ラリック美術館
冬の箱根に出かけた。ラリック美術館で「箱根地産Cafe 」の話を、有機の里協議会として聞かせてもらいに行った。ラリック美術館の田部さんという方から、とても丁寧に説明していただいた。ラリックという人がどのような人なのか、予備知識もなかった。ガラスの作家でフランス人らしいとぐらいの想像だった。アールヌーボーのガラスと言うと、どうしてもエミールガレという程度の知識しかない。ナンシーに住んでいたことがあるので、ナンシー派のドーモ兄弟。そのショールームが街の中心の広場に面してあった。、高島北海という人が、1885年にナンシーに留学していて、その人とナンシー派エミールガレとの交流というような話は、ナンシーでも良く聞いていた。そのことを学問的に調べにきていた、日本人もいた。暗いあまり綺麗とはいえないナンシー派美術館もあったが、その頃一応見ただけで、どうとも思えなかった。
ラリック美術館には、アクセサリーのようなものも沢山展示されていて、それはとても美しい工芸品だった。アクセサリーも、調度品もそうなのだが、フランス人のようなアクの強い感じなら、こなせるのだろうが、日本人の美意識とはかなり違う。ちょっとあの髪飾りを付けられる日本人は居ない。ジャポニスムとか言われても、何を日本の美から学んだのだろうかと思う。「何も無い美と埋め尽くす美。」これが幸福の誤解に基づいて、交感が起こる。トンボが日本の美の象徴として扱われた。などと聞くと、異端の若冲のトンボかななどと思う。もし、今の時代のように充分に情報がある時代の方が、良いとばかりはいえない。などなど、本来の今日の目的は別にして、成り行きでかなり熱心にラリック美術館を見せていただくことになった。
そして、レストランのフランス料理。とても美味しい物である。堪能した。しかし、10年ぶりくらいのレストランのフランス料理である。バターとか、ソースとか、ポタージュとか、ビックリのれんぞくで、感想も書けるレベルにない。地場の野菜を使ってと言う事で。白菜のポタージュはまったく白菜とは思えなかった。箱根の地場が、三嶋方面であり、静岡の野菜を使うお店や旅館が多いらしい。大きな資本の所、あるいは老舗。こう言う所は既に、仕入れの流れが確立していて、新しい流通を簡単に受け入れると言う事には、ならない。そういう背景を元に、箱根地場産カフェプロジェクトが始まっている。これには、県の方でも協力しているそうで、熱海、湯河原、小田原の梅を見る「梅の郷めぐりモニターツアー」というスタンプラリーとかやるらしい。
美術館では箱根の箱根細工とのコラボレーション展。旅館に泊まり美術館を巡る、ツアー企画など。様々やられてきたようだ。有機の里協議会で、何が取り組めるかはまだまだ、模索という所だったが、お互いの目的は違う訳ではないので、どこかに両者が接点を見つけるつもりなら、きっと道は開けるのだと思う。