しやすい。素焼き容器なら、水分調整を助ける、通気性が優れている。保温性も良い。においの吸着も出来るかもしれない。しっかりした素焼き鉢なら、災害時のトイレになる。さらに、美しい素焼き鉢なら部屋に置くインテリアとしても可能性がある。この点では、カヨ子さんに作ってもらえばいい。猫型生ごみ処理機の、ニャントナル。と言うようなものはどうだろう。瓦の様な素材なら使える。早速素焼き鉢を探そう。実験していいようなら、次の泥窯焼きの課題は「生ごみ処理容器」作りはどうだろうか。座って割れないレベルの強度がいる。
生ごみの堆肥化は、自分達の暮す町の姿勢である。実に難しい課題である。そして意味のある課題である。