JAL再建

   

何がなにやら、ナンとやら、でまったく内容はわからない。「分からないから黙っている。」が良くなかったのだと思う。結局JALという企業の尻拭いが、税金でなされる。自民党に任せておけば、日本の優秀な官僚なら、大きな間違いはないだろう。こう思っていたと思う。大半の人間がそう思っていたから、自民党の長期政権が続いたのだと思う。ところが、気がついたときには、国家財政が倒産寸前まで来ていた。それでも、自民党の最後の3首相、安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生太郎氏は財政再建とか言いながら、適切な手立てを打てなかった。結局、長年の腐れ縁が切れないのだろうと、国民には見えた。日本で選挙で政権が変わるなど想像すらできなかった。それほどの長期政権に対する革命が起きた。革命政府の方も、どうも怪しげになってきたが、それは置いておいて。

日本航空の事である。JALの経営がおかしいというのは、最近の事ではない。すごい給与を貰っているのに、さらにストライキをしている。スチワーデスは飛行機に乗るごとに、ストッキングを要求している。とか言われていた。退職者の年金額が減額されても、まだ全日空より高い程だという。会社が倒産しそうだというので、再建計画が何度も出されたが、それで再建できるなど、銀行も認めないし、政府も認めない。自主再建できるぐらいなら、3,4年前に手が打てたはずだ。今のままではまずいというのは、かなりの部分で認識されていたらしい。中期再建計画が2006年に出されていて、突然、38%の株式増資が行われたという。所が再建の手が打てない。長年続く、労使関係の悪さ。リストラが出来ない。社内が派閥化して団結できない。要するに、文字通り、親方ヒノマルを立てた、元国営企業の体質の問題。

絶対に潰れない、潰さない。という甘えの構造の元に存在する元国営の民間企業。今までのダイエーやカネボウの再生とは違う。民営化された郵政が倒産した場合と同じなのだ。企業再生支援機構が更生法適用申請で支援を決定する。不採算路線の閉鎖。社員1万5700人の削減。こう言う事が既に言われている。根本は地方空港の建設と繋がる。必要でもない飛行場建設が全国に、地方の要望に従い、公共事業として行われてきた。ダムや道路と同じ流れである。国が管理する全国26空港について、税金投入を除いた営業損益では約8割の22空港が赤字に陥っている。日本の空港は98ある。茨城空港が出来て、99となる。2008年の国内線の旅客数は2.8%減の9289万人、国際線は7.5%減の1643万人だった。客数は減少しているのに、飛行場はさらに出来て行く。空港のの運営費も税金である。高速道路の無料化が鉄道の赤字を招く。飛行機も同じことである。この国の行く先に、責任を持たない政府が、公共事業を失業対策として、地方の仕事の創出として、垂れ流してきた結果である。

作ってしまったが使わなくなる空港の閉鎖まで伴う覚悟が居る。一時間で東京に出れる場所、茨城や静岡に空港を要求する意識。もちろん、あればそれなりに便利であろう。しかし、その運営費用は税金による負担だ。国の行く先を間違ってしまった。JALは倒産した。銀行の3債権放棄は当たり前である。1000億円の国民負担を覚悟しなければならないらしい。前原誠司・国土交通大臣が9月に再建の切り札として送り込んだ直轄顧問団「JAL再生タスクフォース」というのがあった。所がこれは既に役不足で終わった。今度は企業再生支援機構というものが、5年の時限立法で出来て、稲盛和夫・京セラ名誉会長(77)が再建役を引き受けるらしい。77歳の方がやらなくてはならないようでは、明らかに人材不足だ。日産ではないが、外国人社長をお願いした方がいいのではないか。

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