田んぼの海水撒き

   

毎年、田んぼに海水を撒いてきた。坊所でも撒いていた、舟原に移動して3回目だから、併せて5回目の事になる。海水を使い始めたのは、養鶏の餌の発酵だ。米糠を発酵させる際に加える100リットル程度の水に、20リットル程度海水を足した。餌の総量は700キロぐらいだ。海水を加えると発酵の調子が上がった。発熱するタイミングが早まるようだった。失敗も減った。5年ほど餌の方でやっていて、田んぼにも撒いたらどうかと思うようになった。それはカナダの話で、鳥が海と川の上流とを行き来しながら、糞としてミネラル分を運ぶと言う話だった。何故海の塩分は一定なのであろうか。ドンドン流れ込み濃くなってゆかないのだろうか。どうやって、山の方にミネラルを戻すのだろう。そんなことを想像してみた。土壌にミネラル分が必要なら、だんだんに不足してゆくのではないか。肥料として入れるぐらいなら、海水を入れる。

そこで、2反の田んぼに海水を500リットル撒くことにした、一㎡あたり0.25リットル。塩の量で7.5グラム。小さじ1杯半。入れたかどうか分からない程度の事だ。鳥の糞でいいなら、この程度でも何らかの影響はあるはず。などと思いながら、海水を撒きはじめた。今は、2.5反で500リットルだから、さらに減っている。こんなおまじないのような事は、プロの農家の方は馬鹿馬鹿しくてやれないだろう。そう言う事こそ、農の会のような存在が試みる価値が在ると考える。その後、海水利用の話は現代農業でも結構見るし、江戸時代の農業では、あれこれやられていたことがわかった。おとといは海水を撒いていると、田んぼの傍の方が、昔、畑に撒いていたと言われていた。海水が悪いものではないという事は、むかしから分かっていたことだったのだ。化学肥料で農業が行われるようになって、そう言う事は様々廃れてしまったのだろう。

舟原の田んぼも3年目になり、いよいよ、正念場である。新しい田んぼで始めると、5年目までは下り坂が多いい。その後徐々に回復してゆく。土壌が自分のやり方に馴染んでくる。その田んぼの水の具合や、土壌の特徴を把握できると言うのもある。田んぼには問題箇所が必ずあるものだ。トラックターが落ち込む箇所とか、毎年水漏れが起きる箇所。どんなごみが流れてきて、入水口を詰まらせるか。田んぼによって様々なことだ。舟原田んぼは平年作7俵という田んぼのようだ。水が冷たく、今も15度だが、今後も15度で続く。これを1度でも上げることが、他のどんな改善より効果的だと思う。上部の入水口辺りに、水温を上げる池部分を作る必要がある。長い目で見れば、土壌を改善して縦浸透を減らしてゆく、つまり粘土分を増やしてゆく努力も必要である。代かきは丁寧にやる。深くならず丁寧には難しい。

今日はクリムソンクローバーの種取り。少し採り遅れて落ち始めているが、まだ間にあうだろう。頑張って採って置けば、種代が助かる。海水を撒きながら、よく見ると、セリが出てきている。下の田んぼはどうも去年からセリが出始めた。冬の間にこれが広がる。クローバの種取りをしながら、セリとりもしておいて方が良い。今出来る限りとって置けば、代を掻いてからよりは増しである。畦の草刈もしなければならない。近所の方は草ボウボウに不愉快な思いをされているだろう。直接迷惑になる、隣接地は無いと思うが、見ただけで不愉快な気分であろう。どうしても、草刈作業は遅れる。早く終われば、粗起こしに入りたいのだが、今日はそこまでは無理かもしれない。今まではお手伝いの田んぼであったが、今度はいよいよ、本番の田んぼである。

一昨日の自給作業:2時間海水撒き 畑のちょっとした作業2時間 累計時間:4時間

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