大釜が来た。

   

大豆の会では7つの鉄釜を使って、味噌作りをを行っている。今までで一番大きな釜が90センチのもの。全体で150キロぐらいの大豆を煮るので、7つあってギリギリと言う状態だった。一度、250キロも煮ることができるという、巨大釜を借りてやったことがあったが。これは移動も何も出来ない訳だから、いつも借りると言う事は出来ない。50家族が集まってとなると、様々な配慮も必要となる。公共の施設を借りて以前は行ったのだが、汚すと言うので使えなくなった。庭の芝生にワラが落ちていたというので呼び出された。その程度で、問題が起きるような使いにくい場所では活動が出来ない。今は小宮さんのブルーベリー園を使わせてもらえるので、本当にありがたい。何十台もの駐車が可能な場所で、火が炊ける所は少ない。今は農の会の毎月の定例会も、ここに固定されている。

味噌の会は人気があり、参加希望者は少しづつ増加している。中心に進めている中原さんの、配慮が行き届いていて、他の人がやれば混乱してしまうような複雑な仕組みを、実に悠々とこなしてくれている。とても奥行きがでていて、ただの味噌作りではない。最初の頃は大豆は購入していた。麹も購入していた。それを徐々に地場旬自給の方向にまとめ上げた。塩以外は全ての材料が自給。活動も納豆から、醤油と広がってきた。加えて、活動そのものの、拡散も起きている。つまり、違う所で分科会のような形での活動もある。大豆の畑も今年は山北田んぼのメンバーで始まりそうだ。ベテランぞろいの山北でやってくれれば、生産効率も上がることだろう。農の会の活動は、楽に広がる、応用可能な仕組みで出来ている。基本のやり方さえ学んでもらえば、地域に応じて同じことはどこでも誰でも出来る仕組みになっている。

そこで、大釜である。軽トラで移動できる大きさ。何とか人力で移動可能なもの。しかも、大きいほどいいという事に成る。栢山の駅のそばに、なんとも不思議な骨董品店がある。お店だか、物置だかわからないような、雑然とした場所だが、そこに鉄釜があると言う事で、お願いに行った。そうしたら、山梨の倉庫に巨大釜があると言う。倉庫じゃなくて、山梨の農家の納屋かなとは思ったが。今度行ったら、計ってくるといわれていた。突然電話があって、90センチだと言う。拍子抜けした。何故、そんな小さいのか。まさか軽トラに載らない筈がない。ともかくもう一個欲しいと言う事だから、それでもいい。と言う事でお願いした。昨日の朝取りに行くと、何がどう化けたのか、ぶんぶく茶釜で、120センチになっていた。ちょうど良いじゃないか。2俵炊きだそうだ。120キロいければ、すごい。何とか養鶏場の机の上に、ずり降ろした。2人でコロを使えば移動可能。

自給は一人より二人、二人より三人と楽になって行く。これが実感できる仕組みにする。誰かに負担がかかりすぎないようにする。去年は、循環農園さん、そらやさん、ポチ農園さん、と生産量の足りなかった分、大豆を助けてくれた。専業的にやられて居る人の援助も不可欠である。機械を使った作業では、なんくる農園さんが毎年協力してくれている。去年は循環さんが大きな畝立て機で活躍してくれた。無数のお陰様でなりたっているのだが、それはそれとして、味噌作りだけに参加してくれた一人も、有難い嬉しい仲間になっている。誰一人この事で利益を上げる人がいない仕組みがいいのだと思う。全てが無償の行為で出来上がっている。だからお客さんは居ない。この点で、初めて参加する人は戸惑うようだが、実感してもらうと、こうした自主的な活動の心地よさを感ずる人が残ってゆくのだろう。実に良い空気が流れている。

 - あしがら農の会