小田原有機農業モデルタウン

   

小田原が有機農業モデルタウンに選定された。何とかなった。間にあった、一安心である。責任の重大さもずんと来る。思えば山北に越してきて20数年、ここに向けて進んできたようなものだった。何としても、やれるだけの事をここでやって見たい。今までやってきたことを、継続すると言う事だと思う。モデルタウンの事業計画にも、何か新しいことを書いた訳ではない。4つの団体が、それぞれに行ってきた事業をどんな連携で行うか。このつながり具合を、有効に進めるのが農の会の役割。さらに一人でやられているかなりの数の人を、一人でやってゆく思想を大切にしながら、ゆるい連携をとること。新しく農業を始めようという人を、受け入れる体制ができる。都市型の有機農業の形が模索されることになる。小田原の景観を生かした形の農業の展開。農協との関係の模索。

有機農業と言う看板を立てながらも、あくまで目的は小田原の農業の活性化である。有機と言う材料が利用できるなら、大いに利用しよう。片浦では、有機のレモン栽培もすでに行われている。一般のレモン栽培では、販路が拡大産地形成は難しい。と言って今までのやり方を簡単には、否定できない。栽培方法にも大きな不安がある。全体で有機と言ってしまえば、みんなの力を集結することはできない。これがJAS法のまずい所。全ては徐々に移行する。新しいことに、取り組むことも大変億劫なことである。そうした中で、有機農業と言う材料がどこまで利用できるかだろう。こうでなければならない、と言う思い込みのようなものは、捨てたほうが良い。目的は全体が変わってゆく道筋の模索である。農業を続けてもらえると言う事が、既に貴いことだ。この時代の状況の中で、農業を継続されている方は、思いの深い、相当の方々である。こうした方々に有機の看板が役立てばいい。

具体的には農協の方々に、見方とまでは言えないが、敵でないことは知ってもらいたい。農協と共に活動を展開しないでは成果が少ない。出来れば農協の活動の中でも利用してもらえれば一番いい。それには、県の技術センターとの協力関係の構築。建前として、有機農業は出来ない、栽培はともかく経営は出来ない、こうした確信の下に、営農指導がなされてきた。それでは慣行農法なら、営農できるのかと言えば、いまや困難は農法がどうあれ、変わらない所にきているだろう。神奈川県は、大規模化が不可能な地域である。農地の集積はしたくても出来ない。国の方針からすれば、国際競争力のある、高品質農産物が唯一の可能性である。営農できる可能性がある所を探るべきだ。有機農産物が、その一つの方法であることは、疑いがない。

稲作苗を技術センターの具体的課題にしてもらいたい。箱苗が有機になれば、あとはほぼ農薬を使わなくても、稲作は可能になっている。草対策もほぼ完成している。箱苗技術はMOA関係では、既に完成しているそうだ。これを技術センターで実証実験をしてもらいたい。少なくとも、これで行う農家を、事例として検証してもらいたい。今からでも時期的には遅くない。是非協同調査をしてもらいたい。農協で有機苗が購入できるようになれば、大きな前進である。そのためにも、この地域で行われている、有機稲作の実態調査のため、今年はそこまで行かないでも農業技術センターのかたに見に来てもらいたい。見ていただけば、専門家なのだから、大体の事は判るはずだ。モデルタウン事業が、壁を取り払うきっかけになればと思う。先ずは一歩。

昨日の自給作業:堆肥振り、タマネギ草取り、2時間。 累計時間:4時間

 - あしがら農の会