財務省予算原案

   

税収が大幅に落ち込む。にもかかわらず、予算規模は88兆5480億円と当初予算ベースで大きく膨らんだ。当然、国債発行額という借金額が、33兆円を超えた。財政健全化路線は終わった。100年に一度の経済危機なのだから、経済が回復するまでの緊急処置と言う事らしい。3年後に景気回復が出来たらば、消費税を10%にする。3年後と言うのもよくわからない。それまでは借金を増やす。と言う判断だろう。もう返せないほどの借金があるのに、さらに借金をして、悪いお金を借りていないのか心配になる。3年後に景気が回復するというのは、あまりに甘すぎる。景気云々どころか、その時世界の経済状況は新しい局面を迎えているはずだ。資本主義経済というものが変貌している。アメリカ主導のグローバリズムは形を失う。きっと3年後のオバマ大統領の評判はわるいだろう。下手をすると新しい戦争を始めているかもしれない。

アメリカは大企業へ返済の保障のない税金による融資を始めた。これは資本主義の崩壊の第二歩に成る。当然ヨーロッパの企業も、日本も同じような手法がとられるだろう。国家資本主義とでも呼ばれる状況が生れる。これはグローバリズムと逆行する動きが表面化する。今までは、グローバリズムだからと言う理由付けで、アメリカの有利を主張してきた。すり替えが行われてきた。所が、アメリカが平等の競争に敗れそうになった以上。一国資本主義が許されることになる。これは中国等後発急成長の国が取っているやり方と同じだ。経済状況が並んだら、特別枠をはずすと言うのが今までのやり方だ。所が、アメリカがなりふり構わず、特別枠に入り込んだ。これを各国が批判しないのは、自分も遠からず同じことをやるだろうと考えているからだ。財務省予算案は楽観に過ぎる。米100俵を忘れたか。今のような緊急事態でこそ、主張されなければ意味がない。

今財政的には、地方の方がさらに苦境に立つ。税制の落ち込みが激しい上に、直接的に住民の生活を支えている予算の立てようがない。一例で言えば、医療体制の維持が出来ない。公立病院はどこの地域でも不可能になる。先ず病院を減らして、一病院の診療担当範囲を広げて、効率化する以外道はなくなっている。小田原で言えば、足柄地域に県立病院と、市立病院の二つは成立しない。いや必要だが、減らすほか道はなくなる。東海大学病院との連携を高める必要が生じる。もちろん開業医と総合病院のネットワークの整備も必要になる。さらに言えば、東京の病院とも、どう連携が出来るのか。生活レベルを下げる痛みは相当な物になるだろうが、全ての分野で同じことが起こらざる得ない。そして、予防医療を徹底する。病気則病院と言う発想をやめる。病院にからざるえない人を減少させる以外に道はない。

消費税は早急に上げる。3年後では遅い。誰だってたまらないが他に道はない。自分だけいい子になろうなど公明党の態度は情けない。消費税を上げると言う事は自給の暮らしを奨励すると言う事。ある意味小さな農家保護策。消費は美徳でなくなる。美徳でないのだから、大いに高い税を払う。タバコと同じことだ。本来の人間の暮らしに戻ると言う事で、悪い事ではない。またぞろ出ているのが、公共事業で景気浮揚案。とんでもないことだ。景気と公共事業は関係がない。必要不可欠なことはやるにしても、景気のための公共投資の時代ではない。それこそそんなことは民間がやれば良い。民間企業の投資意欲が減退している状況で、何で公共だけが景気浮揚の為に投資を出来る。一時しのぎなら、それもあるが、状況は100年に一度の経済転換場面だ。大きな発想の転換をしなければ、この状況を受け入れることはできない。希望的予算としては、太陽光発電への補助金の復活。誤りを改むるに恥ずることはない。カネカではベルギーに太陽光発電装置の新工場を建設するという。何故日本じゃないのと残念だが、最近の政府の冷たい目線では仕方がなかったか。

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